Loven' you【神宗一郎】
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『神くんのエッチ!』
神くんの鞄の中から、明らかにエッチな本がちらっと見えたので、私は思わず小声で神君に訴えた。
クラスはガヤガヤしていたから、他の子達には聞こえないくらいの声だったと思うけど、神くんは少し眉をひそめてムッとした。
「声が大きいよ…」
『ご…ごめん』
普段冷静な神くんの慌てるところが見たかったのに、これじゃ私が悪いみたいだ。
反撃しようと、更に小声で聞いてみる。
『あれって、神くんのなの?神くんも男子だもんね…』
「…何で?そんなに気になる…?」
冷静に突っ込まれて、ますます私が悪いことして攻められてる気分になってしまう。
神くんとは2年生で初めて同じクラスになった。
隣の席になってから今日で一週間、もっととっつきにくいかと思っていたけれど、喋りかけてくれることも多くて、友達だって胸を張って言えるくらいの関係だと思っている。
クリっとした目の綺麗な顔立ちで、身長は190㎝、インターハイで全国2位に輝いたバスケ部のレギュラー、時期キャプテンという肩書きでモテない要素は微塵もないから、ラブレターを貰ったり告白されているところを見かけてことは一度や二度じゃない。
それに毎回、今はバスケが大事だからって丁寧に断っているという噂で、女子が神くんの悪口を言うのを聞いたことがない。
そんな海南大付属高校が誇る王子様のような存在の神くんだって、普通の男子高校生なんだな…って思っただけなのに、何かめちゃくちゃ悪いことしちゃったみたいだ。
『何か…ごめん…』
私が謝ると同時に、今日最後の授業が始まるチャイムが鳴った。
神くんは何か言いたげにちらっとこっちを見たけれど、すぐに授業が始まったので前を向いてしまった。
まだ高校二年生で大学受験はちょっぴり先のことだし、最後の授業は苦手な古典でやる気なんて出なくて、私はちょくちょく神くんの顔を伺ってしまう。
神くんって、本当に整った顔してるよな…
バスケするところは見たことないけど、この顔立ちでバスケもめちゃくちゃ上手かったら、女の子は好きになるに決まってる…そんな男の子と友達になれるなんてラッキーだと考えていれば、つい頬が緩んでしまう。
誰にも見られてはないと思うけど、こんなことばっかり考えてるのが恥ずかしくなって、一人慌てて黒板の文字をノートに写していると、すっとノートの切れ端が隣から渡された。
神くんからの紙切れには、ちょっと癖のあるけれど読みやすい文字で、【放課後ひま?】と書いてある。
私はびっくりして神くんの顔を見つめてみても、神くんの顔は黒板に向いたままだ。
どういう意図か全く分からないまま【ヒマだよ】そう書いて、そっと神くんに渡す。
神くんはすぐに返事をくれる。
【一緒に帰ろう】のメモ書きを見て、急にドキドキしてきてしまう。
男子と一緒に帰るなんて初めてだし、しかも海南の王子様の神くんとなんて…
その後、いつの間にか授業も帰りのホームルームも終わっていて、
「行くよ」
の神くんの言葉で我に返った。
『神くん、部活は?』
「今日は休みだから」
そう言った神くんはすでに帰り支度を終えて私を待っていてくれるから、私もあわてて荷物をまとめた。
いつも一緒に帰る友達に、神くんと一緒に帰ると伝えれば、驚いた顔をしていたが、神くんを待たせているので事情を説明する余裕はなく教室を出た。
背の高い神くんは歩くのも早くて、少し後ろを小走りになりながら駐輪場へ向かう。
『神くん、自転車なんだね』
「自転車で通える距離だからね。じゃ、乗って!」
『後ろ?ちょっと怖いな…』
私が後ろに恐る恐る跨ると、
「神さーん!!」
後ろから元気のいい声が聞こえる。
「ノブか…あいつに捕まるとやっかいだから、行くよ!しっかり捕まってて!」
