最強軍団・オーガ襲来
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「お前らのキックスゲーな! サッカーやってんのか?」
サッカー、という言葉に豪炎寺の足も止まる。瑞貴は豪炎寺のうしろにいたのでその表情を読むことはできなかった。
「で、どこの学校なんだ? よかったら一緒に練習しないか?」
豪炎寺はチラッと円堂を見るだけでそのままその場を去った。
円堂が再び呼び止めようとするが彼は足も止めなかった。次に振るのはきっと自分だと悟った瑞貴は円堂が声をかける前に走った。正確には逃げたのだ。
「あっ、おい。おい!」
そんな三人の光景を、橋の上で眺めていた二人の少年少女は警戒しながら周りを見渡す。
「奴ら、まだ来てないみたいだ……」
「だけどどこから仕掛けるかわからない。気をつけよう」
「ああ」
顔を見合せて頷いた二人は、そのまま去って行くと同時に消えた。
☆☆☆☆☆
翌日、瑞貴と豪炎寺は雷門中に転校してきた。しかも円堂と秋と同じクラスである。
昼休みになると円堂はさっそく二人を勧誘しに向かった。しかし瑞貴はお手洗いに行っているため今は豪炎寺一人だ。それに構わず円堂は秋と共に話しかける。
「豪炎寺。昨日、ちゃんと自己紹介してなかったからさ。俺、円堂守。サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー。お前も入らないか? 木戸川清修ってサッカーの名門だもんな。どうりであのキック、スゴいはずだぜ!」
「…………」
キックのポーズをして言う円堂だが、豪炎寺はいい反応を見せず窓の外へ顔を向けた。
「ん? なんだよ?」
「サッカーは、もうやめたんだ」
「やめたって、どうして……?」
「俺に構うな」
至って淡々と話す豪炎寺に円堂は眉下げる。
「あっ、井上さん」
「何っ!?」
秋がお手洗いから帰って来た瑞貴に気づくと、円堂が勢いよくこっちに振り向いた。さっきまでの表情はどこにいったんだ、と瑞貴は内心思った。
「井上! お前もサッカー部に入らないか!?」
「ええと…あの……」
「あっ、自己紹介がまだだったな。俺、円堂守。サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー。よろしくな!」
(知ってますとも!何度も何度も見てきたアニメの主人公ですから!)
瑞貴がそう思っていることを円堂は知らない。もちろんこの場にいる全員知らないが。
「昨日のキック、スゴかったな! コントロールもよかったし!」
「あ、ありがとうございます……。ええと――」
「円堂!」
円堂が構わず話しかけようとすると、駆け寄って来た半田が円堂に呼びかけた。
「冬海先生がお前を呼んでる。校長室に来いってさ」
「校長室?」
「大事な話があるらしい」
(あの話か!)
