Chit-Chat【桜木軍団】
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『いらっしゃいませ』
「いらっしゃったぜー!」
夜、ファミレスにやってきたのは湘北高校1年生の水戸、高宮、大楠、野間の4人。
それぞれの顔には絆創膏では隠しきれない生傷があり、すれ違った人はぎょっとしている。
ここは、4人(正確には桜木も合わせて5人)の行きつけのファミレスであり、お目当ては店員の如月だ。
今日もバイトに入っており、4人の顔を見て目を見開いた。
『みんな、ひどい怪我!大丈夫?』
「おう、へーき。男の勲章みてーなもんよ」
「何カッコつけてんだよ」
いつも通り、元気そうな様子を見て如月はほっとした表情だ。
『ふふ、怪我はしてるけど、いつも通りなのね。いつもの席は空いてないから隣りへどうぞ』
窓側から遠く店員のバックヤードに近い席は特等席でも何でもないが、アルバイト店員である如月に話しかけやすいことから彼ら桜木軍団の定位置になっている。
外から見えないこの席に好んで座ってくれるのをこの店の店長は密かに喜んでいることを四人はもちろん如月も知らないでいる。
「ん?いつもんとこにいるの番長じゃね?」
と水戸が気付く。
「ラッキー。奢ってもらおうぜ」
と高宮は嬉しそうだ。
「おめーは食うことばっかりだな」
大楠のツッコミが入りながら、ずかずかと番長と呼ばれる男の元へと近づいた。
「よっ、堀田先輩、俺らも混ぜてくれよ」
野間が声をかけると、堀田先輩と呼ばれた男はぎょっとした様子で、
「んあ?なんで謹慎中までおめーらに構わなきゃいけねーんだ」
と断りを入れている。
この男は、湘北高校3年の堀田徳男。湘北の番長と呼ばれ、恐れられている存在でもある。
詳しくは分からないが、湘北高校でひと悶着あったらしい。
「それは、同じ謹慎中のよしみで」
大楠が言ったところで、店員の如月がオーダーを取りにやってきた。
『えー、徳ちゃん、この子たちと知り合い?』
どうやら如月は堀田とも知り合いのようだ。
「徳ちゃんって…番長のこと?」
水戸は、笑いをこらえて確認する。
「俺のことも望ちゃんって呼んでよー」
「おい、おめーら。如月に手出すなよ!」
堀田は、うんざりと言った表情の後、釘をさすのを忘れなかった。
「番長こわーい。助けて、如月さーん!」
大楠がおちゃらけていると、
「ふん、そろそろ行くぜ!」
堀田たちは仲間と共に立ち上がり、レジに向かった。
『ありがとうございました。ケガ、早く治してね』
「おう、じゃーな」
堀田を見送った如月は水戸たちの元へと戻ってきた。
「ね、如月さんって番長の彼女?」
4人が一番気になっていることを野間が切り出す。
『まさか!ただの腐れ縁…かな?というか君たちが徳ちゃんと仲良かったの知らなかったよ。しかもお揃いみたいに徳ちゃん達も君たちもけがだらけだし』
「ま、この怪我のおかげで番長と仲良くなれたっつう感じかな」
「ははっ、ちがいねー」
この言葉に、如月は首をかしげるばかりだ。
『それ、気になるな。喧嘩するほど仲が良いだっけ?そんな感じにも見えないけど?』
「んー、ま、俺らなりにいろいろあるんすよ」
水戸の表情に如月はこれ以上の追及をやめる。
『そうなのね。こっちの席、片づけたら移る?あ、後から桜木くんも来る?』
「花道は今日はこねーよ」
「そうそう、俺らとつるんでちゃいけねーの」
4人はどこか寂しそうにガラス越しに外を見た。
『そうなの?よく分かんないけど……やっぱり彼がいないと寂しいんじゃない?』
「まーねー」
『なんか桜木君のことと関係ありそうね。おねーさんが相談のってあげる…って言いたいとこだけど、お客さんきちゃった。好きなとこに座ってー』
如月は接客へといってしまった。