神くんは、グイっと漕ぎだしたので、私は神くんの肩にギュっと捕まった。
秋の風は冷たいけれど、神くんと二人きりだとドキドキしている私にはその冷たさが心地いいい。
「大丈夫?」
『うん、気持ちいい!』
15分くらい漕いだところで、自転車が止まる。
『もしかして、神くんの家!?』
「そう、上がっていってよ」
『でも…』
「さっきの本の事、知りたくないの?」
『えっと…彼女でもないのに神くんの家に上がるのは…』
「じゃ、俺の彼女になってよ」
『えっ…?』
突然の告白に私の頭の中は真っ白になる。
今、神くんの彼女って言った…
「三日月ちゃん、俺のこと嫌い?」
神くんはずるい聞き方をしてくる。
『そういう目で見た事なかったっていうか…』
「そうなんだ。俺は、三日月ちゃんのこと、一緒のクラスになった時からずっとそういう目で見てたよ」
神くんが綺麗に微笑むから私はまともに目を合わせられなくなって、俯いた。
『神くん…』
「三日月ちゃんが俺の鞄から見つけた本みたいなこともしたいって、ずっと…思ってた。俺の事、好きになってよ」
神くんは私にまた一歩近づいて、私のあごを取った。
「三日月ちゃん、好きだよ」
射貫くような瞳に見つめられて、私はもう観念するしかなかった。
仲の良い友達として好きじゃなくて、神くんを男の子として好きになるなんて考えたこともなかったけれど、こんなに私のことを想ってくれている神くんの気持ちに応えたいって気持ちが大きくなる。
『うん…私も…好きだよ』
神くんの形の良い唇が私の唇に重なって離れると、その瞳が妖しく光った気がした。
「三日月…もう、俺、我慢しないから…」
ギュっと手を繋がれ、神くんの家へと導かれる。
授業中からドキドキが止まらない私の心臓が更に大きくドクドクと音をたて、壊れるんじゃないかと心配になる。
それでも、返事の代わりに神くんの手をぎゅっと握り返した。
***
2021.10.26.
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神くんの鞄の中から、明らかにエッチな本がちらっと見えたので、私は思わず小声で神君に訴えた。
クラスはガヤガヤしていたから、他の子達には聞こえないくらいの声だったと思うけど、神くんは少し眉をひそめてムッとした。
「声が大きいよ…」
『ご…ごめん』
普段冷静な神くんの慌てるところが見たかったのに、これじゃ私が悪いみたいだ。
反撃しようと、更に小声で聞いてみる。
『あれって、神くんのなの?神くんも男子だもんね…』
「…何で?そんなに気になる…?」
冷静に突っ込まれて、ますます私が悪いことして攻められてる気分になってしまう。
神くんとは2年生で初めて同じクラスになった。
隣の席になってから今日で一週間、もっととっつきにくいかと思っていたけれど、喋りかけてくれることも多くて、友達だって胸を張って言えるくらいの関係だと思っている。
クリっとした目の綺麗な顔立ちで、身長は190㎝、インターハイで全国2位に輝いたバスケ部のレギュラー、時期キャプテンという肩書きでモテない要素は微塵もないから、ラブレターを貰ったり告白されているところを見かけてことは一度や二度じゃない。
それに毎回、今はバスケが大事だからって丁寧に断っているという噂で、女子が神くんの悪口を言うのを聞いたことがない。
そんな海南大付属高校が誇る王子様のような存在の神くんだって、普通の男子高校生なんだな…って思っただけなのに、何かめちゃくちゃ悪いことしちゃったみたいだ。
『何か…ごめん…』
私が謝ると同時に、今日最後の授業が始まるチャイムが鳴った。
神くんは何か言いたげにちらっとこっちを見たけれど、すぐに授業が始まったので前を向いてしまった。
まだ高校二年生で大学受験はちょっぴり先のことだし、最後の授業は苦手な古典でやる気なんて出なくて、私はちょくちょく神くんの顔を伺ってしまう。
