最強軍団・オーガ襲来
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春――それは新しいことの始まりの季節。小学校から上がって真新しい制服を着た一人の少女が、とある学校の校門前に立って校舎を見上げていた。
「おはよう、瑞貴!」
「おはよう、綾香ちゃん」
駆け寄って来たもう一人の少女――加藤綾香は、校舎を見上げていた少女――井上瑞貴の肩をポンッと叩いて声をかけた。
「ついに私たちも中学生だね」
「そうね。小学校は六年もあったのに、こうしてみるとあっという間って感じかも。で、こんな所に突っ立って何を思ってたの?」
「なんとなくだよ。でも……何かが始まりそうな気がするの。これから始まる中学生活に、何かが起こる気がする」
そう呟くと同時に風が舞う。桜吹雪の中で瑞貴の姿が一瞬消えたような気がして、綾香は目を擦ってもう一度見ると、瑞貴は確かにその場にいた。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。これから入学式なんだけど、部活はどうする……――って、愚問だね」
「当然! ――サッカー部に入る!」
入学式が終わり、瑞貴はさっそく職員室に行って担任に頼みこんで手に入れた入部届を顧問の先生に渡す。
「新入生の井上瑞貴! サッカー部に入部希望です! もちろん、選手として!」
「せ、選手? 君が?」
入部届を受け取った先生は瑞貴を見て目を丸くした。顔を輝かせているあたり冷やかしでもなく、入部届にもマネージャーではなく『選手として!』と書かれている。聞き間違いでもなさそうだ。
「うちのサッカー部は男子サッカー部しかないんだけど……」
「それを重々承知の上です! 私、小さい頃から男子ともサッカーをしているんです。いずれライセンスも入手します!」
「う~ん……。じゃあ、サッカー部の奴らと相談してみるから、それから決めようか」
「はい!」
当然サッカー部に反感もあったが、他の入部希望者と一緒にテストをさせてみると瑞貴のズバ抜けた才能を見せつけられた。入部を認める他はない。同時期に綾香も瑞貴を支えるためマネージャーとして入部する。
「瑞貴、これからもよろしくね!」
「うん!」
瑞貴は満面の笑顔を浮かべた。その表情に同じサッカー部の男子の頬が微かに赤くなっていたが、気づいたのは綾香だけである。
……これが異世界へトリップする始まりだとは誰も気づかなかった。
☆☆☆☆☆
また別の次元では、雷門中学校の入学式に真新しい制服を着た一人の少年がサッカーボールを持って走っていた。そして門をくぐってキョロキョロと見渡し、これから自分が通う学校だと改めて認識すると体を震わせる。
「ん~……ついに、来たぜ――っ!!」
拳を上げて飛び上がった少年は、周りから注目を集めながらも校舎に入って行った。
そして入学式が終わるとサッカーボールとあるモノを持って、一直線に職員室へと向かう。
「円堂守といいます! サッカー部、入部希望です!」
「ハァ……」
少年――円堂守が提出した『入部届』と書かれた封筒はお世辞にも綺麗な字ではなかった。それを冬海卓はダルそうに受け取る。
「サッカー部は、冬海先生が担当だと聞きました。サッカー部に入りたいです!」
背筋を伸ばして目を輝かせる円堂に対し、冬海は入部届を机の上に置くと座っているため円堂を見上げる形になって告げる。
「悪いけど……この学校にサッカー部はないんだ」
「えっ……――ええぇぇえええ!?」
期待の分ショックが大きかったのか、円堂の叫び声は職員室中に響き渡る。机や備品だけじゃなく、冬海を除いた先生たちがひっくり返る勢いであった。
――それから木野秋とも出会い、部がなくても部室はあるということで、冬海に案内してもらい外に移動すると、綺麗な校舎とは違い古びた小屋がポツンとあった。長年掃除もしていないようで蜘蛛の巣まである。
「部室ってここなんですよね?」
「ええ、そうです」
「えっ……ここが?」
「それじゃ、開けますよ」
「はい!」
冬海が鍵を開けたので円堂が扉を開くと、中には大量のダンボールや備品などがあった。これは部室というより……。
「物置になってる……」
「こんな状態ですが、使いますか?」
「俺、掃除します。サッカー部があるとわかればやりたい人、来ますから!」
円堂は迷わずそう言う。冬海は興味なさそうにあとを任せると円堂と秋は部室の掃除を始めた。
時間が許す限り何日も掃除し続けると、部室の看板が見つかった。それと同じくらいに部室の掃除も終わる。
「よーし! 雷門中サッカー部!」
「「始動!」」
