ストロング缶呑んでドS王子に豹変したあいつの話【三井寿】
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「おめえら、これ、呑むか?」
私、三井、徳男の三人がいつものように鉄男の家に集まった時に、鉄男が冷蔵庫からストロングとでかでかと書かれた缶を手渡してきた。
「…酒か?」
三井は、少し戸惑ったように言った。
「おう、手っ取り早く酔えるし、うめぇぞ!」
「三っちゃん、酒飲んだ事ないんじゃ…?」
「大丈夫だっつーの!」
徳男の心配をよそに三井は、その缶を受け取った。
「徳男は?」
「少しだけ…」
「苗字は?」
『飲む…』
私たち三人は、鉄男に渡された同じ缶を手に持って顔を見合わせた。
私と三井、徳男はいわゆる不良ってやつだけれど、いつもつるんで学校をさぼって海で時間を潰したり、ちょっとしたケンカをするくらいで、シンナーはもちろんタバコや酒なんかにも手を染めていない。
そんな小心者の不良の私たちが少し前に海で出会ったのが鉄男だ。
鉄男はとっくに高校は中退しており、タバコも酒も無免許運転も平気だし、ケンカ仲間もたくさんいて、最近仲良くなった私たちなんかに良くしてくれる理由がよく分からないけれど、いつも家に押しかけても嫌な顔一つせず迎え入れてくれた。
「酒ぐれぇ少しくらい飲んだって、どうってことねえぜ…煙草よりかはよっぽど体にいいんじゃね?」
そう鉄男に言われた私たちは、しばらく缶を見つめていたが、意を決したようにプルタブを開け、ぐびっと一口飲んだ。
「三っちゃん…」
『三井…顔が!』
「顔…?これ、うまいな!」
見る見るうちに顔が赤くなった三井のことが心配になるが、ごくごくと美味しそうに飲むので、私も徳男もつられて飲み進める。
アルコール度数が高いだけあって、喉がかぁっと熱くなる。
「おめえら、たかが酒飲むだけに何そんな深刻な顔してんだよ…」
鉄男は鼻で笑って、ストロング缶を一口飲んで、煙草に火をつけた。
部屋に立ち込める煙草の煙に、三井は少し眉をひそめたが、また缶をあおるように飲んだ。
『三っちゃん、顔赤いけど大丈夫か?』
「これ…くれぇ…だい、じょーぶ…」
と言ったかと思うと、三井はフラフラと立ち上がって、鉄男のベッドにバタンと倒れて、寝てしまった。
「くくっ…おもしれえやつ…」
鉄男はタバコの煙をくゆらせながら、三井を見て笑った。
徳男は、「三っちゃんが風邪をひいたら大変…」なんて甲斐甲斐しく布団をかけてやり、酒の続きを飲み始めたので、私も缶を傾ける。
もっと大人な飲み物かと思ったが、少し苦いジュースみたいなもんで、思ったよりもつまらない飲み物かも…
私も徳男も酒には強いのか、お互い顔色を変えることはない。
「三井は、本当におもしれえよな。煙草や酒もダメ、喧嘩もさして強くねぇのに、不良の仲間になんかなってよ」
「三っちゃん、本当は俺ら何かと一緒に居ていいのか…って思うことあんだ。もっと他の場所で輝けんじゃないかってよ…」
『それは分かる。三井は元々バスケかなんかやってたでしょ?いつかはさ、私たちの側からいなくなる時もくるかもね…って思うこともあるよ…』
「三っちゃん…」
徳男が悲しそうな顔をして三井の方を見つめたので、私も同じようにグーグーといびきをかいて寝る三井を見つめる。
私たちとつるんでいても、ふとした瞬間に寂しそうな目をする三井のこと、ずっと気になっていた。
無理して、強がってんじゃないのかって…そう思うと、熱いものがこみ上げてくる。
『三っぢゃ…ん…ぐすん…』
私より先に徳男が泣き始めたのでつられて私の目からも涙がこぼれる。
「…苗字も徳男も泣き上戸かよ…ほら涙、拭けよ!」
鉄男は、ボックスティッシュを投げてよこして、続けた。
「苗字はよ、三井のこと好きなんだろ?いい加減くっついたらどうだ?」
からかうようにニヤリと笑いながら言う鉄男の言葉に、
『こんな時にやめてよ…!』
「苗字と三っちゃん、俺もお似合いだと思うぜ!」
『徳男まで…』
私は、カっと顔が熱くなる。
そういうことには滅法、疎いのだ。
