5章:遠出と取引と少しばかりの罪悪感
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真っ白な空間の中、向かい合った3つの存在は目の前に居る存在をジッと見つめていた。
こうして出会うことは初めてと言って良い。
『俺は俺の務め果たした。あの将校殿との取引を俺から反故にするつもりはねぇ・・・これから先、俺がお前の身体を強制的に支配するのはスタースクリームに関する事、そしてお前の命が脅かされたときだけだ』
吐き捨てるかのようにそう告げたストラトスは自らが貧乏くじを引いたことを不満だと言うかのように排気を一つした。
当の主人格から反応がないことを不服だと言うかのように彼が視線を向けた先に居るのはティスランドで、彼女は気まずそうに視線を足下へと落としている。
「私は・・・もう出るつもり無いです。お二人がどうしても出られないような状況にならない限りは、その大人しく引っ込んでいます。戦えもしない私に出来る事なんてありませんし。その方がきっと良いと思いますから」
『だろうな。親って存在と会えなくても良いのか?』
「ジャズさんの説明できっと父は納得しました。きっと私のことを探しに今後アメリカに来ることは無いでしょう」
諦めを滲ませながらセイは告げる。
父はきっと母を説得する。これ以上探してもきっと娘は帰ってこないのだと、生き残った自分達三人の生き方を新たに見いだそうと説得をして母を納得させる。
そういう事に長けた人だとセイは知っているのだ。
『で?肝心の我らを率いるだろうティスランドの意見は?』
『わ、私は・・・・』
『あのなぁ。都合の悪い部分は全部終わったんだよ。言葉は悪いがすでに死んでる俺達に出来る事なんざ限られてる・・・主人格はお前なんだ。お前がしっかりしねぇと何一つとして意味を無さねぇんだよ』
吐き捨てるかのようにストラトスが告げればティスランドは下げていた視線をゆっくりと上げて彼を見る。
ジッと見つめた後、次にセイへと視線を向け、何かを考えているかのように駆動音を響かせていたがそれはそう長くはなかった。
『私は2人を犠牲にする』
『別に良い。利用できるモノはなんだって好きに利用しろ・・・俺は俺の目的を果たすだけだ。それ以外に関しては異論はねぇよ』
ディセプティコンらしい言葉、けれどそれがストラトスなりの最大の譲歩であり、そして励ましである事くらい解っていた。
「私も同じです。出来る事なんて限られているけど・・・終わった私の命を貴方が有効的に使えるならそれも一つの選択だって解っています」
怯えながらもしっかりとした意思を宿して言われた言葉、それがセイなりの最大の協力であり、そして優しさである事くらい解っていた。
『ありがとう』
2人の命を犠牲にして生きる事。
それを許して、認めてくれた事がティスランドには嬉しくて、それでいて微かな罪悪感がティスランドを苛む。
けれどソレを糧に自分は生きねばならない。
彼等を守る事が出来るのは自分しか居ないのだ。
そう思うと青い瞳で彼等を真っ直ぐ見つめた。
強い意志の籠もった眼差しにストラトスはそれで良いと言うかのように一つだけ頷き、セイは安心したと言うかのように微笑んだ。
きっとこうして三人が同じ場所で出会う事は二度と無い。
コレが最初で最後だ。
そう思いながら三人は互いの気持ちを、伝えるべき思いを、言いあう。
時間を忘れるほどの語らいの中、少しずつ互いの意識が混じり合っていくのを感じていた。
これが一つになる事だ。
少しだけ怖いと思う反面、共に生きられる仲間が居る事を歓迎するかのように意識をそっと手放した。
目を覚ましたとき、それはきっとティスランドでありセイで、セイでありストラトスで、ストラトスでありティスランドとなる。
私は、俺は、一つになるのだ。
新たな命の誕生を祝福するかのように青と赤の光が当たりに満ちた事を三人は知らない。
こうして出会うことは初めてと言って良い。
『俺は俺の務め果たした。あの将校殿との取引を俺から反故にするつもりはねぇ・・・これから先、俺がお前の身体を強制的に支配するのはスタースクリームに関する事、そしてお前の命が脅かされたときだけだ』
吐き捨てるかのようにそう告げたストラトスは自らが貧乏くじを引いたことを不満だと言うかのように排気を一つした。
当の主人格から反応がないことを不服だと言うかのように彼が視線を向けた先に居るのはティスランドで、彼女は気まずそうに視線を足下へと落としている。
「私は・・・もう出るつもり無いです。お二人がどうしても出られないような状況にならない限りは、その大人しく引っ込んでいます。戦えもしない私に出来る事なんてありませんし。その方がきっと良いと思いますから」
『だろうな。親って存在と会えなくても良いのか?』
「ジャズさんの説明できっと父は納得しました。きっと私のことを探しに今後アメリカに来ることは無いでしょう」
諦めを滲ませながらセイは告げる。
父はきっと母を説得する。これ以上探してもきっと娘は帰ってこないのだと、生き残った自分達三人の生き方を新たに見いだそうと説得をして母を納得させる。
そういう事に長けた人だとセイは知っているのだ。
『で?肝心の我らを率いるだろうティスランドの意見は?』
『わ、私は・・・・』
『あのなぁ。都合の悪い部分は全部終わったんだよ。言葉は悪いがすでに死んでる俺達に出来る事なんざ限られてる・・・主人格はお前なんだ。お前がしっかりしねぇと何一つとして意味を無さねぇんだよ』
吐き捨てるかのようにストラトスが告げればティスランドは下げていた視線をゆっくりと上げて彼を見る。
ジッと見つめた後、次にセイへと視線を向け、何かを考えているかのように駆動音を響かせていたがそれはそう長くはなかった。
『私は2人を犠牲にする』
『別に良い。利用できるモノはなんだって好きに利用しろ・・・俺は俺の目的を果たすだけだ。それ以外に関しては異論はねぇよ』
ディセプティコンらしい言葉、けれどそれがストラトスなりの最大の譲歩であり、そして励ましである事くらい解っていた。
「私も同じです。出来る事なんて限られているけど・・・終わった私の命を貴方が有効的に使えるならそれも一つの選択だって解っています」
怯えながらもしっかりとした意思を宿して言われた言葉、それがセイなりの最大の協力であり、そして優しさである事くらい解っていた。
『ありがとう』
2人の命を犠牲にして生きる事。
それを許して、認めてくれた事がティスランドには嬉しくて、それでいて微かな罪悪感がティスランドを苛む。
けれどソレを糧に自分は生きねばならない。
彼等を守る事が出来るのは自分しか居ないのだ。
そう思うと青い瞳で彼等を真っ直ぐ見つめた。
強い意志の籠もった眼差しにストラトスはそれで良いと言うかのように一つだけ頷き、セイは安心したと言うかのように微笑んだ。
きっとこうして三人が同じ場所で出会う事は二度と無い。
コレが最初で最後だ。
そう思いながら三人は互いの気持ちを、伝えるべき思いを、言いあう。
時間を忘れるほどの語らいの中、少しずつ互いの意識が混じり合っていくのを感じていた。
これが一つになる事だ。
少しだけ怖いと思う反面、共に生きられる仲間が居る事を歓迎するかのように意識をそっと手放した。
目を覚ましたとき、それはきっとティスランドでありセイで、セイでありストラトスで、ストラトスでありティスランドとなる。
私は、俺は、一つになるのだ。
新たな命の誕生を祝福するかのように青と赤の光が当たりに満ちた事を三人は知らない。