放課後デート【仙道彰】
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「「「っしたー!」」」
バスケ部の練習が終わってからも、マネージャーの仕事は終わらない。
掃除や備品のチェック、練習日誌を書いたり先生からの用事をこなしたりと忙しい。
やっとそれらが終わったころには、レギュラーメンバーが自主練で残っているだけだ。
もちろん仙道くんも自主練をしているけれど、いつも私がマネージャーの仕事が終わるタイミングで練習を切り上げてくれて、駅まで送ってくれる。
『いつもごめんね…』
「いーや、女の子を一人で帰らせるのが嫌なだけだから」
そんな風に嬉しいことを言ってくれる。
汗だくの身体を拭いて制汗剤をし、制服に着替えて、リップを塗って…短い時間ではそれくらいしか出来ないけれど、暗いから可愛く作れていない顔をそんなに見えてないよね…
それに、背の高い仙道くんは私と身長差があるから、顔はハッキリ見えないはずだろうと思っている。
二人並んで歩くのは、恋人同士じゃないのに恋人同士みたいで、未だにちょっと緊張する。
身長差のせいで会話が聞こえにくい度に、仙道くんが少しかがんで私に顔を近づけてくれるから、距離が縮まるのがくすぐったいけど、可愛くない顔を見られやしないかちょっと心配でもある。
私とは反対に、仙道くんはいつも乱れないツンツン頭と整った顔をしているから、顔を近づけられる度にじっと見つめたい気持ちもあって一緒の帰り道は感情が大忙しだ。
仙道くんのどこが好きって言われても、全部好きとしか言いようがないくらいに好きなんだけれど、上手く隠せてるかな?
友だち曰く、私は好きな気持ちがダダ漏れてるし、仙道くんの方も絶対に好きだから大丈夫!って言われたけれど、陵南で一番モテると言っても過言じゃない仙道くんが私のことを好きだなんて全然自信がない。
今日は、仙道くんが前に気に入ってくれたレモンケーキ焼いてきたんだけど、喜んでくれるかな。
駅に近づいてきたタイミングで、鞄から丁寧にラッピングしたケーキを取り出した。
『これ、また焼いたんだけどよかったら』
「今度はオレの分だけ焼いてって言ったの、覚えててくれたんだ」
『マネージャーだから、チームの時期キャプテンの頼みを聞かないわけにはいかないでしょ?』
「マネージャー、かぁ…そうだ、これ、すぐ食べたいしちょっと寄っていかねぇ?」
仙道くんは駅のほど近いところにある公園を指さした。
『うん、明日は朝練もないし少しだけなら…』
公園内は、陵南のカップルらしき男女がベンチに座っているけれど、私たちのことなんて眼中にないようだ。
私たちも、あの子達みたいに放課後デートっぽく見えてたらいいな?なんて妄想していると、
「お礼にジュースくらい買わせて」
自動販売機を指さして、仙道くんの申し出に慌ててうなずいた。
『ありがとう。気を使わせちゃって、ゴメンね…』
公園内の自動販売機で、飲み物を買ってもらって、空いているベンチに並んで腰掛ける。
こんなことなら、もう少し髪型とか直せばよかったな…なんて考えながら、手ぐしで前髪を少し整えてみる。
仙道くんは大きな口で私の作ったケーキを頬張って、
「うん、やっぱ旨い!モモちゃんが作ったケーキ食べると元気出る」
『ふふ、嬉しいな』
仙道くんは私のケーキをペロリと平らげて、んーっと伸びをした。
ちょっと薄暗いし、こんな風にゆっくり二人きりになるタイミングなんてもう無いかもしれない。
思い切って、告白…は無理でも、私がいかに仙道くんのことをすごいと思っているかってことを伝えたい。
『あのね。ずっと言おうと思ってたことが…』
「待って、オレから言わせて」
仙道くんは焦ったように私の言葉を遮った。
『えっ?』
「オレさ、モモちゃんのこと…良い子だって思って、気付いたらオレ以外の奴と話してるの見るのむかつくようになってさ……」
『仙道くん?』
突然の告白に心臓がバクバク言っている。
「…まどろっこしいな、ゴメン。もっとちゃんと言わなくちゃだよな」
『待って!多分、私も同じこと、言おうと思ってるから』
「だったら、尚更、オレから言わせて」
『…はい』
仙道くんから買ってもらったジュースを両手でギュって握りしめる。
「モモちゃん、好きです。オレと付き合ってください」
『はい。仙道くんと付き合えるなんて、夢見てるみたい…』
「ははっ、オレも」
晴れて恋人同士になったから、これが放課後デートだって胸を張って言えることが嬉しくて、ほんのちょっとだけ、ベンチに座りなおして仙道くんとの距離を詰める。
すると、仙道くんの腕が伸びてきて、私の腰をぎゅっと引き寄せてくれた。
***
2022.10.27.