それを聞いた瑞貴は話の内容を察した。きっと帝国学園との試合のことだろう。しかし半田は別のことを予想する。
「俺、嫌な予感がするんだ。例えば、廃部の話とかさ」
「廃部!?」
廃部の話に驚く円堂。先ほどまで窓の外を見ていた豪炎寺が円堂たちを見ていることは瑞貴しか知らない。
「私もそんな噂聞いたけど……」
「冗談じゃないぞ。廃部になんかさせるもんか!」
怒りながら教室を出て行く円堂を見送る秋と半田と豪炎寺と瑞貴だった。
――校長室で待っていたのは呼び出した張本人の冬海、校長室の主である火来伸蔵、理事長代理で同じ中学二年生の雷門夏美がいた。先ほどまで怒っていた円堂が緊張しながらゴクリと唾を飲み込む。
「あ、あの、話ってなんですか?」
「突然ですが、一週間後に久しぶりの練習試合をすることになりました。相手は――帝国学園です」
「て、帝国!? 最強と言われる、あの帝国学園ですか!?」
「この四十年間、フットボールフロンティアで優勝続けている無敵の学園だよ」
冬海が告げた学校名に火来が解説してくれたが、フットボールフロンティアを目指す円堂は当然知っていた。だからこそ疑問に思うことがある。
「日本一のチームがなんでうちに……? 最強のサッカー部との試合は嬉しいですけど、今、部員は七人しかいませんが……」
「――足りないのなら、試合までに集めたらいかが?」
「えっ」
その声の主は先ほどまで窓の外を見ていた夏未であり、円堂に向かって優雅に微笑む。
「集められなかった場合、あるいは試合に勝てなかった場合、サッカー部は廃部……決定事項よ」
「勝手に決めんなよ!」
「これは理事長と校長先生による決定でもあるの。あんな掘っ立て小屋の弱小クラブに回す予算はないわ」
「何ぃ!?」
「円堂くん。夏未お嬢様の言葉は理事長の言葉と同じだ」
「フフッ」
火来の言う通りで夏未は多忙な理事長――雷門総一郎の代わりに雷門中の運営を任されている。その腕は確かなものなのだ。
再び優雅に微笑む夏未に円堂は怒りのパラメーターが上がるかのように顔を真っ赤にした。
☆☆☆☆☆
放課後。円堂はサッカー部の部室に集まった全員に練習試合のことを告げたが……染岡や栗松を始め選手たちは冷や汗をダラダラとかいていた。
「で、お前……」
「その試合、やるって言ったでヤンスか……?」
「やるさ! 廃部になんてさせない! キッチリ十一人そろえてやる!」
「相手は帝国ですよ!? ムリ、絶対ムリ!」
「ウッ……」
「ボコボコにされて恥かくだけですよ……」
「ぐっ……」
宍戸や少林寺が現実的なことを言う度に、部室に暗い空気が流れていく。
「あ~あ。結局廃部ってことか……」
「この部室ともオサラバっスね……」
「お前ら! サッカーを愛する気持ちがあれば、不可能だって可能に変える! 何も始まってないのに、あきらめちゃダメだ! あきらめちゃダメなんだよ!!」
半田や壁山たちとは対象に立ち直った円堂はやる気の炎をメラメラと燃やしていた。
一方、特にやることもなかったので瑞貴はグラウンドの近くの木の枝に腰掛けてただ空を見上げながらボーっとしている。あまり目立たない場所にあったので一人でいるには最適だ。
「サッカー部かぁ……。どうしよう……」
すると円堂の声が聞こえた。見れば『帝国学園来たるサッカー部員・大募集!』という看板を担いで走り回っていた。今は陸上部に所属している風丸に話しかけている。
「フ~ン。サッカーねぇ……」
「風丸。お前、一流プレーヤーと競ってみたいって言ってたろ? もしやる気になったら、いつでも言ってくれよ! 放課後は鉄塔広場で練習してるから! あっ、そこに来てくれてもいいや! じゃあ、よろしくな!」
「一流ってのは、陸上の話だぜ……」
(お~、やってるね~)
半ば呆れながらその様子を見た後、再び空を見上げる。
「……オ……イ……」
(本当にどうしよう……。原作に関わりたいと思うけど超次元サッカーに今までやっていた普通のサッカーが敵うわけないし……)
「オーイ! 井上ー!」
「ん?」
名前を呼ばれたので下を向くとすぐ下で円堂が大きく手を振っていた。幸いスパッツを穿いていたので下着が見えることはないが、少しは躊躇してほしい。とりあえず瑞貴は円堂の隣に飛び降りた。
「どうかしましたか?」
