長い夜が明けた後の話(運命更新後)

とあるうららかな昼下がり。
柔らかな陽射しが差し込むオフィスで、ヨミエルはひとり、自身のパソコンと向き合っていた。

ベツに、急ぎのシゴトがあるワケではない。
なんとなく職場に来て、なんとなくパソコンを立ち上げて、シュミで作っているソフトをのんびりいじる。ただそれだけのコトだ。
トクベツなイミは、まったくない。

休日でダレもいないので、普段は閉められっぱなしのブラインドカーテンをエンリョなく全開にしたのは正解だったかもしれない。
来たばかりのころはコーヒーを淹れたマグで指を温めるほど冷えていたのに、今は心地よい暖かさがオフィスを満たしている。
日だまりの中で目を細めてノドを鳴らしていた黒猫を思い出し、ヨミエルは口元を和ませた。

(きっと今日もどこかで、この天気をマンキツしてるんだろうな。相棒)
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