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こぼれ話→放課後デート【仙道彰】
バスケ部の練習が終わってからも、マネージャーの仕事は終わらない。
掃除や備品のチェック、練習日誌を書いたり先生からの用事をこなしたりと忙しい。
やっとそれらが終わったころには、レギュラーメンバーが自主練で残っているだけだ。
もちろん仙道くんも自主練をしているけれど、いつも私がマネージャーの仕事が終わるタイミングで練習を切り上げてくれて、駅まで送ってくれる。
『いつもごめんね…』
「いーや、女の子を一人で帰らせるのが嫌なだけだから」
そんな風に嬉しいことを言ってくれる。
汗だくの身体を拭いて制汗剤をし、制服に着替えて、リップを塗って…短い時間ではそれくらいしか出来ないけれど、暗いから可愛く作れていない顔をそんなに見えてないよね…
それに、背の高い仙道くんは私と身長差があるから、顔はハッキリ見えないはずだろうと思っている。
二人並んで歩くのは、恋人同士じゃないのに恋人同士みたいで、未だにちょっと緊張する。
身長差のせいで会話が聞こえにくい度に、仙道くんが少しかがんで私に顔を近づけてくれるから、距離が縮まるのがくすぐったいけど、可愛くない顔を見られやしないかちょっと心配でもある。
私とは反対に、仙道くんはいつも乱れないツンツン頭と整った顔をしているから、顔を近づけられる度にじっと見つめたい気持ちもあって一緒の帰り道は感情が大忙しだ。
仙道くんのどこが好きって言われても、全部好きとしか言いようがないくらいに好きなんだけれど、上手く隠せてるかな?
友だち曰く、私は好きな気持ちがダダ漏れてるし、仙道くんの方も絶対に好きだから大丈夫!って言われたけれど、陵南で一番モテると言っても過言じゃない仙道くんが私のことを好きだなんて全然自信がない。
今日は、仙道くんが前に気に入ってくれたレモンケーキ焼いてきたんだけど、喜んでくれるかな。
駅に近づいてきたタイミングで、鞄から丁寧にラッピングしたケーキを取り出した。
『これ、また焼いたんだけどよかったら』
「今度はオレの分だけ焼いてって言ったの、覚えててくれたんだ」
『マネージャーだから、チームの時期キャプテンの頼みを聞かないわけにはいかないでしょ?』
「マネージャー、かぁ…そうだ、これ、すぐ食べたいしちょっと寄っていかねぇ?」
仙道くんは駅のほど近いところにある公園を指さした。
『うん、明日は朝練もないし少しだけなら…』
公園内は、陵南のカップルらしき男女がベンチに座っているけれど、私たちのことなんて眼中にないようだ。
私たちも、あの子達みたいに放課後デートっぽく見えてたらいいな?なんて妄想していると、
「お礼にジュースくらい買わせて」
自動販売機を指さして、仙道くんの申し出に慌ててうなずいた。
『ありがとう。気を使わせちゃって、ゴメンね…』
公園内の自動販売機で、飲み物を買ってもらって、空いているベンチに並んで腰掛ける。
こんなことなら、もう少し髪型とか直せばよかったな…なんて考えながら、手ぐしで前髪を少し整えてみる。
仙道くんは大きな口で私の作ったケーキを頬張って、
「うん、やっぱ旨い!モモちゃんが作ったケーキ食べると元気出る」
『ふふ、嬉しいな』
仙道くんは私のケーキをペロリと平らげて、んーっと伸びをした。
ちょっと薄暗いし、こんな風にゆっくり二人きりになるタイミングなんてもう無いかもしれない。
思い切って、告白…は無理でも、私がいかに仙道くんのことをすごいと思っているかってことを伝えたい。
『あのね。ずっと言おうと思ってたことが…』
「待って、オレから言わせて」
仙道くんは焦ったように私の言葉を遮った。
『えっ?』
「オレさ、モモちゃんのこと…良い子だって思って、気付いたらオレ以外の奴と話してるの見るのむかつくようになってさ……」
『仙道くん?』
突然の告白に心臓がバクバク言っている。
「…まどろっこしいな、ゴメン。もっとちゃんと言わなくちゃだよな」
『待って!多分、私も同じこと、言おうと思ってるから』
「だったら、尚更、オレから言わせて」
『…はい』
仙道くんから買ってもらったジュースを両手でギュって握りしめる。
「モモちゃん、好きです。オレと付き合ってください」
『はい。仙道くんと付き合えるなんて、夢見てるみたい…』
「ははっ、オレも」
晴れて恋人同士になったから、これが放課後デートだって胸を張って言えることが嬉しくて、ほんのちょっとだけ、ベンチに座りなおして仙道くんとの距離を詰める。
すると、仙道くんの腕が伸びてきて、私の腰をぎゅっと引き寄せてくれた。
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2022.10.27.
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