長い夜が明けた後の話(運命更新後)

トビラを開く時、いつも手が震えてしまう。
もし、この向こうに彼女がいなかったら。
コエが返って来なかったら。
そんなコトはないと、今まで一緒にいた相棒は言ってくれるだろう。
運命は変わったのだと。あの長い夜は終わったのだと。

「ねえ、ヨミエル。どうかしたの?」

ココロの底から愛して止まないコエに、思わずクチが緩む。
一度大きく息を吸い込み、ゆっくり吐き出した。

(……コレだけはどうしようもない、か)

今度、2人で久しぶりに相棒に会ってみようか。
寒くなってきたことだし、公園でイモを焼くのもいいかもしれない。
そう決めると、強ばっていたココロが少しだけ軽くなったような気がした。
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