サッカーやろうぜ!
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「昨日は河川敷で会ったよね。スゴくカッコよかったよ、あのシュート!」
不良の件を知らない半田はスゴく驚いた顔をした。
「瑞貴もサッカーするのか!?」
「あっ、うん。小さい頃からサッカーが好きだから」
「スゴかったんだよ。円堂くんをバカにした不良の顔に、正確にシュートを決めちゃったんだから!」
秋が熱く語ると半田はますます驚いた顔をする。
「瑞貴って大人しそうに見えて、結構活発なんだな」
「アハハハ……」
半田の感心の言葉に瑞貴は苦笑交じりに頬をかくのだった。
☆☆☆☆☆
それから放課後になり、特にやることもなかったので、瑞貴はグラウンドの近くの木の枝に腰掛けてただ空を見上げながらボーッとしている。あまり目立たない場所にあったので一人でいるには最適だ。
「サッカー部かぁ……。どうしよう……」
すると円堂の声が聞こえた。見れば『帝国学園来たるサッカー部員・大募集!』という看板を担いで走り回っていた。今は陸上部に所属している風丸に話しかけている。
「フ~ン。サッカーねぇ……」
「風丸。お前、一流プレーヤーと競ってみたいって言ってたろ? もしやる気になったら、いつでも言ってくれよ! 放課後は鉄塔広場で練習してるから! あっ、そこに来てくれてもいいや! じゃあ、よろしくな!」
「一流ってのは、陸上の話だぞ……」
(お~、やってるね~)
半ば呆れながらその様子を見た後、再び空を見上げる。
「……オ……イ……」
(本当にどうしよう……。物語に関わりたいと思うけど超次元サッカーに今までやっていた普通のサッカーが敵うわけないし……)
「オーイ! 井上ー!」
「ん?」
名前を呼ばれたので下を向くとすぐ下で円堂が大きく手を振っていた。幸いスパッツを穿いていたので下着が見えることはないが、少しは躊躇してほしい。とりあえず瑞貴は円堂の隣に飛び降りた。
「どうかしましたか?」
瑞貴が訪ねると円堂は目を輝かせて手をつかみ、ブンブンと上下に振る。
「井上! サッカー部に入らないか!?」
「へっ?」
瑞貴が少し思い留まっていると円堂は「あっ!」と声を上げた。……今度はなんなんだと瑞貴は半目になって円堂を見る。
「他の奴らにも聞かなきゃ! 行くぞ、井上!」
「ええぇぇえええ!?」
円堂はそのまま瑞貴の手を引いて勧誘に回った。
様々な運動部に声をかけたがことごとく玉砕。そのため手当たり次第に男子生徒に声をかけていた。
「サッカー部? この僕が入るわけないだろ。せめてあと一人集まらないってときに、もう一度頼みに来たら?」
「えっ? あと一人?」
「そうさ。『この目金が弱小サッカー部を救った』……な~んてカッコいいじゃないか。フッフッフッ」
「「……ハア」」
「――へぇ」
そばで面白そうに看板を見ていた、ボーダーの帽子を被った男子生徒がいたのに二人共気づかなかった。
「よし! 次だ!」
「みぎゃあ!」
あきらめず走り出した円堂。当然手をつかまれている瑞貴は引っ張られた。――そのとき彼がさらに面白そうに見ていたのを瑞貴は知らなかった。
「新聞部です! 帝国学園と試合するにあたり、何かコメントを!」
「コメントって……――ああ! そうだ!」
「はい、なんでしょう!?」
「部員募集の宣伝してくれないかな?」
「えぇっ!?」
「意外とちゃっかりしてますね……」
コメントではなく宣伝に使うとは、新聞部の青い髪で赤い眼鏡をかけた女子生徒も思わずズッコケて、瑞貴も呆気にとられた。
☆☆☆☆☆