「何赤くなってんだよ…三井、女の先輩に狙われてるだろ?徳男も三井の事好きだし、ライバルは多いから、早いうちに唾つけとけって!」
『言い方…!徳男が三井の事好きなのは知ってるし』
「お、俺は…三っちゃんの事は恋愛感情じゃなくて、尊敬してるんだけど…」
なぜか徳男が頬を染めて抗議している。
「ははっ!まぁ、頑張れよ!」
鉄男は、タバコの火を消しながら、ニヤリと笑った。
「俺も力になるぜ!」
徳男も何故か張り切って言った。
酒には心の奥に閉じ込めた感情をいとも簡単に表に出してくる力があるのかもしれない。
グーグーといびきをかいて気持ち良さそうに眠る顔を見ると、んんっと寝返りをして、こっちを向いたので、ドキンと心臓がはねた。
私が…三井と付き合う…か……
そんなことを考えれば、考えるほど胸の鼓動が早くなる。
「三井の残ってるから、飲めよ」
鉄男から、受け取った三井の飲み残しのストロング缶にドキドキしながら口をつける。
「何照れてんだよ…何か酒の気分じゃねぇな!バイクかっ飛ばしてくるから、三井のこと頼むぜ…!徳男も行くだろ?」
「お、おう!」
鉄男はじゃらじゃらとバイクのキーを取り上げて、徳男についてくるように促す。
「よろしくやれよ!」
「三っちゃんを頼むぜ!」
そう言い残して二人は、出て行ってしまった。
取り残された私は、玄関のカギを閉めて、立ち尽くした。
よろしくって…
ベッドで少し苦しそうな表情で眠る三井をじっと見つめていると、
「水……」
その訴えに慌てて、キッチンから水を汲んで、三井の元に戻った。
『三井、飲める?』
身体を起こして、私の手から水をゴクリと飲み干す三井が、いつも以上にカッコよく見える。
それは、私が酔ってるせいだ…そう思いたい。
「ありがとな…」
そう言われて受け取ったコップをキッチンに片づけて戻ると、三井は、ベッドから起き上がっていた。
さっき、鉄男から言われたよろしくやれという言葉が頭の中でぐるぐる回っていて、まともに三井を見ることが出来ない。
「苗字、可愛いな…いつも以上にエロくて可愛い…」
『えっ…?』
三井は私の腕をつかんでぎゅっと引っ張るので、私はバランスを崩して、三井ともつれるようにベッドに倒れ込んだ。
そして、そのまま私をベッドに押し付けるように組み敷いた。
下半身を押し付けられて、男の子の象徴が硬くなっているのを感じて身体を離そうと身をよじるけれど、上手くいかない。
『三井…冗談はやめよ…』
「何だよ?苗字、怖いのか…?」
『…怖いって?』
「俺に抱かれるのがだよ!」
『……っ…』
何も言わずに顔をそむけた俺に、三っちゃんは何か気付いたようだった。
「苗字…処女か?」
私は、顔をそむけたまま頷いた。
「やべーな…」
私を押さえつけられていた身体が離れ、この行為が終わったとばかり思った私は服を整えて、ベッドを降りる。
「好きだ…!」
『み…三井…?』
「おめーも俺の事好きだろ?」
『えっと…』
「黙れ…」
いきなりの告白に頭がついていかない私は、三井の言いなりになるしかなくて、とりあえず口をつぐむ。
すると突然、三井に顎を取られて、唇を重ねられた。
『……んっ…!』
予想できなかったキスに私はされるがままだ。
唇を重ねたまま、服の裾から右手が入り、ブラのホックを探られる。
何度かさまよった後にプチンとホックが外されたので、私は三井に抱かれる覚悟を決めた。
…と同時に、三井の唇が離れ、肩にパサリと長い髪の毛がかかり、ぐったりと三井がもたれかかってきた。
『み、三井!?』
「…苗字……気持ち悪い…」
その言葉に、大急ぎで、トイレへ三井を運び込んで吐かせてやる。
そして、外されたブラを直すこともできないまま、ベッドに三井を寝かせて、衣服を緩めてやっていると、ガチャっ…と玄関が空いた。
『ぎゃっ!』
「げっ!?マジでお取り込み中だったか…悪ぃ…徳男、もうひとっ走りだ!」
『違…』
鉄男は、バタンとドアを閉めて、どこかへ行ってしまった。
未遂なのに…絶対に勘違いされた。
私は、もう二度と三井が酒を飲まないように見張らねば…と誓うのであった。
***
2022.3.21. 三井の日。
こぼれ話→ストロング缶呑んでドS王子に豹変したあいつの話【三井寿】