二人のハイタッチで雷門中サッカー部が誕生した。それから同じ一年の染岡竜吾と半田真一が入部してサッカー部は四人になる。グラウンドは他の部が使っているのでテニスコートの片隅や部室前で基礎練習をし続けていた。
そして再び春が訪れると、新入生の壁山塀吾郎や栗松鉄平や宍戸佐吉や少林寺歩が入部することになった。目指すはフットボールフロンティアである。
「みんな、サッカーやろうぜ!」
フットボールフロンティアのポスターを貼った円堂が、みんなに体を向けて拳を高らかに上げた。
☆☆☆☆☆
ある時代のある場所に王牙学園というのがあった。その中にある吹き抜け層となった一階の中心に軍服を着た一人の少年がおり、マスクを被った同じ軍服を着た百人ほどの者たちが一斉に少年へと向かって覆い尽くす。だが、少年はてっぺんに向けたひと蹴りで全員をなぎ払った。
マスクを被った者たちの戦闘不能を球体カメラで確認すると、ワインレッドの光と共に扉から何人かの少年たちと一人の男が現れる。
「見事だ、バダップ=スリード。我が部隊を率いるのは――お前だ!」
「…………」
男――バウゼンの宣言に、少年――バダップ=スリードの額へ紋章が刻み込まれた。
「そして見よ、これがお前の倒すべき敵だ!」
〈サッカーやろうぜ!〉
〈みんな、がんばろう!〉
突如現れたモニターからは先ほどフットボールフロンティナのポスターを貼った円堂と、数日後に入部した満面の笑顔の瑞貴の姿が映っていた。彼らがバウゼンの示す『敵』である。
その画像を別の部屋から王牙学園設立者であるヒビキを中心に、数人の男たちが顔をしかめながら見ていた。
「この言葉は悪魔の呪文、そしてこの笑顔は魔性の笑みだ……。同士諸君――今、世界には『サッカー』という恐るべき危険思想が広がりつつある。このままでは未来を担う子供たちはサッカーに魂を奪われ、弱体化してしまう!」
次にモニターに映し出されたのは、円堂と瑞貴が雷門中サッカー部と共にフットボールフロンティア全国大会で優勝したときだ。
「全てはこの少年と少女……円堂守と井上瑞貴――のちに円堂瑞貴から始まった。歴史の分岐点は80年前のフットボールフロンティア優勝にある。我らの手でこの歴史を変えるのだ!」
「――ヒビキ提督!」
扉から現れたバウゼンはヒビキを見上げると背筋を伸ばして姿勢を正す。
「おお、バウゼン」
「準備全て、完了です!」
「よろしい。では諸君、始めよう! 『オペレーション・サンダーブレイク』の発動だ!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
これが円堂と瑞貴が中学二年より80年後の時代にある出来事なのだ。
☆☆☆☆☆
同時期に不思議な空間の中で一人の青年がその様子を映し出されたモニターで見ていた。
「あの子……瑞貴は別の世界から来たから、完全にこの世界とシンクロしていない。そこを突かれたか……」
青年――次元と時空の神である神崎シンは別のモニターに映る円堂と瑞貴を見ると眉をひそめる。
「同じ時代の人間がなんとかしてくれるとはいえ、命を失うことだけは避けないとね。それに瑞貴の血を引くこの二人……特に『彼女』が一緒ならタイムパラドックスなど時空全体に影響を及ぼす心配はないだろう」
シンが神としてやれることは限りがあるので、さらに別のモニターに映る円堂と瑞貴に似た少年少女に託すことにした。
☆☆☆☆☆
放課後――。雷門中の校舎から出た円堂はサッカー部の部室に向かうと思いっきり扉を開ける。……その拍子で看板が傾いたが。
ユニフォームに着替え、キーパー用のグローブを嵌め、カゴから一つのボールを取り出して先に集まっている部員に向かって叫ぶ。
「さあ! 練習――……」
しかし他の部員は全くやる気がなかった。ユニフォームに着替えても椅子に座ってボーッとする染岡、ゲームする栗松に横から覗く宍戸、拳法の練習をする少林寺。制服のままでいる半田はコロコロを見て、壁山はお菓子を食べていた。
つまり、全員が全く練習をする気0なのだ。
「どうしたどうした!? もうずーっと練習してないんだぞ?」
「グラウンド、借りられたのかよ」
「ウッ……。これからまた、ラグビー部に交渉して――」
「だと思った」
「どうせ笑いモンになるだけヤンスよ」
「『七人ぽっちならテニスコートで充分だろう』って」
染岡の質問に円堂は言葉に詰まるが交渉の提案を出す。だがそれは過去に何度もやって失敗したので半田も栗松も宍戸もあきらめているのだ。
「グラウンド、空いてる日にやればいいんじゃないの?」
「そうそう」
「空いたことないけど」
「ム~~! 俺たちはサッカー部なんだ――っ!!」
バンッ!!
