決戦! 帝国学園・前編!!
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「さっきの事故みたいに、フィールドに入ったら必ず怪我をするような言い方でした……」
「……わかった。だが、他にもないとは限らない。気をつけろ」
「ありがとうございます」
鬼道はそう言って瑞貴の横を通り過ぎた。
(これぐらいならいいよね……)
瑞貴は体勢を立て直して再びグラウンドへ足を踏み入れた。
――そうしている間に決勝戦開始時刻になった。雷門、帝国の両チームは入場口で一列になり、審判の合図でグラウンドに入る。だが鬼道はどこか挙動不審だった。
《雷門、帝国、両チームの入場です!》
角馬圭太の実況が鳴り響き、センターラインで互いに向き合う。
選手同士挨拶として握手を交わしていく。瑞貴が握手するとき、源田も佐久間も成神もどこか悲しそうで心配そうな瞳で見つめられたが、瑞貴は安心させるように微笑んだ。
鬼道の番なると突然腕を引かれ、耳元で話し出した。顔を上げて鬼道を見ると真剣な顔をしている。円堂にも同じことをした。
「……守」
「ああ。瑞貴はFWの二人に伝えてくれ。俺はMFとDFの奴らに伝えてくる」
「わかった」
瑞貴と円堂はそれぞれ行動を起こし、それから全員ポジションに着く。
《フットボールフロンティア地区大会決勝! 雷門中対帝国学園の開始です!》
審判の笛が鳴り響く――が。
ガシャン!! ドカン!! ガラン!!
いくつもの鉄骨が雷門エリアに落ちてきた。そのショックで土煙が舞う。
《あ――っと!! どういうことだ!? 突然、雷門中側の天井から鉄骨が降り注いできたー! 大事故発生――っ!!》
「みんな……!」
「まさか……ここまでやるとは……!」
秋と響木たちは顔を真っ青にする。それは帝国学園サッカー部も同じだった。ただ一人、鬼道を除いて――。
《ヒドい……。グラウンドは鉄骨が突き刺さり、これでは雷門中イレブンも……!》
土煙が全て晴れると、雷門イレブンは鉄骨に驚いているだけで怪我一つなく無事だった。
《なんと! 雷門中イレブンは無事です! 誰一人怪我さえしていないもようです! これは奇跡だ――っ!!》
「「「よかったー!」」」
鬼道が伝えたのはこのことだった。全員が無事だったことに、ベンチにいるマネージャーの夏未と春奈と控え選手の宍戸と影野と目金は泣いて抱き合っている。秋も顔を綻ばし、響木も安堵の息を吐く。
「「瑞貴/先輩!」」
「みぎゃあ!」
瑞貴が振り向くと、突然抱きつかれたり肩をつかまれた。
「大丈夫っスか!? 先輩!」
「怪我はないか!?」
「ちょ、二人とも、落ち着いて!」
ギューッと成神に抱きしめられ、佐久間に肩を揺さぶられる。瑞貴は酔いそうになったので二人に制止をかけると、視界の端に鬼道と源田と寺門が会場から出て行き、円堂と響木がそれを追いかけるのが見えた。
「私は大丈夫。でも、ごめん。ちょっと行ってくるから」
瑞貴は成神の腕から離れ、瑞貴も円堂たちを追いかけに会場から出て行った。うしろで成神や佐久間の声が聞こえる気がするが、今は一刻を争っている。
鬼道と源田と寺門、円堂と響木に追いつくのは難しくなかった。五人は瑞貴が来たことに驚いたが、事の事態をわかっているので何も言わず、一つの扉に辿り着いた。
鬼道は迷いもなくその前に立ち、扉は自動的に開かれた。そして部屋の奥にいるのは――。
「総帥! これがあなたのやり方ですか!?」
鬼道はゆっくり歩いて影山に近づく。残った者たちも鬼道のあとに続いた。
「『天に唾すれば自分にかかる』……。あれがヒントになったのです。あなたにしては軽率でしたね」