私、三井、徳男の三人がいつものように鉄男の家に集まった時に、鉄男が冷蔵庫からストロングとでかでかと書かれた缶を手渡してきた。
「…酒か?」
三井は、少し戸惑ったように言った。
「おう、手っ取り早く酔えるし、うめぇぞ!」
「三っちゃん、酒飲んだ事ないんじゃ…?」
「大丈夫だっつーの!」
徳男の心配をよそに三井は、その缶を受け取った。
「徳男は?」
「少しだけ…」
「苗字は?」
『飲む…』
私たち三人は、鉄男に渡された同じ缶を手に持って顔を見合わせた。
私と三井、徳男はいわゆる不良ってやつだけれど、いつもつるんで学校をさぼって海で時間を潰したり、ちょっとしたケンカをするくらいで、シンナーはもちろんタバコや酒なんかにも手を染めていない。
そんな小心者の不良の私たちが少し前に海で出会ったのが鉄男だ。
鉄男はとっくに高校は中退しており、タバコも酒も無免許運転も平気だし、ケンカ仲間もたくさんいて、最近仲良くなった私たちなんかに良くしてくれる理由がよく分からないけれど、いつも家に押しかけても嫌な顔一つせず迎え入れてくれた。
「酒ぐれぇ少しくらい飲んだって、どうってことねえぜ…煙草よりかはよっぽど体にいいんじゃね?」
そう鉄男に言われた私たちは、しばらく缶を見つめていたが、意を決したようにプルタブを開け、ぐびっと一口飲んだ。
「三っちゃん…」
『三井…顔が!』
「顔…?これ、うまいな!」
見る見るうちに顔が赤くなった三井のことが心配になるが、ごくごくと美味しそうに飲むので、私も徳男もつられて飲み進める。
アルコール度数が高いだけあって、喉がかぁっと熱くなる。
「おめえら、たかが酒飲むだけに何そんな深刻な顔してんだよ…」
鉄男は鼻で笑って、ストロング缶を一口飲んで、煙草に火をつけた。
部屋に立ち込める煙草の煙に、三井は少し眉をひそめたが、また缶をあおるように飲んだ。
『三っちゃん、顔赤いけど大丈夫か?』
「これ…くれぇ…だい、じょーぶ…」
と言ったかと思うと、三井はフラフラと立ち上がって、鉄男のベッドにバタンと倒れて、寝てしまった。
「くくっ…おもしれえやつ…」
鉄男はタバコの煙をくゆらせながら、三井を見て笑った。
徳男は、「三っちゃんが風邪をひいたら大変…」なんて甲斐甲斐しく布団をかけてやり、酒の続きを飲み始めたので、私も缶を傾ける。
もっと大人な飲み物かと思ったが、少し苦いジュースみたいなもんで、思ったよりもつまらない飲み物かも…
私も徳男も酒には強いのか、お互い顔色を変えることはない。
「三井は、本当におもしれえよな。煙草や酒もダメ、喧嘩もさして強くねぇのに、不良の仲間になんかなってよ」
「三っちゃん、本当は俺ら何かと一緒に居ていいのか…って思うことあんだ。もっと他の場所で輝けんじゃないかってよ…」
『それは分かる。三井は元々バスケかなんかやってたでしょ?いつかはさ、私たちの側からいなくなる時もくるかもね…って思うこともあるよ…』
「三っちゃん…」
徳男が悲しそうな顔をして三井の方を見つめたので、私も同じようにグーグーといびきをかいて寝る三井を見つめる。
私たちとつるんでいても、ふとした瞬間に寂しそうな目をする三井のこと、ずっと気になっていた。
無理して、強がってんじゃないのかって…そう思うと、熱いものがこみ上げてくる。
『三っぢゃ…ん…ぐすん…』
私より先に徳男が泣き始めたのでつられて私の目からも涙がこぼれる。
「…苗字も徳男も泣き上戸かよ…ほら涙、拭けよ!」
鉄男は、ボックスティッシュを投げてよこして、続けた。
「苗字はよ、三井のこと好きなんだろ?いい加減くっついたらどうだ?」
からかうようにニヤリと笑いながら言う鉄男の言葉に、
『こんな時にやめてよ…!』
「苗字と三っちゃん、俺もお似合いだと思うぜ!」
『徳男まで…』
私は、カっと顔が熱くなる。
そういうことには滅法、疎いのだ。
「何赤くなってんだよ…三井、女の先輩に狙われてるだろ?徳男も三井の事好きだし、ライバルは多いから、早いうちに唾つけとけって!」
『言い方…!徳男が三井の事好きなのは知ってるし』
「お、俺は…三っちゃんの事は恋愛感情じゃなくて、尊敬してるんだけど…」