一通り回り終えると引っ張り回されてさすがに疲れがきた。すると円堂が突然足を止めた。
「……円堂くん?」
「ごめんな、井上」
顔を覗き込むと円堂は眉を八の字にして落ち込んでいた。こんな悲しそうな顔をしていると、さっきまで原作がどうとか悩んでいた自分がバカらしくなってきた。
瑞貴は一つ目を閉じると、次に開けたときはすでに意志が定まった目をしていた。
「円堂くん。私――井上瑞貴、サッカー部に入ります! もちろん選手として!」
「本当か井上!?」
バッと顔を上げた円堂は目を輝かせ、さっきまでの表情とは打って変わっていた。本当によく表情が変わるなぁ、と瑞貴は思った。
「はい。男に二言はないと同じに女にも二言はございません。あっ、私でよければですが……」
「ありがとう! ありがとう!」
円堂はさらに目をキラキラさせ、再び瑞貴の手を強く握って上下に振りながら嬉しそうに礼を言う。そんな彼に瑞貴も頬が綻ぶ。
「フフッ」
「っ!」
円堂はその表情を見て一時固まり、顔を赤くした。その様子に瑞貴は首を傾げた。
――入部届を出して学校を出るともう夕方だった。とりあえず練習をするためにジャージに着替えた瑞貴は円堂とは別のボールを持って円堂にまた手を引かれた。
「どこに向かうんですか?」
「いいからいいから!」
長い道のり終え鉄塔広場に着くと、広大な景色と綺麗な夕日。思わず見惚れてしまうと、そこに豪炎寺も同じように夕日を見ていた。
「豪炎寺!」
「っ!」
円堂が豪炎寺に声をかけると、豪炎寺は円堂に気づくと瑞貴にも気づいたようで、驚いたような目をしていた。
目が合ったことに気づいた瑞貴は軽く頭を下げる。その場を去ろうとした豪炎寺だが円堂が先回りをした。
「ここスッゲーいい所だろ! 俺もここがちっちゃい頃からのお気に入りの場所なんだ! あのさ、お前も聞いてるだろ、帝国学園との練習試合!」
「!」
その言葉に豪炎寺の目が見開かれたと思うと、また目を細めた。
不良の件を知らない半田はスゴく驚いた顔をした。
「瑞貴もサッカーするのか!?」
「あっ、うん。小さい頃からサッカーが好きだから」
「スゴかったんだよ。円堂くんをバカにした不良の顔に、正確にシュートを決めちゃったんだから!」
秋が熱く語ると半田はますます驚いた顔をする。
「瑞貴って大人しそうに見えて、結構活発なんだな」
「アハハハ……」
半田の感心の言葉に瑞貴は苦笑交じりに頬をかくのだった。
☆☆☆☆☆
それから放課後になり、特にやることもなかったので、瑞貴はグラウンドの近くの木の枝に腰掛けてただ空を見上げながらボーッとしている。あまり目立たない場所にあったので一人でいるには最適だ。
「サッカー部かぁ……。どうしよう……」
すると円堂の声が聞こえた。見れば『帝国学園来たるサッカー部員・大募集!』という看板を担いで走り回っていた。今は陸上部に所属している風丸に話しかけている。
「フ~ン。サッカーねぇ……」
「風丸。お前、一流プレーヤーと競ってみたいって言ってたろ? もしやる気になったら、いつでも言ってくれよ! 放課後は鉄塔広場で練習してるから! あっ、そこに来てくれてもいいや! じゃあ、よろしくな!」
「一流ってのは、陸上の話だぞ……」
(お~、やってるね~)
半ば呆れながらその様子を見た後、再び空を見上げる。
「……オ……イ……」
(本当にどうしよう……。物語に関わりたいと思うけど超次元サッカーに今までやっていた普通のサッカーが敵うわけないし……)
「オーイ! 井上ー!」
「ん?」
名前を呼ばれたので下を向くとすぐ下で円堂が大きく手を振っていた。幸いスパッツを穿いていたので下着が見えることはないが、少しは躊躇してほしい。とりあえず瑞貴は円堂の隣に飛び降りた。
