涙の卒業式!
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「そうか! 鬼道さんは元帝国学園!」
「――朝から人の噂話か?」
グラウンドに降りた虎丸を始めた五人に声がかかる。土手の上から聞こえたので全員顔を上げた。
「鬼道!」
「おはよう、鬼道くん!」
「有人、おはよう!」
その人物は噂の張本人である鬼道有人で、彼もグラウンドに降りて来た。
「虎丸に、俺たちの出会いがここだったんだって話してたんだよ」
「そうだったな……」
帝国学園の真の狙いは雷門中に転校した豪炎寺のデータを取ること。彼が一度シュートを撃ったので試合を棄権した。
「なんだか不思議……」
「ん?」
「あのとき、敵として出会った鬼道くんが、今はこうして雷門の制服を着てる」
「制服姿ですら最初は違和感バリバリだったのに、いつの間にか慣れちゃったね」
「世宇子と戦うためだったのにな。いつの間にか、お前たちといることが当たり前のようになっていた……」
地区予選で怪我してしまい大事にするため全国大会一回戦に出場せず、無念に倒れてしまった仲間たちの仇を取るために雷門に転校した。
決勝戦で世宇子中に勝ったあとは帝国学園に戻る可能性もあったが、今も雷門に残って今日までずっと共に過ごしてきた。
「俺はこの雷門で、お前と卒業できるなんて夢にも思わなかったよ。嬉しいぜ」
「フッ、俺もだ。――それにまだあきらめていないことがある」
「それは俺も同意見だ」
ベリッ!
「「えっ?」」
鬼道の言葉に豪炎寺も同意したと思ったら、未だに手を繋いでいた円堂と瑞貴を同時に引き剥がした。そして瑞貴の腕をそれぞれ取って校舎に向かうために足を進める。
「さあ行くぞ。卒業式に遅刻などシャレにならん」
「敷地にいても教室にいなくちゃ意味ないからな」
「えっ? えっ?」
「コラー! 瑞貴を返せー!」
困惑しながら瑞貴が連れ去られると円堂は声を上げて追いかけた。この二人は円堂の幼馴染と北海道の王子とアメリカの魔術師と同様にあきらめが特に悪く、隙あらば二人を引き剥がしてきた。
円堂が二人から瑞貴を引き離して四人並んで校舎へと向かうその光景を、微笑ましそうに虎丸と秋は見る。
「いいなぁ」
「えっ?」
「親友って、なんかカッコいいですよね!」
「フフッ」
その光景を見ていたのは他にもいる。理事長室で卒業アルバムを見ていた雷門総一郎は、窓の外を楽しそうに見る雷門夏未に気づいて声をかける。
「円堂くんと井上さんたちか」
「ええ」
最初はサッカー部を廃部させようとした夏未だが、今じゃマネージャーでありチームオペレーターとなっている。
「夏未がサッカーにこれほど入れ込むとはな」
「自分でも驚いているの。この二年間、あっという間だったわ……」
それは逆に言えばとても充実した二年間だったのだろう。夏未にとって初めて親友ができて、仲間ができて、好きな人ができて――全てを繋いだサッカーが、かけがえのないものになっていた。
☆☆☆☆☆
ついに卒業式が始まった。全校生徒と教職員と来賓者、そして卒業生の保護者や関係者たちが体育館に集まっている。
〈これより、雷門中学校卒業式を始めます。卒業生、起立〉
司会を務める瑞貴たちの担任の先生の言葉で、前列にいる卒業生たちは全員立ち上がった。腰には卒業生の証である赤い花が付けてある。
フットボールフロンティア、エイリア学園、フットボールフロンティアインターナショナル……この二年間は本当にいろいろあり、トリップした瑞貴にだって予想しないことが次々起こっていた。
(いろいろあったなぁ……)
元の世界の仲間に裏切られて仲間とサッカーすることにトラウマができたのに、今じゃ大切なモノになっている。そして円堂と相棒になっただけでなく交際することが一番予想しなかっただろう。