なぜか徳男が頬を染めて抗議している。
「ははっ!まぁ、頑張れよ!」
鉄男は、タバコの火を消しながら、ニヤリと笑った。
「俺も力になるぜ!」
徳男も何故か張り切って言った。
酒には心の奥に閉じ込めた感情をいとも簡単に表に出してくる力があるのかもしれない。
グーグーといびきをかいて気持ち良さそうに眠る顔を見ると、んんっと寝返りをして、こっちを向いたので、ドキンと心臓がはねた。
私が…三井と付き合う…か……
そんなことを考えれば、考えるほど胸の鼓動が早くなる。
「三井の残ってるから、飲めよ」
鉄男から、受け取った三井の飲み残しのストロング缶にドキドキしながら口をつける。
「何照れてんだよ…何か酒の気分じゃねぇな!バイクかっ飛ばしてくるから、三井のこと頼むぜ…!徳男も行くだろ?」
「お、おう!」
鉄男はじゃらじゃらとバイクのキーを取り上げて、徳男についてくるように促す。
「よろしくやれよ!」
「三っちゃんを頼むぜ!」
そう言い残して二人は、出て行ってしまった。
取り残された私は、玄関のカギを閉めて、立ち尽くした。
よろしくって…
ベッドで少し苦しそうな表情で眠る三井をじっと見つめていると、
「水……」
その訴えに慌てて、キッチンから水を汲んで、三井の元に戻った。
『三井、飲める?』
身体を起こして、私の手から水をゴクリと飲み干す三井が、いつも以上にカッコよく見える。
それは、私が酔ってるせいだ…そう思いたい。
「ありがとな…」
そう言われて受け取ったコップをキッチンに片づけて戻ると、三井は、ベッドから起き上がっていた。
さっき、鉄男から言われたよろしくやれという言葉が頭の中でぐるぐる回っていて、まともに三井を見ることが出来ない。
「苗字、可愛いな…いつも以上にエロくて可愛い…」
『えっ…?』
三井は私の腕をつかんでぎゅっと引っ張るので、私はバランスを崩して、三井ともつれるようにベッドに倒れ込んだ。
そして、そのまま私をベッドに押し付けるように組み敷いた。
下半身を押し付けられて、男の子の象徴が硬くなっているのを感じて身体を離そうと身をよじるけれど、上手くいかない。
『三井…冗談はやめよ…』
「何だよ?苗字、怖いのか…?」
『…怖いって?』
「俺に抱かれるのがだよ!」
『……っ…』
何も言わずに顔をそむけた俺に、三っちゃんは何か気付いたようだった。
「苗字…処女か?」
私は、顔をそむけたまま頷いた。
「やべーな…」
私を押さえつけられていた身体が離れ、この行為が終わったとばかり思った私は服を整えて、ベッドを降りる。
「好きだ…!」
『み…三井…?』
「おめーも俺の事好きだろ?」
『えっと…』
「黙れ…」
いきなりの告白に頭がついていかない私は、三井の言いなりになるしかなくて、とりあえず口をつぐむ。
すると突然、三井に顎を取られて、唇を重ねられた。
『……んっ…!』
予想できなかったキスに私はされるがままだ。
唇を重ねたまま、服の裾から右手が入り、ブラのホックを探られる。
何度かさまよった後にプチンとホックが外されたので、私は三井に抱かれる覚悟を決めた。
…と同時に、三井の唇が離れ、肩にパサリと長い髪の毛がかかり、ぐったりと三井がもたれかかってきた。
『み、三井!?』
「…苗字……気持ち悪い…」
その言葉に、大急ぎで、トイレへ三井を運び込んで吐かせてやる。
そして、外されたブラを直すこともできないまま、ベッドに三井を寝かせて、衣服を緩めてやっていると、ガチャっ…と玄関が空いた。
『ぎゃっ!』
「げっ!?マジでお取り込み中だったか…悪ぃ…徳男、もうひとっ走りだ!」
『違…』
鉄男は、バタンとドアを閉めて、どこかへ行ってしまった。
未遂なのに…絶対に勘違いされた。
私は、もう二度と三井が酒を飲まないように見張らねば…と誓うのであった。
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2022.3.21. 三井の日。
こぼれ話→ストロング缶呑んでドS王子に豹変したあいつの話【三井寿】
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