「どうかしましたか?」
瑞貴が訪ねると円堂は目を輝かせて手をつかみ、ブンブンと上下に振る。
「井上! サッカー部に入らないか!?」
「へっ?」
瑞貴が少し思い留まっていると円堂は「あっ!」と声を上げた。……今度はなんなんだと瑞貴は半目になって円堂を見る。
「他の奴らにも聞かなきゃ! 行くぞ、井上!」
「ええぇぇえええ!?」
円堂はそのまま瑞貴の手を引いて勧誘に回った。
様々な運動部に声をかけたがことごとく玉砕。そのため手当たり次第に男子生徒に声をかけていた。
「サッカー部? この僕が入るわけないだろ。せめてあと一人集まらないってときに、もう一度頼みに来たら?」
「えっ? あと一人?」
「そうさ。『この目金が弱小サッカー部を救った』……な~んてカッコいいじゃないか。フッフッフッ」
「「……ハア」」
「――へぇ」
そばで面白そうに看板を見ていた、ボーダーの帽子を被った男子生徒がいたのに二人共気づかなかった。
「よし! 次だ!」
「みぎゃあ!」
あきらめず走り出した円堂。当然手をつかまれている瑞貴は引っ張られた。――そのとき彼がさらに面白そうに見ていたのを瑞貴は知らなかった。
「新聞部です! 帝国学園と試合するにあたり、何かコメントを!」
「コメントって……――ああ! そうだ!」
「はい、なんでしょう!?」
「部員募集の宣伝してくれないかな?」
「えぇっ!?」
「意外とちゃっかりしてますね……」
コメントではなく宣伝に使うとは、新聞部の青い髪で赤い眼鏡をかけた女子生徒も思わずズッコケて、瑞貴も呆気にとられた。
☆☆☆☆☆
一通り回り終えると引っ張り回されてさすがに疲れがきた。すると円堂が突然足を止めた。
「……円堂くん?」
「ごめんな、井上」
顔を覗き込むと円堂は眉を八の字にして落ち込んでいた。こんな悲しそうな顔をしていると、さっきまで原作がどうとか悩んでいた自分がバカらしくなってきた。
瑞貴は一つ目を閉じると、次に開けたときはすでに意志が定まった目をしていた。
「円堂くん。私――井上瑞貴、サッカー部に入ります! もちろん選手として!」
「本当か井上!?」
バッと顔を上げた円堂は目を輝かせ、さっきまでの表情とは打って変わっていた。本当によく表情が変わるなぁ、と瑞貴は思った。
「はい。男に二言はないと同じに女にも二言はございません。あっ、私でよければですが……」
「ありがとう! ありがとう!」
円堂はさらに目をキラキラさせ、再び瑞貴の手を強く握って上下に振りながら嬉しそうに礼を言う。そんな彼に瑞貴も頬が綻ぶ。
「フフッ」
「っ!」
円堂はその表情を見て一時固まり、顔を赤くした。その様子に瑞貴は首を傾げた。
――入部届を出して学校を出るともう夕方だった。とりあえず練習をするためにジャージに着替えた瑞貴は円堂とは別のボールを持って円堂にまた手を引かれた。
「どこに向かうんですか?」
「いいからいいから!」
長い道のり終え鉄塔広場に着くと、広大な景色と綺麗な夕日。思わず見惚れてしまうと、そこに豪炎寺も同じように夕日を見ていた。
「豪炎寺!」
「っ!」
円堂が豪炎寺に声をかけると、豪炎寺は円堂に気づくと瑞貴にも気づいたようで、驚いたような目をしていた。
目が合ったことに気づいた瑞貴は軽く頭を下げる。その場を去ろうとした豪炎寺だが円堂が先回りをした。
「ここスッゲーいい所だろ! 俺もここがちっちゃい頃からのお気に入りの場所なんだ! あのさ、お前も聞いてるだろ、帝国学園との練習試合!」
「!」
その言葉に豪炎寺の目が見開かれたと思うと、また目を細めた。