半田がそう言っても壁山と少林寺はこれも過去に何度もあるのであきらめている。しかし円堂は憤慨するように叫ぶとフットボールフロンティアのポスターを叩いた。
「フットボールフロンティア! 今年こそ、これに出ようぜ! なっ、染岡! 半田!」
「…………」
「ムリムリ」
「壁山!」
「ん~……」
「栗松! 宍戸!」
「部員七人じゃ試合に出られんでヤンス。ああっ!」
「遅い。そこでシュート」
「うるさいでヤンス」
最初はやる気満々だった部員たちも、今じゃ円堂以外はフットボールフロンティアなど夢のまた夢だと思っていた。
「コラー! お前らサッカーやりたくて入部したんだろうが! サッカー部がサッカーやらなくってどうすんだよ!」
円堂は部室から出て扉を思いっきり閉めると、今度こそ看板が外れる。それに気付いた円堂は落ちる前にキャッチして掛け直した。
「おはよう、瑞貴!」
「おはよう、綾香ちゃん」
駆け寄って来たもう一人の少女――加藤綾香は、校舎を見上げていた少女――井上瑞貴の肩をポンッと叩いて声をかけた。
「ついに私たちも中学生だね」
「そうね。小学校は六年もあったのに、こうしてみるとあっという間って感じかも。で、こんな所に突っ立って何を思ってたの?」
「なんとなくだよ。でも……何かが始まりそうな気がするの。これから始まる中学生活に、何かが起こる気がする」
そう呟くと同時に風が舞う。桜吹雪の中で瑞貴の姿が一瞬消えたような気がして、綾香は目を擦ってもう一度見ると、瑞貴は確かにその場にいた。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。これから入学式なんだけど、部活はどうする……――って、愚問だね」
「当然! ――サッカー部に入る!」
入学式が終わり、瑞貴はさっそく職員室に行って担任に頼みこんで手に入れた入部届を顧問の先生に渡す。
「新入生の井上瑞貴! サッカー部に入部希望です! もちろん、選手として!」
「せ、選手? 君が?」
入部届を受け取った先生は瑞貴を見て目を丸くした。顔を輝かせているあたり冷やかしでもなく、入部届にもマネージャーではなく『選手として!』と書かれている。聞き間違いでもなさそうだ。
「うちのサッカー部は男子サッカー部しかないんだけど……」
「それを重々承知の上です! 私、小さい頃から男子ともサッカーをしているんです。いずれライセンスも入手します!」
「う~ん……。じゃあ、サッカー部の奴らと相談してみるから、それから決めようか」
「はい!」
当然サッカー部に反感もあったが、他の入部希望者と一緒にテストをさせてみると瑞貴のズバ抜けた才能を見せつけられた。入部を認める他はない。同時期に綾香も瑞貴を支えるためマネージャーとして入部する。
「瑞貴、これからもよろしくね!」
「うん!」
瑞貴は満面の笑顔を浮かべた。その表情に同じサッカー部の男子の頬が微かに赤くなっていたが、気づいたのは綾香だけである。
……これが異世界へトリップする始まりだとは誰も気づかなかった。
☆☆☆☆☆
また別の次元では、雷門中学校の入学式に真新しい制服を着た一人の少年がサッカーボールを持って走っていた。そして門をくぐってキョロキョロと見渡し、これから自分が通う学校だと改めて認識すると体を震わせる。
「ん~……ついに、来たぜ――っ!!」
拳を上げて飛び上がった少年は、周りから注目を集めながらも校舎に入って行った。
そして入学式が終わるとサッカーボールとあるモノを持って、一直線に職員室へと向かう。
「円堂守といいます! サッカー部、入部希望です!」