「――朝から人の噂話か?」
グラウンドに降りた虎丸を始めた五人に声がかかる。土手の上から聞こえたので全員顔を上げた。
「鬼道!」
「おはよう、鬼道くん!」
「有人、おはよう!」
その人物は噂の張本人である鬼道有人で、彼もグラウンドに降りて来た。
「虎丸に、俺たちの出会いがここだったんだって話してたんだよ」
「そうだったな……」
帝国学園の真の狙いは雷門中に転校した豪炎寺のデータを取ること。彼が一度シュートを撃ったので試合を棄権した。
「なんだか不思議……」
「ん?」
「あのとき、敵として出会った鬼道くんが、今はこうして雷門の制服を着てる」
「制服姿ですら最初は違和感バリバリだったのに、いつの間にか慣れちゃったね」
「世宇子と戦うためだったのにな。いつの間にか、お前たちといることが当たり前のようになっていた……」
地区予選で怪我してしまい大事にするため全国大会一回戦に出場せず、無念に倒れてしまった仲間たちの仇を取るために雷門に転校した。
決勝戦で世宇子中に勝ったあとは帝国学園に戻る可能性もあったが、今も雷門に残って今日までずっと共に過ごしてきた。
「俺はこの雷門で、お前と卒業できるなんて夢にも思わなかったよ。嬉しいぜ」
「フッ、俺もだ。――それにまだあきらめていないことがある」
「それは俺も同意見だ」
ベリッ!
「「えっ?」」
鬼道の言葉に豪炎寺も同意したと思ったら、未だに手を繋いでいた円堂と瑞貴を同時に引き剥がした。そして瑞貴の腕をそれぞれ取って校舎に向かうために足を進める。
「さあ行くぞ。卒業式に遅刻などシャレにならん」
「敷地にいても教室にいなくちゃ意味ないからな」
「えっ? えっ?」
「コラー! 瑞貴を返せー!」
困惑しながら瑞貴が連れ去られると円堂は声を上げて追いかけた。この二人は円堂の幼馴染と北海道の王子とアメリカの魔術師と同様にあきらめが特に悪く、隙あらば二人を引き剥がしてきた。
円堂が二人から瑞貴を引き離して四人並んで校舎へと向かうその光景を、微笑ましそうに虎丸と秋は見る。
「いいなぁ」
「えっ?」
「親友って、なんかカッコいいですよね!」
「フフッ」
その光景を見ていたのは他にもいる。理事長室で卒業アルバムを見ていた雷門総一郎は、窓の外を楽しそうに見る雷門夏未に気づいて声をかける。
「円堂くんと井上さんたちか」
「ええ」
最初はサッカー部を廃部させようとした夏未だが、今じゃマネージャーでありチームオペレーターとなっている。
「夏未がサッカーにこれほど入れ込むとはな」
「自分でも驚いているの。この二年間、あっという間だったわ……」
それは逆に言えばとても充実した二年間だったのだろう。夏未にとって初めて親友ができて、仲間ができて、好きな人ができて――全てを繋いだサッカーが、かけがえのないものになっていた。
☆☆☆☆☆
ついに卒業式が始まった。全校生徒と教職員と来賓者、そして卒業生の保護者や関係者たちが体育館に集まっている。
〈これより、雷門中学校卒業式を始めます。卒業生、起立〉
司会を務める瑞貴たちの担任の先生の言葉で、前列にいる卒業生たちは全員立ち上がった。腰には卒業生の証である赤い花が付けてある。
フットボールフロンティア、エイリア学園、フットボールフロンティアインターナショナル……この二年間は本当にいろいろあり、トリップした瑞貴にだって予想しないことが次々起こっていた。
(いろいろあったなぁ……)
元の世界の仲間に裏切られて仲間とサッカーすることにトラウマができたのに、今じゃ大切なモノになっている。そして円堂と相棒になっただけでなく交際することが一番予想しなかっただろう。