「言ってる意味がわからんな」
この期に及んで影山はしらばっくれている。椅子にもたれかかって両腕を組む。
「……わかった。だが、他にもないとは限らない。気をつけろ」
「ありがとうございます」
鬼道はそう言って瑞貴の横を通り過ぎた。
(これぐらいならいいよね……)
瑞貴は体勢を立て直して再びグラウンドへ足を踏み入れた。
――そうしている間に決勝戦開始時刻になった。雷門、帝国の両チームは入場口で一列になり、審判の合図でグラウンドに入る。だが鬼道はどこか挙動不審だった。
《雷門、帝国、両チームの入場です!》
角馬圭太の実況が鳴り響き、センターラインで互いに向き合う。
選手同士挨拶として握手を交わしていく。瑞貴が握手するとき、源田も佐久間も成神もどこか悲しそうで心配そうな瞳で見つめられたが、瑞貴は安心させるように微笑んだ。
鬼道の番なると突然腕を引かれ、耳元で話し出した。顔を上げて鬼道を見ると真剣な顔をしている。円堂にも同じことをした。
「……守」
「ああ。瑞貴はFWの二人に伝えてくれ。俺はMFとDFの奴らに伝えてくる」
「わかった」
瑞貴と円堂はそれぞれ行動を起こし、それから全員ポジションに着く。
《フットボールフロンティア地区大会決勝! 雷門中対帝国学園の開始です!》
審判の笛が鳴り響く――が。
ガシャン!! ドカン!! ガラン!!
いくつもの鉄骨が雷門エリアに落ちてきた。そのショックで土煙が舞う。
《あ――っと!! どういうことだ!? 突然、雷門中側の天井から鉄骨が降り注いできたー! 大事故発生――っ!!》
「みんな……!」
「まさか……ここまでやるとは……!」
秋と響木たちは顔を真っ青にする。それは帝国学園サッカー部も同じだった。ただ一人、鬼道を除いて――。
《ヒドい……。グラウンドは鉄骨が突き刺さり、これでは雷門中イレブンも……!》
土煙が全て晴れると、雷門イレブンは鉄骨に驚いているだけで怪我一つなく無事だった。
《なんと! 雷門中イレブンは無事です! 誰一人怪我さえしていないもようです! これは奇跡だ――っ!!》
「「「よかったー!」」」
鬼道が伝えたのはこのことだった。全員が無事だったことに、ベンチにいるマネージャーの夏未と春奈と控え選手の宍戸と影野と目金は泣いて抱き合っている。秋も顔を綻ばし、響木も安堵の息を吐く。
「「瑞貴/先輩!」」
「みぎゃあ!」
瑞貴が振り向くと、突然抱きつかれたり肩をつかまれた。
「大丈夫っスか!? 先輩!」
「怪我はないか!?」
「ちょ、二人とも、落ち着いて!」
ギューッと成神に抱きしめられ、佐久間に肩を揺さぶられる。瑞貴は酔いそうになったので二人に制止をかけると、視界の端に鬼道と源田と寺門が会場から出て行き、円堂と響木がそれを追いかけるのが見えた。
「私は大丈夫。でも、ごめん。ちょっと行ってくるから」
瑞貴は成神の腕から離れ、瑞貴も円堂たちを追いかけに会場から出て行った。うしろで成神や佐久間の声が聞こえる気がするが、今は一刻を争っている。
鬼道と源田と寺門、円堂と響木に追いつくのは難しくなかった。五人は瑞貴が来たことに驚いたが、事の事態をわかっているので何も言わず、一つの扉に辿り着いた。
鬼道は迷いもなくその前に立ち、扉は自動的に開かれた。そして部屋の奥にいるのは――。
「総帥! これがあなたのやり方ですか!?」
鬼道はゆっくり歩いて影山に近づく。残った者たちも鬼道のあとに続いた。
「『天に唾すれば自分にかかる』……。あれがヒントになったのです。あなたにしては軽率でしたね」
「言ってる意味がわからんな」
この期に及んで影山はしらばっくれている。椅子にもたれかかって両腕を組む。