長い夜が明けた後の話(運命更新後)

ひらり、はらり。

近づいては遠ざかる淡い花弁が、彼の白いコートをなでる。

くるり、くるり。

まるで彼の動きのように。
まるで彼のココロのように。

ゆらり、ふわり。

とどまることなく自由に、蒼い空に軌跡を描き。
柔らかな風に身を任せ。

「桜とオマエさんはそっくりだなあ」
「そうかい?やけに感傷的だねえ、相棒」

鮮やかに視線をさらう、甘く華やかな踊り手は。
ぐうるりと全てを混ぜ合わせて春を舞う。
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