『Good evening.Mr.Stark』

軽い調子で滑り込んできた声を認識すると同時に、あらゆる事が一気に起こった。
侵入された。ジャーヴィスが発する数々のエラーが、その事実を淡々と伝える。

『やられっぱなしってのは癪だからな。アンタの相棒に仕掛けさせてもらったぜ』

「ジャーヴィス。追い出せ」
「……エラー。アクセスを拒否されました」

長く重いトニーのため息とは反対に、スピーカー越しの正体不明な吐息は、軽く弾んでいた。