「ハァ……」
少年――円堂守が提出した『入部届』と書かれた封筒はお世辞にも綺麗な字ではなかった。それを冬海卓はダルそうに受け取る。
「サッカー部は、冬海先生が担当だと聞きました。サッカー部に入りたいです!」
背筋を伸ばして目を輝かせる円堂に対し、冬海は入部届を机の上に置くと座っているため円堂を見上げる形になって告げる。
「悪いけど……この学校にサッカー部はないんだ」
「えっ……――ええぇぇえええ!?」
期待の分ショックが大きかったのか、円堂の叫び声は職員室中に響き渡る。机や備品だけじゃなく、冬海を除いた先生たちがひっくり返る勢いであった。
――それから木野秋とも出会い、部がなくても部室はあるということで、冬海に案内してもらい外に移動すると、綺麗な校舎とは違い古びた小屋がポツンとあった。長年掃除もしていないようで蜘蛛の巣まである。
「部室ってここなんですよね?」
「ええ、そうです」
「えっ……ここが?」
「それじゃ、開けますよ」
「はい!」
冬海が鍵を開けたので円堂が扉を開くと、中には大量のダンボールや備品などがあった。これは部室というより……。
「物置になってる……」
「こんな状態ですが、使いますか?」
「俺、掃除します。サッカー部があるとわかればやりたい人、来ますから!」
円堂は迷わずそう言う。冬海は興味なさそうにあとを任せると円堂と秋は部室の掃除を始めた。
時間が許す限り何日も掃除し続けると、部室の看板が見つかった。それと同じくらいに部室の掃除も終わる。
「よーし! 雷門中サッカー部!」
「「始動!」」
二人のハイタッチで雷門中サッカー部が誕生した。それから同じ一年の染岡竜吾と半田真一が入部してサッカー部は四人になる。グラウンドは他の部が使っているのでテニスコートの片隅や部室前で基礎練習をし続けていた。
そして再び春が訪れると、新入生の壁山塀吾郎や栗松鉄平や宍戸佐吉や少林寺歩が入部することになった。目指すはフットボールフロンティアである。
「みんな、サッカーやろうぜ!」
フットボールフロンティアのポスターを貼った円堂が、みんなに体を向けて拳を高らかに上げた。
☆☆☆☆☆
ある時代のある場所に王牙学園というのがあった。その中にある吹き抜け層となった一階の中心に軍服を着た一人の少年がおり、マスクを被った同じ軍服を着た百人ほどの者たちが一斉に少年へと向かって覆い尽くす。だが、少年はてっぺんに向けたひと蹴りで全員をなぎ払った。
マスクを被った者たちの戦闘不能を球体カメラで確認すると、ワインレッドの光と共に扉から何人かの少年たちと一人の男が現れる。
「見事だ、バダップ=スリード。我が部隊を率いるのは――お前だ!」
「…………」
男――バウゼンの宣言に、少年――バダップ=スリードの額へ紋章が刻み込まれた。
「そして見よ、これがお前の倒すべき敵だ!」
〈サッカーやろうぜ!〉
〈みんな、がんばろう!〉
突如現れたモニターからは先ほどフットボールフロンティナのポスターを貼った円堂と、数日後に入部した満面の笑顔の瑞貴の姿が映っていた。彼らがバウゼンの示す『敵』である。
その画像を別の部屋から王牙学園設立者であるヒビキを中心に、数人の男たちが顔をしかめながら見ていた。
「この言葉は悪魔の呪文、そしてこの笑顔は魔性の笑みだ……。同士諸君――今、世界には『サッカー』という恐るべき危険思想が広がりつつある。このままでは未来を担う子供たちはサッカーに魂を奪われ、弱体化してしまう!」
次にモニターに映し出されたのは、円堂と瑞貴が雷門中サッカー部と共にフットボールフロンティア全国大会で優勝したときだ。
