長い夜が明けた後の話(運命更新後)

『リンネ。キミがニクが好きだというのは、イヤと言うほどわかるのだが…』

街中の年末独特のにぎやかなざわめきから、静かな空間に切り替わって投げかけられたコトバに、あたしは振り向いた。
と言っても、この真っ赤な《死者の世界》では、普段のコトバとはちょっとちがうらしいケド。

『やっぱり、持ち帰るのにこの量は多かったかな』
『いや。そういうコトではない』

シセルは、何と言うかべきか迷ってるみたいだった。今はヨミエルさんのスガタでいるけど、元はネコだし。知らないコトがたくさんあるのはトーゼンよね。

『多さじゃないなら、色?』
(色、というワケでもないのだが)

今度はクチに出す声ではなく、ココロに出す方の声が聞こえてくる。もう!急いでるんだから、ハッキリ言ってくれたって良いじゃない!

『…いくら急いでいるとはいえ、《クリスマス》と《お正月》を同時に祝おうとするのはどうだろうか』
『この方がめでたい気持ちが盛り上がりそうじゃない?鏡もちソックリなチキン。我ながら、いい考えだと思うわ』
『…………』
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