瑞貴が尋ねると円堂は目を輝かせて手をつかみ、ブンブンと上下に振る。
「井上! サッカー部に入らないか!?」
「へっ?」
瑞貴が少し思い留まっていると円堂は「あっ!」と声を上げた。……今度はなんなんだと瑞貴は半目になって円堂を見る。
「他の奴らにも聞かなきゃ! 行くぞ、井上!」
「ええぇぇえええ!?」
円堂はそのまま瑞貴の手を引いて勧誘に回った。
様々な運動部に声をかけたがことごとく玉砕。そのため手当たり次第に男子生徒に声をかけていた。
「サッカー部? この僕が入るわけないだろ。せめてあと一人集まらないってときに、もう一度頼みに来たら?」
「えっ? あと一人?」
「そうさ。『この目金が弱小サッカー部を救った』……な~んてカッコいいじゃないか。フッフッフッ」
「「……ハァ」」
「――へぇ」
そばで面白そうに看板を見ていた男子生徒がいたのに二人共気づかなかった。
「よし! 次だ!」
「みぎゃあ!」
あきらめず走り出した円堂。当然手をつかまれている瑞貴は引っ張られた。――そのとき彼がさらに面白そうに見ていたのを瑞貴は知らなかった。
別の場所で最初の瑞貴と同じように木の枝に座っている少女と、後頭部に両手を当てて幹にもたれている少年が周りを警戒していた。
「あんたもこっちに来たら?」
「いいよ。俺は」
下を見て尋ねる少女に少年は顔を向けずに答えた。当然この少女もスパッツを穿いているので下着が見えることはないが、顔を見るということは必然的に上を見るということで、少年は気を遣って向きを変えなかったのだ。
再び周りを見渡す二人がいる木のそばに、円堂が振り回されて目を回している瑞貴の手を引きながら駆け寄って来た。
「ねぇ、君!」
「ん? ウウッ……見つかった!」
(バカ!)
円堂が話しかけたことで少年は一気に冷や汗を流し両手で慌てて口を塞ぐ。少女は木の上にいるため気づかれていないが、心の中で少年を罵倒した。
「サッカー部に入らない?」
「ん?」
一度目を瞬いた少年は円堂に背を向け、チラリと上に目を向けると少女は口パクで伝える。
(な・り・き・る・の!)
(そ、そうだ! 俺たちはこの時代の人間としてここにいるんだった!)
サッカー、という言葉に豪炎寺の足も止まる。瑞貴は豪炎寺のうしろにいたのでその表情を読むことはできなかった。
「で、どこの学校なんだ? よかったら一緒に練習しないか?」
豪炎寺はチラッと円堂を見るだけでそのままその場を去った。
円堂が再び呼び止めようとするが彼は足も止めなかった。次に振るのはきっと自分だと悟った瑞貴は円堂が声をかける前に走った。正確には逃げたのだ。
「あっ、おい。おい!」
そんな三人の光景を、橋の上で眺めていた二人の少年少女は警戒しながら周りを見渡す。
「奴ら、まだ来てないみたいだ……」
「だけどどこから仕掛けるかわからない。気をつけよう」
「ああ」
顔を見合せて頷いた二人は、そのまま去って行くと同時に消えた。
☆☆☆☆☆
翌日、瑞貴と豪炎寺は雷門中に転校してきた。しかも円堂と秋と同じクラスである。
昼休みになると円堂はさっそく二人を勧誘しに向かった。しかし瑞貴はお手洗いに行っているため今は豪炎寺一人だ。それに構わず円堂は秋と共に話しかける。
「豪炎寺。昨日、ちゃんと自己紹介してなかったからさ。俺、円堂守。サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー。お前も入らないか? 木戸川清修ってサッカーの名門だもんな。どうりであのキック、スゴいはずだぜ!」
「…………」
キックのポーズをして言う円堂だが、豪炎寺はいい反応を見せず窓の外へ顔を向けた。
「ん? なんだよ?」
「サッカーは、もうやめたんだ」
「やめたって、どうして……?」
「俺に構うな」
至って淡々と話す豪炎寺に円堂は眉下げる。
「あっ、井上さん」
「何っ!?」
秋がお手洗いから帰って来た瑞貴に気づくと、円堂が勢いよくこっちに振り向いた。さっきまでの表情はどこにいったんだ、と瑞貴は内心思った。
「井上! お前もサッカー部に入らないか!?」
「ええと…あの……」
「あっ、自己紹介がまだだったな。俺、円堂守。サッカー部のキャプテンやってるんだ。ポジションはキーパー。よろしくな!」
(知ってますとも!何度も何度も見てきたアニメの主人公ですから!)
