長い夜が明けた後の話(運命更新後)
「シセル!ドアを閉めて!」
せまいバスルームに、リンネの鋭いコエが響く。私はこの部屋の唯一の出入り口であるドアにトリツくと、ガチャンと真ん中で折れたのが一直線になるようアヤツった。
するとまさに今、バスルームを飛び出そうとしていたミサイルが、キャンと悲鳴を上げて濡れた床を転がった。
「ああああッ!何をするのですかシセルさんッ!コレでは逃げれないじゃありませんかッ!」
「当たり前だ、ミサイル。リンネと協力して、アンタをキレイにするのだからな」
「そんな…そんなのってないですよッ!だってこんなにキレイなのにッ」
私のコトバに、リンネの手からするりと逃げたミサイルは、その場でクルクルと回ってみせた。フワフワとなびく毛はしかし、泥で黒く染まっている。リンネとの散歩中、勢いよく水たまりの中に飛び込んだコトで付いた汚れだ。私だったら気になって仕方ないのだが、この小動物クンは気にはならないらしい。
だが。キレイ好きのリンネにとっては見逃せないモノのようだった。
「もう!いい加減にしなさい!ジッとしないとオヤツをあげないわよ!」
オヤツという単語に、ミサイルの動きがピタリと止まる。実にミゴトな”エサ”だ。その隙にリンネはミサイルを抱え上げ、シャンプーを手に取った。キャップを開けるのと同時に「よし」と気合を入れる。
…どうやら、準備万端らしい。
「ちょうどシセルが来てくれて助かったな。あたしだけだと暴れちゃって“手”が足りないもの」
つまりちょうどよく使われてしまっているワケだが。
そうココロの中でつぶやけば、ミサイルが潤んだ瞳で私を見つめてくる。助けて欲しいというキモチが伝わってきたが、あいにくこの場ではリンネの味方だ。私はシャワーにトリツくと、ミサイルへエールを送った。
「キレイになれば、待っているのはゴホウビだ。アンタにとって幸せなコトだろう」
「そうですよね…。たとえおぼれても、リンネ様は助けてくれますよねッ」
「…ああ。時にはカクゴが必要だ。ココロの準備はできただろうか」
「はいッ。死ぬ気でがんばりますともッ」
“コア”を通してミサイルの気合いが伝わってくる。それでこそユーカンな小犬クンだ。カレの態度に、私は気を引き締める。
「じゃあよろしく!」というリンネの合図で、私はミサイルに向けて勢いよくシャワーをひねり上げた。
この後。洗われて毛がふかふかになった勇ましい小動物クンが、シッポを千切れんばかりに振ってゴホウビを堪能してたのは言うまでもない。
せまいバスルームに、リンネの鋭いコエが響く。私はこの部屋の唯一の出入り口であるドアにトリツくと、ガチャンと真ん中で折れたのが一直線になるようアヤツった。
するとまさに今、バスルームを飛び出そうとしていたミサイルが、キャンと悲鳴を上げて濡れた床を転がった。
「ああああッ!何をするのですかシセルさんッ!コレでは逃げれないじゃありませんかッ!」
「当たり前だ、ミサイル。リンネと協力して、アンタをキレイにするのだからな」
「そんな…そんなのってないですよッ!だってこんなにキレイなのにッ」
私のコトバに、リンネの手からするりと逃げたミサイルは、その場でクルクルと回ってみせた。フワフワとなびく毛はしかし、泥で黒く染まっている。リンネとの散歩中、勢いよく水たまりの中に飛び込んだコトで付いた汚れだ。私だったら気になって仕方ないのだが、この小動物クンは気にはならないらしい。
だが。キレイ好きのリンネにとっては見逃せないモノのようだった。
「もう!いい加減にしなさい!ジッとしないとオヤツをあげないわよ!」
オヤツという単語に、ミサイルの動きがピタリと止まる。実にミゴトな”エサ”だ。その隙にリンネはミサイルを抱え上げ、シャンプーを手に取った。キャップを開けるのと同時に「よし」と気合を入れる。
…どうやら、準備万端らしい。
「ちょうどシセルが来てくれて助かったな。あたしだけだと暴れちゃって“手”が足りないもの」
つまりちょうどよく使われてしまっているワケだが。
そうココロの中でつぶやけば、ミサイルが潤んだ瞳で私を見つめてくる。助けて欲しいというキモチが伝わってきたが、あいにくこの場ではリンネの味方だ。私はシャワーにトリツくと、ミサイルへエールを送った。
「キレイになれば、待っているのはゴホウビだ。アンタにとって幸せなコトだろう」
「そうですよね…。たとえおぼれても、リンネ様は助けてくれますよねッ」
「…ああ。時にはカクゴが必要だ。ココロの準備はできただろうか」
「はいッ。死ぬ気でがんばりますともッ」
“コア”を通してミサイルの気合いが伝わってくる。それでこそユーカンな小犬クンだ。カレの態度に、私は気を引き締める。
「じゃあよろしく!」というリンネの合図で、私はミサイルに向けて勢いよくシャワーをひねり上げた。
この後。洗われて毛がふかふかになった勇ましい小動物クンが、シッポを千切れんばかりに振ってゴホウビを堪能してたのは言うまでもない。