タイムリミット【仙道彰】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『明日は、絶対、ぜーったい寝坊しちゃダメだからね!!!』
「分かってるよ」
『タイムリミットは、朝の8時!!!!』
「ねもは心配しすぎ」
『この間の大事な遠征だって集合時間に遅刻したんでしょ。彰くん、さすがに明日はお願いね。私の実家行くんだから』
「大丈夫だって」
付き合い始めて1年がたって、明日は彰くんと私の実家に行くことになっている。
近いうちに同棲を始めたいこと、いずれは結婚するつもりであることを伝えに行くのだ。
私の実家は新幹線の距離で、日帰りで行こうとすると朝早くに出るしかないから、電話越しに念押しする。
『やっぱり、私、明日の朝起こしに行こうか?始発で彰くんの家行けば十分間に合うし』
「大丈夫、そのくらいはかっこつけさせてよ。最悪、電話で起こしてくれれば大丈夫。音量だってMAXにしてるし」
『やっぱり心配だよ…』
「ねもの親に会うんだし、俺だってやるときはやるって」
『ならいいけど…』
若干の心配を残しながらも彰くんとの電話を切った。
田舎の両親も結婚にうるさかったり、しきたりが…というような人たちではないけれど、彰くんの印象が少しでも良い方がいいに決まっている。
それに、実家に帰る度に、地元に残る私の同級生が結婚したとか子どもが産まれたとか聞かされるから、都会に行った娘が嫁に行き遅れないか心の中では心配しているんだと思う。
今どき結婚適齢期なんて無いに等しいのに…という思考は田舎では通用しないのだ。
結婚にタイムリミットはないかもしれないけれど、出産にはタイムリミットはあるわけで……正直なところ、可能であれば彰くんとの子どもは欲しいと思っている。
バスケの時は俊敏で、とにかくかっこいいのに、私生活となるとどこか抜けていて、のんびりしている彰くんが、いつプロポーズしてくれるんだろう?とか、いつかは子どもを持つことを考えてくれてるのかな?とか心配になることもある。
もちろん、私のことをすごく大切にしてくれてることも知っているから、嫌いになったりは絶対ないのだけど。
心配しても仕方ないから、今日は寝よう!
両親の好きなお土産を駅で買うことをシミュレーションしながら、眠りについた。
“ピンポーン“
インターホンの音で目が覚める。
『寝坊した!?』
時計を見れば、私の目覚ましが鳴る5分前の時間。
慌てて、インターホンを確認すれば、
「おはよ」
朝日なんかよりもずっとまぶしい笑顔の彰くんがいた。
慌てて玄関の扉を開ける。
『どうしたの!?』
「んー、早く目が覚めちゃってさ」
『ごめんね!私、これから準備するから待ってて!』
彰くんを部屋の中に招き入れて、バタバタと準備に向かおうとした手を握って止められた。
「ちょっとだけ、いい?」
『何?』
「こんな時に、言うのもアレなんだけど…これ、受け取って」
彰くんがポケットから取り出したのは高級そうな紺色の四角い箱。
彰くんの手によってパカッと開かれた箱の中にはキラリと輝くダイヤの指輪が収められていた。
『これって…』
「俺と結婚してください。本当はもっと早くに言えればよかったんだけど、のんびりしてたら、ねもの実家行く日になっちゃって…」
こんな展開になるなんて、まだ夢の中にいるのだろうか…とほっぺをつねってみる。
『痛い…』
「夢じゃないって。準備終わったら、指輪、はめさせてくれない?」
『うん、もちろん!』
彰くんが朝早くに迎えに来てくれただけじゃなくて、このタイミングでプロポーズしてくれるなんて、青天の霹靂というやつだ。
プロポーズが出来て安心したのか、早起きしたであろう彰くんは、慌ただしく動き回る私を横目にベッドに寝転がって、お腹の上にそっと指輪の箱を置いた。
『彰くん!寝ないでよね!!』
「大丈夫…」
なんて言っているけれど、今にも寝そうな声だ。
でも、私はお化粧の真っ最中で彰くんに構う余裕はない。
案の定、私の準備が終わった時には、彰くんはすやすやと眠っていた。
時刻は出発のタイムリミット30分前。
少しだけ寝かしてあげるか、すぐに起こしてこの指に指輪をはめてもらうか…
気持ちよさそうに眠る彰くんの寝顔に私は頭を悩ませる。
彰くんの奥さんになるにはまだまだいろんな困難が待ち受けていそうだな…なんて幸せのため息をついたのだった。
***
2022.10.25.
Thank you for your request!!!
