7章:不機嫌と興味と戦闘
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サムの護衛に任命されたバンブルビーはそれはそれは上機嫌だった。
ラジオから音楽を流しつつ耳の辺りを動かしているバンブルビーの姿を見たNEST隊員達は苦笑を浮かべながら、しばしの別れだと言うかのようにバンブルビーのボディを軽く手で叩いて挨拶をしていた。
そんなバンブルビーの姿をヒューマンモードになったティスランドが困った顔して見つめていた。
「サイドスワイプ」
『なんだ?』
「バンブルビーに私が同行するって言ったら絶対に機嫌が悪くなると思うんだが?」
『だろうなぁ』
「彼の機嫌を損ねないようにしつつ、私が彼と同行する事になったことを了承してもらう手段はあるか?」
『ない』
「そうか」
『あぁ。まぁこれもお前への罰だと思って受け入れて、大人しくバンブルビーに報告してこい。一応、フォローはしてやるよ、ジャズみたいにはできねぇけど』
ジャズの名を口にした瞬間、サイドスワイプはしまったと言うかのように顔を引きつらせた。恐る恐るティスランドへと視線を向けると当の本人はジャズの名前を聞いてもそれほど動揺してはいなかった。
だからかもしれない。
当分の間ティスランドはこの基地から離れる為、こうして会話をすることはない。
故に聞くのならば今しかないだろうと思ったのだ。
『なぁ・・・聞いても良いか?』
「私に答えられることなら」
『お前さ、ジャズの事を嫌いになったのか?』
意外すぎる問いかけにティスランドはどういう意味だ?と問うかのように視線を向けると、サイドスワイプは青い目を忙しなくカシャカシャと動かしながら答えた。
『実はさ、ジャズから聞いたんだよ。二人の間でどんな会話をしたのかって・・・まぁ確かに俺達のやっていたことはお前にとっては不快だよな』
事情があるにしてもジャズとサイドスワイプの二人だけで対処するのでは無く、話し合いの時にティスランドも混ぜるべきだったのだ。
それなのに自分達はティスランドを気遣うあまり、少々勝手すぎる決断をしてしまった。
その結果が今の状況だ。
『お前が怒るのも当然か』
「・・・サイドスワイプ。私は将校殿のことを嫌いになったわけじゃない。それだけは本当だ・・・・ただ、時折、将校殿が私に対する行動が最近妙にイラッとするだけなんだ。あの人はいつまで経っても私を子供扱いしているだろう?」
『まぁそうだな』
ティスランドの言葉にサイドスワイプは間髪を入れずに同意する。
格納庫から出るときもどこに行くのだ?と問いかけてみたり、任務が終わって帰還したときにはメンテに同行してみたり、ヒューマンモードのティスランドを助手席に乗せてパトロールに行きたいと進言していた。
その事を思い出したサイドスワイプの顔が引きつる。
『あー・・・ストレス溜るよなぁ』
同情するかのように言われた言葉にティスランドは無言のまま頷くと、この話題はこれで終わりだと言うかのように視線を再度バンブルビーへと戻す。
「(本当は違う)」
あの時、ジャズに対して込み上げてきた感情は偽ることの無い、純粋たる殺意だった。
仲間であるはずのジャズやサイドスワイプを敵だと認識してしまえる程の強い感情だ。
「(私は本当に・・・どうしてしまったんだ?)」
スパークの中を渦巻く感情を抑えるかのようにティスランドはそっと心臓の辺りに手を置いた。
ラジオから音楽を流しつつ耳の辺りを動かしているバンブルビーの姿を見たNEST隊員達は苦笑を浮かべながら、しばしの別れだと言うかのようにバンブルビーのボディを軽く手で叩いて挨拶をしていた。
そんなバンブルビーの姿をヒューマンモードになったティスランドが困った顔して見つめていた。
「サイドスワイプ」
『なんだ?』
「バンブルビーに私が同行するって言ったら絶対に機嫌が悪くなると思うんだが?」
『だろうなぁ』
「彼の機嫌を損ねないようにしつつ、私が彼と同行する事になったことを了承してもらう手段はあるか?」
『ない』
「そうか」
『あぁ。まぁこれもお前への罰だと思って受け入れて、大人しくバンブルビーに報告してこい。一応、フォローはしてやるよ、ジャズみたいにはできねぇけど』
ジャズの名を口にした瞬間、サイドスワイプはしまったと言うかのように顔を引きつらせた。恐る恐るティスランドへと視線を向けると当の本人はジャズの名前を聞いてもそれほど動揺してはいなかった。
だからかもしれない。
当分の間ティスランドはこの基地から離れる為、こうして会話をすることはない。
故に聞くのならば今しかないだろうと思ったのだ。
『なぁ・・・聞いても良いか?』
「私に答えられることなら」
『お前さ、ジャズの事を嫌いになったのか?』
意外すぎる問いかけにティスランドはどういう意味だ?と問うかのように視線を向けると、サイドスワイプは青い目を忙しなくカシャカシャと動かしながら答えた。
『実はさ、ジャズから聞いたんだよ。二人の間でどんな会話をしたのかって・・・まぁ確かに俺達のやっていたことはお前にとっては不快だよな』
事情があるにしてもジャズとサイドスワイプの二人だけで対処するのでは無く、話し合いの時にティスランドも混ぜるべきだったのだ。
それなのに自分達はティスランドを気遣うあまり、少々勝手すぎる決断をしてしまった。
その結果が今の状況だ。
『お前が怒るのも当然か』
「・・・サイドスワイプ。私は将校殿のことを嫌いになったわけじゃない。それだけは本当だ・・・・ただ、時折、将校殿が私に対する行動が最近妙にイラッとするだけなんだ。あの人はいつまで経っても私を子供扱いしているだろう?」
『まぁそうだな』
ティスランドの言葉にサイドスワイプは間髪を入れずに同意する。
格納庫から出るときもどこに行くのだ?と問いかけてみたり、任務が終わって帰還したときにはメンテに同行してみたり、ヒューマンモードのティスランドを助手席に乗せてパトロールに行きたいと進言していた。
その事を思い出したサイドスワイプの顔が引きつる。
『あー・・・ストレス溜るよなぁ』
同情するかのように言われた言葉にティスランドは無言のまま頷くと、この話題はこれで終わりだと言うかのように視線を再度バンブルビーへと戻す。
「(本当は違う)」
あの時、ジャズに対して込み上げてきた感情は偽ることの無い、純粋たる殺意だった。
仲間であるはずのジャズやサイドスワイプを敵だと認識してしまえる程の強い感情だ。
「(私は本当に・・・どうしてしまったんだ?)」
スパークの中を渦巻く感情を抑えるかのようにティスランドはそっと心臓の辺りに手を置いた。