瑞貴がそう思っていることを円堂は知らない。もちろんこの場にいる全員知らないが。
「昨日のキック、スゴかったな! コントロールもよかったし!」
「あ、ありがとうございます……。ええと――」
「円堂!」
円堂が構わず話しかけようとすると、駆け寄って来た半田が円堂に呼びかけた。
「冬海先生がお前を呼んでる。校長室に来いってさ」
「校長室?」
「大事な話があるらしい」
(あの話か!)
それを聞いた瑞貴は話の内容を察した。きっと帝国学園との試合のことだろう。しかし半田は別のことを予想する。
「俺、嫌な予感がするんだ。例えば、廃部の話とかさ」
「廃部!?」
廃部の話に驚く円堂。先ほどまで窓の外を見ていた豪炎寺が円堂たちを見ていることは瑞貴しか知らない。
「私もそんな噂聞いたけど……」
「冗談じゃないぞ。廃部になんかさせるもんか!」
怒りながら教室を出て行く円堂を見送る秋と半田と豪炎寺と瑞貴だった。
――校長室で待っていたのは呼び出した張本人の冬海、校長室の主である火来伸蔵、理事長代理で同じ中学二年生の雷門夏美がいた。先ほどまで怒っていた円堂が緊張しながらゴクリと唾を飲み込む。
「あ、あの、話ってなんですか?」
「突然ですが、一週間後に久しぶりの練習試合をすることになりました。相手は――帝国学園です」
「て、帝国!? 最強と言われる、あの帝国学園ですか!?」
「この四十年間、フットボールフロンティアで優勝続けている無敵の学園だよ」
冬海が告げた学校名に火来が解説してくれたが、フットボールフロンティアを目指す円堂は当然知っていた。だからこそ疑問に思うことがある。
「日本一のチームがなんでうちに……? 最強のサッカー部との試合は嬉しいですけど、今、部員は七人しかいませんが……」
「――足りないのなら、試合までに集めたらいかが?」
「えっ」
その声の主は先ほどまで窓の外を見ていた夏未であり、円堂に向かって優雅に微笑む。
「集められなかった場合、あるいは試合に勝てなかった場合、サッカー部は廃部……決定事項よ」
「勝手に決めんなよ!」
「これは理事長と校長先生による決定でもあるの。あんな掘っ立て小屋の弱小クラブに回す予算はないわ」
「何ぃ!?」
「円堂くん。夏未お嬢様の言葉は理事長の言葉と同じだ」
「フフッ」
火来の言う通りで夏未は多忙な理事長――雷門総一郎の代わりに雷門中の運営を任されている。その腕は確かなものなのだ。
再び優雅に微笑む夏未に円堂は怒りのパラメーターが上がるかのように顔を真っ赤にした。
☆☆☆☆☆
放課後。円堂はサッカー部の部室に集まった全員に練習試合のことを告げたが……染岡や栗松を始め選手たちは冷や汗をダラダラとかいていた。
「で、お前……」
「その試合、やるって言ったでヤンスか……?」
「やるさ! 廃部になんてさせない! キッチリ十一人そろえてやる!」
「相手は帝国ですよ!? ムリ、絶対ムリ!」
「ウッ……」
「ボコボコにされて恥かくだけですよ……」
「ぐっ……」
宍戸や少林寺が現実的なことを言う度に、部室に暗い空気が流れていく。
「あ~あ。結局廃部ってことか……」
「この部室ともオサラバっスね……」
「お前ら! サッカーを愛する気持ちがあれば、不可能だって可能に変える! 何も始まってないのに、あきらめちゃダメだ! あきらめちゃダメなんだよ!!」
半田や壁山たちとは対象に立ち直った円堂はやる気の炎をメラメラと燃やしていた。
