「染岡！」

《ここでボールは染岡に渡ったー！》

「竜吾！　決めて！」

「よーし！　いくぜぇ！」


染岡竜吾……半田と共に一年の頃サッカー部に入部。強い誇りを持つストライカーでもあり、とても仲間思い。自分より高い実力を持つ相手に比較することもあったが努力家。一度は日本代表選考試合に落ちるも、その後見事に代表入りした。


「轟け！　ドラゴンスレイヤーＶ３！」

《出たー！　ドラゴンスレイヤー！》

「魔王・ザ・ハンドＧ５！」


染岡が放つドラゴンスレイヤーに、立向居はレベルアップした魔王・ザ・ハンドで対抗して見事に止めた。

立向居勇気……もともとＭＦだったが円堂に憧れてＧＫに転向。あきらめない気持ちと根性でゴッドハンドを始め、いくつものキーパー技を習得する。誰もが驚くほど高い潜在能力を持っている。


《止めた――っ!!　立向居、ゴールを守った――っ!!》

「さすがみんなで作ったキーパー技！」

「いいぞー立向居！　いつかお前のチームと戦ってみたいぜ！」

「はい、円堂さん！　受けて立ちます！」


魔王・ザ・ハンドを習得するため貢献した一人である春奈も感慨深く、円堂も後継者の成長に嬉しく思った。

立向居がゴールキックすると、そのボールの奪い合いが再び始まった。だが、全員イキイキとプレーをしている気持ちは、マネージャーたちにも伝わっている。


「みんな楽しそう……！」

「ええ。このメンバーでのゲームを心から楽しんでるのが伝わって来る……！」

「こっちも楽しくなってきちゃうわね！」

「わかりますわかります！　もう私もやりたくなっちゃってますもん！」

「その気持ち、わかります」


久遠冬花も夏未も秋も春奈も選手たちのプレーを見て笑顔を浮かべる。それは目金も同様で秋葉名戸戦のことを思い返した。

目金欠流……運動が苦手だが目立つため入部した。しかし地道に努力していきプレーを少しずつ上げて必殺技の命名もする。世界大会では戦術アドバイザーとして貢献してきた。


「そういえば目金さんも試合出てましたよね……」

「ハァ～……そういえばって……」


今思い出したというような春奈に、目金は溜息をつきながら肩を落とした。


《ゲームはさらに熱く展開中！　現在ボールは土門がキープ！》

（俺、雷門に来てサッカーやれてホンットによかった！　いいチームだったぜ！）


土門飛鳥……もともとは帝国学園サッカー部のスパイだったが、雷門の熱いサッカーに心酔して正式に一員になる。世界大会ではアメリカ代表になるが、別の国にいても雷門のことはずっと心に残っている。


「ふっ！」

《土門、浦部にパス！》

「いただき！」


最初の仕返しなのか、リカへのセンタリングを少林寺がカットした。


「あっ！」

「いいぞ、少林！」

「ナイス、歩！」


見事なパスカットに土門は驚き、円堂と瑞貴は嬉しそうに声を上げる。

少林寺歩……初期雷門メンバー。小柄ながらも日頃から練習を欠かさない拳法を使った動きと、その瞬発力と身体能力で試合に何度も成果を出していた。


（頼むぞ、これからの雷門を……！）

（私たちの志を受け継いだみんななら、きっとスゴいチームになるって信じてる！）


円堂と瑞貴は後輩たちの未来に胸を踊らせていた。

少林寺のパスは宍戸に渡り、ドリブルしていると鬼道が前に立ち塞がった。


「なっ！　鬼道さん！」

「宍戸！　怯むな、抜け！」

「はい！」


宍戸佐吉……初期雷門メンバー。途中からベンチに入るも常に仲間と心が一つだった。先輩への敬意と憧れを忘れず、共にプレーする姿はいつも輝いていた。