「全てはこの少年と少女……円堂守と井上瑞貴――のちに円堂瑞貴から始まった。歴史の分岐点は80年前のフットボールフロンティア優勝にある。我らの手でこの歴史を変えるのだ!」
「――ヒビキ提督!」
扉から現れたバウゼンはヒビキを見上げると背筋を伸ばして姿勢を正す。
「おお、バウゼン」
「準備全て、完了です!」
「よろしい。では諸君、始めよう! 『オペレーション・サンダーブレイク』の発動だ!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
これが円堂と瑞貴が中学二年より80年後の時代にある出来事なのだ。
☆☆☆☆☆
同時期に不思議な空間の中で一人の青年がその様子を映し出されたモニターで見ていた。
「あの子……瑞貴は別の世界から来たから、完全にこの世界とシンクロしていない。そこを突かれたか……」
青年――次元と時空の神である神崎シンは別のモニターに映る円堂と瑞貴を見ると眉をひそめる。
「同じ時代の人間がなんとかしてくれるとはいえ、命を失うことだけは避けないとね。それに瑞貴の血を引くこの二人……特に『彼女』が一緒ならタイムパラドックスなど時空全体に影響を及ぼす心配はないだろう」
シンが神としてやれることは限りがあるので、さらに別のモニターに映る円堂と瑞貴に似た少年少女に託すことにした。
☆☆☆☆☆
放課後――。雷門中の校舎から出た円堂はサッカー部の部室に向かうと思いっきり扉を開ける。……その拍子で看板が傾いたが。
ユニフォームに着替え、キーパー用のグローブを嵌め、カゴから一つのボールを取り出して先に集まっている部員に向かって叫ぶ。
「さあ! 練習――……」
しかし他の部員は全くやる気がなかった。ユニフォームに着替えても椅子に座ってボーッとする染岡、ゲームする栗松に横から覗く宍戸、拳法の練習をする少林寺。制服のままでいる半田はコロコロを見て、壁山はお菓子を食べていた。
つまり、全員が全く練習をする気0なのだ。
「どうしたどうした!? もうずーっと練習してないんだぞ?」
「グラウンド、借りられたのかよ」
「ウッ……。これからまた、ラグビー部に交渉して――」
「だと思った」
「どうせ笑いモンになるだけヤンスよ」
「『七人ぽっちならテニスコートで充分だろう』って」
染岡の質問に円堂は言葉に詰まるが交渉の提案を出す。だがそれは過去に何度もやって失敗したので半田も栗松も宍戸もあきらめているのだ。
「グラウンド、空いてる日にやればいいんじゃないの?」
「そうそう」
「空いたことないけど」
「ム~~! 俺たちはサッカー部なんだ――っ!!」
バンッ!!
半田がそう言っても壁山と少林寺はこれも過去に何度もあるのであきらめている。しかし円堂は憤慨するように叫ぶとフットボールフロンティアのポスターを叩いた。
「フットボールフロンティア! 今年こそ、これに出ようぜ! なっ、染岡! 半田!」
「…………」
「ムリムリ」
「壁山!」
「ん~……」
「栗松! 宍戸!」
「部員七人じゃ試合に出られんでヤンス。ああっ!」
「遅い。そこでシュート」
「うるさいでヤンス」
最初はやる気満々だった部員たちも、今じゃ円堂以外はフットボールフロンティアなど夢のまた夢だと思っていた。
「コラー! お前らサッカーやりたくて入部したんだろうが! サッカー部がサッカーやらなくってどうすんだよ!」
円堂は部室から出て扉を思いっきり閉めると、今度こそ看板が外れる。それに気付いた円堂は落ちる前にキャッチして掛け直した。