こぼれ話→タイムリミット【仙道彰】
「分かってるよ」
『タイムリミットは、朝の8時!!!!』
「ねもは心配しすぎ」
『この間の大事な遠征だって集合時間に遅刻したんでしょ。彰くん、さすがに明日はお願いね。私の実家行くんだから』
「大丈夫だって」
付き合い始めて1年がたって、明日は彰くんと私の実家に行くことになっている。
近いうちに同棲を始めたいこと、いずれは結婚するつもりであることを伝えに行くのだ。
私の実家は新幹線の距離で、日帰りで行こうとすると朝早くに出るしかないから、電話越しに念押しする。
『やっぱり、私、明日の朝起こしに行こうか?始発で彰くんの家行けば十分間に合うし』
「大丈夫、そのくらいはかっこつけさせてよ。最悪、電話で起こしてくれれば大丈夫。音量だってMAXにしてるし」
『やっぱり心配だよ…』
「ねもの親に会うんだし、俺だってやるときはやるって」
『ならいいけど…』
若干の心配を残しながらも彰くんとの電話を切った。
田舎の両親も結婚にうるさかったり、しきたりが…というような人たちではないけれど、彰くんの印象が少しでも良い方がいいに決まっている。
それに、実家に帰る度に、地元に残る私の同級生が結婚したとか子どもが産まれたとか聞かされるから、都会に行った娘が嫁に行き遅れないか心の中では心配しているんだと思う。
今どき結婚適齢期なんて無いに等しいのに…という思考は田舎では通用しないのだ。
結婚にタイムリミットはないかもしれないけれど、出産にはタイムリミットはあるわけで……正直なところ、可能であれば彰くんとの子どもは欲しいと思っている。
バスケの時は俊敏で、とにかくかっこいいのに、私生活となるとどこか抜けていて、のんびりしている彰くんが、いつプロポーズしてくれるんだろう?とか、いつかは子どもを持つことを考えてくれてるのかな?とか心配になることもある。
もちろん、私のことをすごく大切にしてくれてることも知っているから、嫌いになったりは絶対ないのだけど。
心配しても仕方ないから、今日は寝よう!
両親の好きなお土産を駅で買うことをシミュレーションしながら、眠りについた。
“ピンポーン“
インターホンの音で目が覚める。
『寝坊した!?』
時計を見れば、私の目覚ましが鳴る5分前の時間。
慌てて、インターホンを確認すれば、
「おはよ」
朝日なんかよりもずっとまぶしい笑顔の彰くんがいた。
慌てて玄関の扉を開ける。
『どうしたの!?』
「んー、早く目が覚めちゃってさ」
『ごめんね!私、これから準備するから待ってて!』
彰くんを部屋の中に招き入れて、バタバタと準備に向かおうとした手を握って止められた。
「ちょっとだけ、いい?」
『何?』
「こんな時に、言うのもアレなんだけど…これ、受け取って」
彰くんがポケットから取り出したのは高級そうな紺色の四角い箱。
彰くんの手によってパカッと開かれた箱の中にはキラリと輝くダイヤの指輪が収められていた。
『これって…』
「俺と結婚してください。本当はもっと早くに言えればよかったんだけど、のんびりしてたら、ねもの実家行く日になっちゃって…」
こんな展開になるなんて、まだ夢の中にいるのだろうか…とほっぺをつねってみる。
『痛い…』
「夢じゃないって。準備終わったら、指輪、はめさせてくれない?」
『うん、もちろん!』
彰くんが朝早くに迎えに来てくれただけじゃなくて、このタイミングでプロポーズしてくれるなんて、青天の霹靂というやつだ。
プロポーズが出来て安心したのか、早起きしたであろう彰くんは、慌ただしく動き回る私を横目にベッドに寝転がって、お腹の上にそっと指輪の箱を置いた。
『彰くん!寝ないでよね!!』
「大丈夫…」
なんて言っているけれど、今にも寝そうな声だ。
でも、私はお化粧の真っ最中で彰くんに構う余裕はない。
案の定、私の準備が終わった時には、彰くんはすやすやと眠っていた。
時刻は出発のタイムリミット30分前。
少しだけ寝かしてあげるか、すぐに起こしてこの指に指輪をはめてもらうか…
気持ちよさそうに眠る彰くんの寝顔に私は頭を悩ませる。
彰くんの奥さんになるにはまだまだいろんな困難が待ち受けていそうだな…なんて幸せのため息をついたのだった。
***
2022.10.25.
Thank you for your request!!!
こぼれ話→タイムリミット【仙道彰】
1/1ページ