「俺たちにお構いなく。適当にやっとく」
「せっかく如月さんに癒してもらおうと思ったけど、なんかしんみりしちまったな」
「そんな時には食おうぜ」
高宮はメニューを開いて、吟味し始める。
「頼みすぎるなよ」
「でもよ、俺らこれからバスケ部とどう関わっていくか悩むよな」
「確かに。花道のことは応援していきたいけどよ、俺らいたら邪魔かもな」
高宮は注文を決めて店員を呼ぶと、手の空いた如月がやってきた。
『ご注文どうぞ。の前に、徳ちゃんは三っちゃんがバスケ部に戻ったから、これからはバスケ部の応援番長やるってさっき息まいてたよ』
「なに!?!?」
「まじかー」
4人は、驚いたように顔を見合わせた。
『三っちゃんって、サラサラヘアの子だったかと思うんだけど……彼、不良じゃなくてバスケ部だったんだね』
「如月さん、三井さんも知ってるのかー。ライバル多いな…」
水戸はははっと乾いた笑いを浮かべた。
『ライバル?』
「ま、こっちの話」
「それにしても、番長がめちゃくちゃバスケ部にかかわる気満々だったとは…」
「俺たちも負けていられねぇから、やっぱこれからも応援行こうぜ!」
「如月さんも、湘北バスケ部応援どうっすか?」
先ほど桜木がいなくて寂しいと言っていた雰囲気はどこへやら、盛り上がり始める。
『んー、私の高校もそれなりにバスケ部強いからなー。海南って知ってる?』
「分かんねーけど、強いんすか?」
『スローガンが常勝で、神奈川では負け知らずって感じの高校よ。もし、湘北が海南とあたることになったら応援行こうかな』
「そん時は、湘北、応援してくださいね!」
『んー、どうしよっかなぁ……』
ふふふと悩むそぶりを見せる如月に、
「「「「如月さーん!」」」」
と、4人の声が響く。
ファミレスでの楽しいひと時は、まだまだ続くのであった。
***
2023.11.30.
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こぼれ話→Chit-Chat【桜木軍団】
「いらっしゃったぜー!」
夜、ファミレスにやってきたのは湘北高校1年生の水戸、高宮、大楠、野間の4人。
それぞれの顔には絆創膏では隠しきれない生傷があり、すれ違った人はぎょっとしている。
ここは、4人(正確には桜木も合わせて5人)の行きつけのファミレスであり、お目当ては店員の如月だ。
今日もバイトに入っており、4人の顔を見て目を見開いた。
『みんな、ひどい怪我!大丈夫?』
「おう、へーき。男の勲章みてーなもんよ」
「何カッコつけてんだよ」
いつも通り、元気そうな様子を見て如月はほっとした表情だ。
『ふふ、怪我はしてるけど、いつも通りなのね。いつもの席は空いてないから隣りへどうぞ』
窓側から遠く店員のバックヤードに近い席は特等席でも何でもないが、アルバイト店員である如月に話しかけやすいことから彼ら桜木軍団の定位置になっている。
外から見えないこの席に好んで座ってくれるのをこの店の店長は密かに喜んでいることを四人はもちろん如月も知らないでいる。
「ん?いつもんとこにいるの番長じゃね?」
と水戸が気付く。
「ラッキー。奢ってもらおうぜ」
と高宮は嬉しそうだ。
「おめーは食うことばっかりだな」
大楠のツッコミが入りながら、ずかずかと番長と呼ばれる男の元へと近づいた。
「よっ、堀田先輩、俺らも混ぜてくれよ」
野間が声をかけると、堀田先輩と呼ばれた男はぎょっとした様子で、
「んあ?なんで謹慎中までおめーらに構わなきゃいけねーんだ」
と断りを入れている。
この男は、湘北高校3年の堀田徳男。湘北の番長と呼ばれ、恐れられている存在でもある。
詳しくは分からないが、湘北高校でひと悶着あったらしい。
「それは、同じ謹慎中のよしみで」
大楠が言ったところで、店員の如月がオーダーを取りにやってきた。