一方、特にやることもなかったので瑞貴はグラウンドの近くの木の枝に腰掛けてただ空を見上げながらボーっとしている。あまり目立たない場所にあったので一人でいるには最適だ。
「サッカー部かぁ……。どうしよう……」
すると円堂の声が聞こえた。見れば『帝国学園来たるサッカー部員・大募集!』という看板を担いで走り回っていた。今は陸上部に所属している風丸に話しかけている。
「フ~ン。サッカーねぇ……」
「風丸。お前、一流プレーヤーと競ってみたいって言ってたろ? もしやる気になったら、いつでも言ってくれよ! 放課後は鉄塔広場で練習してるから! あっ、そこに来てくれてもいいや! じゃあ、よろしくな!」
「一流ってのは、陸上の話だぜ……」
(お~、やってるね~)
半ば呆れながらその様子を見た後、再び空を見上げる。
「……オ……イ……」
(本当にどうしよう……。原作に関わりたいと思うけど超次元サッカーに今までやっていた普通のサッカーが敵うわけないし……)
「オーイ! 井上ー!」
「ん?」
名前を呼ばれたので下を向くとすぐ下で円堂が大きく手を振っていた。幸いスパッツを穿いていたので下着が見えることはないが、少しは躊躇してほしい。とりあえず瑞貴は円堂の隣に飛び降りた。
「どうかしましたか?」
瑞貴が尋ねると円堂は目を輝かせて手をつかみ、ブンブンと上下に振る。
「井上! サッカー部に入らないか!?」
「へっ?」
瑞貴が少し思い留まっていると円堂は「あっ!」と声を上げた。……今度はなんなんだと瑞貴は半目になって円堂を見る。
「他の奴らにも聞かなきゃ! 行くぞ、井上!」
「ええぇぇえええ!?」
円堂はそのまま瑞貴の手を引いて勧誘に回った。
様々な運動部に声をかけたがことごとく玉砕。そのため手当たり次第に男子生徒に声をかけていた。
「サッカー部? この僕が入るわけないだろ。せめてあと一人集まらないってときに、もう一度頼みに来たら?」
「えっ? あと一人?」
「そうさ。『この目金が弱小サッカー部を救った』……な~んてカッコいいじゃないか。フッフッフッ」
「「……ハァ」」
「――へぇ」
そばで面白そうに看板を見ていた男子生徒がいたのに二人共気づかなかった。
「よし! 次だ!」
「みぎゃあ!」
あきらめず走り出した円堂。当然手をつかまれている瑞貴は引っ張られた。――そのとき彼がさらに面白そうに見ていたのを瑞貴は知らなかった。
別の場所で最初の瑞貴と同じように木の枝に座っている少女と、後頭部に両手を当てて幹にもたれている少年が周りを警戒していた。
「あんたもこっちに来たら?」
「いいよ。俺は」
下を見て尋ねる少女に少年は顔を向けずに答えた。当然この少女もスパッツを穿いているので下着が見えることはないが、顔を見るということは必然的に上を見るということで、少年は気を遣って向きを変えなかったのだ。
再び周りを見渡す二人がいる木のそばに、円堂が振り回されて目を回している瑞貴の手を引きながら駆け寄って来た。
「ねぇ、君!」
「ん? ウウッ……見つかった!」
(バカ!)
円堂が話しかけたことで少年は一気に冷や汗を流し両手で慌てて口を塞ぐ。少女は木の上にいるため気づかれていないが、心の中で少年を罵倒した。
「サッカー部に入らない?」
「ん?」
一度目を瞬いた少年は円堂に背を向け、チラリと上に目を向けると少女は口パクで伝える。
(な・り・き・る・の!)
(そ、そうだ! 俺たちはこの時代の人間としてここにいるんだった!)