長い夜が明けた後の話(運命更新後)

「ねえミサイル、見て見て」
『はいッ!何かご用ですかカノン様!』

ニンゲンというものは、何かを集めたくなるものである。
そして、見せたくなるものである。
例によってカノンもその成果である小さな紙を、元気よくホエて駆け寄ってきたミサイルに広げて見せた。

「いつも行ってるドーナツ屋さんのスタンプ、こんなにたまっちゃった」
『お。何ですか?何かいいコトがあるのですかッ』

ミサイルのコエは、カノンには「わんッ」というホエ声にしか聞こえない。だが、それを相づちと受け取ったカノンは、紙に押されたドーナツ型のスタンプをキゲンよく数え上げる。

「もう25個もたまっちゃった。あと5個でドーナツのクッションをもらえるんだよ。そしたらアンタのオモチャにしようね」
『ドーナツですかッ。それならいつでも吹っ飛ばしてやりますともッ』

(…やれやれ。ヘンなクセが付いてしまった小犬クンがいるな)

果たしてそれはクッションの正しい使い方と言えるのかどうか。シッポを勢いよく振るミサイルに、ソファーの上で丸くなって寝ていたシセルが、ココロの中でツッコミを入れた昼のひと時である。
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