『えー、徳ちゃん、この子たちと知り合い?』
どうやら如月は堀田とも知り合いのようだ。
「徳ちゃんって…番長のこと?」
水戸は、笑いをこらえて確認する。
「俺のことも望ちゃんって呼んでよー」
「おい、おめーら。如月に手出すなよ!」
堀田は、うんざりと言った表情の後、釘をさすのを忘れなかった。
「番長こわーい。助けて、如月さーん!」
大楠がおちゃらけていると、
「ふん、そろそろ行くぜ!」
堀田たちは仲間と共に立ち上がり、レジに向かった。
『ありがとうございました。ケガ、早く治してね』
「おう、じゃーな」
堀田を見送った如月は水戸たちの元へと戻ってきた。
「ね、如月さんって番長の彼女?」
4人が一番気になっていることを野間が切り出す。
『まさか!ただの腐れ縁…かな?というか君たちが徳ちゃんと仲良かったの知らなかったよ。しかもお揃いみたいに徳ちゃん達も君たちもけがだらけだし』
「ま、この怪我のおかげで番長と仲良くなれたっつう感じかな」
「ははっ、ちがいねー」
この言葉に、如月は首をかしげるばかりだ。
『それ、気になるな。喧嘩するほど仲が良いだっけ?そんな感じにも見えないけど?』
「んー、ま、俺らなりにいろいろあるんすよ」
水戸の表情に如月はこれ以上の追及をやめる。
『そうなのね。こっちの席、片づけたら移る?あ、後から桜木くんも来る?』
「花道は今日はこねーよ」
「そうそう、俺らとつるんでちゃいけねーの」
4人はどこか寂しそうにガラス越しに外を見た。
『そうなの?よく分かんないけど……やっぱり彼がいないと寂しいんじゃない?』
「まーねー」
『なんか桜木君のことと関係ありそうね。おねーさんが相談のってあげる…って言いたいとこだけど、お客さんきちゃった。好きなとこに座ってー』
如月は接客へといってしまった。
「俺たちにお構いなく。適当にやっとく」
「せっかく如月さんに癒してもらおうと思ったけど、なんかしんみりしちまったな」
「そんな時には食おうぜ」
高宮はメニューを開いて、吟味し始める。
「頼みすぎるなよ」
「でもよ、俺らこれからバスケ部とどう関わっていくか悩むよな」
「確かに。花道のことは応援していきたいけどよ、俺らいたら邪魔かもな」
高宮は注文を決めて店員を呼ぶと、手の空いた如月がやってきた。
『ご注文どうぞ。の前に、徳ちゃんは三っちゃんがバスケ部に戻ったから、これからはバスケ部の応援番長やるってさっき息まいてたよ』
「なに!?!?」
「まじかー」
4人は、驚いたように顔を見合わせた。
『三っちゃんって、サラサラヘアの子だったかと思うんだけど……彼、不良じゃなくてバスケ部だったんだね』
「如月さん、三井さんも知ってるのかー。ライバル多いな…」
水戸はははっと乾いた笑いを浮かべた。
『ライバル?』
「ま、こっちの話」
「それにしても、番長がめちゃくちゃバスケ部にかかわる気満々だったとは…」
「俺たちも負けていられねぇから、やっぱこれからも応援行こうぜ!」
「如月さんも、湘北バスケ部応援どうっすか?」
先ほど桜木がいなくて寂しいと言っていた雰囲気はどこへやら、盛り上がり始める。
『んー、私の高校もそれなりにバスケ部強いからなー。海南って知ってる?』
「分かんねーけど、強いんすか?」
『スローガンが常勝で、神奈川では負け知らずって感じの高校よ。もし、湘北が海南とあたることになったら応援行こうかな』
「そん時は、湘北、応援してくださいね!」
『んー、どうしよっかなぁ……』
ふふふと悩むそぶりを見せる如月に、
「「「「如月さーん!」」」」
と、4人の声が響く。
ファミレスでの楽しいひと時は、まだまだ続くのであった。
***
2023.11.30.
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