神くんって、本当に整った顔してるよな…
バスケするところは見たことないけど、この顔立ちでバスケもめちゃくちゃ上手かったら、女の子は好きになるに決まってる…そんな男の子と友達になれるなんてラッキーだと考えていれば、つい頬が緩んでしまう。
誰にも見られてはないと思うけど、こんなことばっかり考えてるのが恥ずかしくなって、一人慌てて黒板の文字をノートに写していると、すっとノートの切れ端が隣から渡された。
神くんからの紙切れには、ちょっと癖のあるけれど読みやすい文字で、【放課後ひま?】と書いてある。
私はびっくりして神くんの顔を見つめてみても、神くんの顔は黒板に向いたままだ。
どういう意図か全く分からないまま【ヒマだよ】そう書いて、そっと神くんに渡す。
神くんはすぐに返事をくれる。
【一緒に帰ろう】のメモ書きを見て、急にドキドキしてきてしまう。
男子と一緒に帰るなんて初めてだし、しかも海南の王子様の神くんとなんて…
その後、いつの間にか授業も帰りのホームルームも終わっていて、
「行くよ」
の神くんの言葉で我に返った。
『神くん、部活は?』
「今日は休みだから」
そう言った神くんはすでに帰り支度を終えて私を待っていてくれるから、私もあわてて荷物をまとめた。
いつも一緒に帰る友達に、神くんと一緒に帰ると伝えれば、驚いた顔をしていたが、神くんを待たせているので事情を説明する余裕はなく教室を出た。
背の高い神くんは歩くのも早くて、少し後ろを小走りになりながら駐輪場へ向かう。
『神くん、自転車なんだね』
「自転車で通える距離だからね。じゃ、乗って!」
『後ろ?ちょっと怖いな…』
私が後ろに恐る恐る跨ると、
「神さーん!!」
後ろから元気のいい声が聞こえる。
「ノブか…あいつに捕まるとやっかいだから、行くよ!しっかり捕まってて!」
神くんは、グイっと漕ぎだしたので、私は神くんの肩にギュっと捕まった。
秋の風は冷たいけれど、神くんと二人きりだとドキドキしている私にはその冷たさが心地いいい。
「大丈夫?」
『うん、気持ちいい!』
15分くらい漕いだところで、自転車が止まる。
『もしかして、神くんの家!?』
「そう、上がっていってよ」
『でも…』
「さっきの本の事、知りたくないの?」
『えっと…彼女でもないのに神くんの家に上がるのは…』
「じゃ、俺の彼女になってよ」
『えっ…?』
突然の告白に私の頭の中は真っ白になる。
今、神くんの彼女って言った…
「三日月ちゃん、俺のこと嫌い?」
神くんはずるい聞き方をしてくる。
『そういう目で見た事なかったっていうか…』
「そうなんだ。俺は、三日月ちゃんのこと、一緒のクラスになった時からずっとそういう目で見てたよ」
神くんが綺麗に微笑むから私はまともに目を合わせられなくなって、俯いた。
『神くん…』
「三日月ちゃんが俺の鞄から見つけた本みたいなこともしたいって、ずっと…思ってた。俺の事、好きになってよ」
神くんは私にまた一歩近づいて、私のあごを取った。
「三日月ちゃん、好きだよ」
射貫くような瞳に見つめられて、私はもう観念するしかなかった。
仲の良い友達として好きじゃなくて、神くんを男の子として好きになるなんて考えたこともなかったけれど、こんなに私のことを想ってくれている神くんの気持ちに応えたいって気持ちが大きくなる。
『うん…私も…好きだよ』
神くんの形の良い唇が私の唇に重なって離れると、その瞳が妖しく光った気がした。
「三日月…もう、俺、我慢しないから…」
ギュっと手を繋がれ、神くんの家へと導かれる。
授業中からドキドキが止まらない私の心臓が更に大きくドクドクと音をたて、壊れるんじゃないかと心配になる。
それでも、返事の代わりに神くんの手をぎゅっと握り返した。
***
2021.10.26.
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