5章:遠出と取引と少しばかりの罪悪感
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ジャズとストラトスが黙っていたのはほんの数分のことであったが、当事者達にとっても傍観者であるサイドスワイプにとってもソレは永遠のように思えた時間だった。
互いに一歩も引くことを二人はしない。
まるで戦場に居るかのような緊迫した雰囲気に対し、最初に根負けをしたのはサイドスワイプだった。
限界を迎えたと言うかのようにキリキリと自身のスパークが軋むような音が聞こえた気がしたサイドスワイプは、自身のためにも自分が突破口となるべきだと意を決して発言しようとしたときだ。
「『やっぱお前最悪だな』」
ククッと低い笑い声が車内に響く。
声の主はストラトスだ。
どういう意味だと言うかのようにジャズは視線を向け続きを促す。
「『解ってはいたんだよ。お前相手にアイツ等が勝てるわけねぇことくらい。悪意を向けられなれていないセイじゃテメェに良いように丸め込まれて終わることくらい。・・・対抗できるのは俺くらいだってな』」
「ならさっさと出てきたら良かったんじゃないか?」
「『そうしたら俺はセイの事を無駄に傷つけずに済んだのに?お前のせいで俺は嫌な役をやっちまったじゃねぇか?・・・ってか?』」
心を読んだかのような発言にジャズは大きく目を開いた時だ。
動揺を瞬時に見抜いたストラトスはニタリ、と悪意のある笑みを浮かべる。その笑みを見た瞬間、ジャズは一瞬だけ自分のスパークが得体の知れない何かにスパークを握られた気がした。
そんなわけなどない、そう必死に自分に言い聞かせながらソレを顔に出すことはしないまま平静を装って言葉を口にする。
「ティスランドの中から出ていけ」
「『あぁ・・・やっと俺の質問に答えてくれるのか。それにしてもやっぱりソレか。ボッツ共の考えそうな事なんざ解っていたが、案の定くだらねぇなぁ本当に』」
不快感を吐き捨てるかのように言い放った直後ストラトスは声を上げて笑う。
ケラケラと笑う声に混じるのは嘲笑だ。
ジャズの葛藤も、オプティマスの憂いも、ラチェットの企みも、全てを見抜いた上でその誘いにあえて乗り、そしてジャズの動揺を見て嘲笑うストラトスの笑い声を聞いていると背筋に嫌なモノが伝うのをジャズは感じ取っていた。
ある意味でメガトロンよりも厄介な相手だ。
オートボットの中でこういった心理戦を最も得意としているのは自分である事をジャズは理解している。その自分が勝ちを望めないと感じ始めている以上、オートボットの中でこのストラトスに勝てる相手はいないこととなる。
「・・・最悪なのはアンタだろ」
「『自覚してるさ。元上司も俺のことを良くそう言っていた』」
「お前の上司はお前以上に性格が悪そうだな。サウンドウェーブあたりか?」
「『残念ながらその推理は違うな。まぁ、あの情報参謀殿から直々にスカウトを受けたこともあったが・・・』」
スタースクリームとはあまり良好とは言えない関係にあったサウンドウェーブだったが、彼はストラトスの事を評価してくれていた。
隙あらば自分の傘下に加えるために声を掛けてきたのだ。
その度にどこからか現れたスタースクリームがそれを阻み、そして残念そうに身を引くというのが軍事会議の恒例行事の一つとなりつつあった。
懐かしい名を聞いたからか、ストラトスの意識は少しだけかつての自分へと戻る。
『お前は本当に最悪だな。まぁディセプティコンらしいと言えばそれまでだが』
えげつない作戦を提案し、そしてソレを迷うこと無く実行しようとした自分に対し、スタースクリームは呆れたような顔をしたものの一度たりとも却下したことは無い。
それを思いだしたストラトスは、懐かしいと思った自分に対して腹立たしいと言うかのようにチッと舌打ちをする。
互いに一歩も引くことを二人はしない。
まるで戦場に居るかのような緊迫した雰囲気に対し、最初に根負けをしたのはサイドスワイプだった。
限界を迎えたと言うかのようにキリキリと自身のスパークが軋むような音が聞こえた気がしたサイドスワイプは、自身のためにも自分が突破口となるべきだと意を決して発言しようとしたときだ。
「『やっぱお前最悪だな』」
ククッと低い笑い声が車内に響く。
声の主はストラトスだ。
どういう意味だと言うかのようにジャズは視線を向け続きを促す。
「『解ってはいたんだよ。お前相手にアイツ等が勝てるわけねぇことくらい。悪意を向けられなれていないセイじゃテメェに良いように丸め込まれて終わることくらい。・・・対抗できるのは俺くらいだってな』」
「ならさっさと出てきたら良かったんじゃないか?」
「『そうしたら俺はセイの事を無駄に傷つけずに済んだのに?お前のせいで俺は嫌な役をやっちまったじゃねぇか?・・・ってか?』」
心を読んだかのような発言にジャズは大きく目を開いた時だ。
動揺を瞬時に見抜いたストラトスはニタリ、と悪意のある笑みを浮かべる。その笑みを見た瞬間、ジャズは一瞬だけ自分のスパークが得体の知れない何かにスパークを握られた気がした。
そんなわけなどない、そう必死に自分に言い聞かせながらソレを顔に出すことはしないまま平静を装って言葉を口にする。
「ティスランドの中から出ていけ」
「『あぁ・・・やっと俺の質問に答えてくれるのか。それにしてもやっぱりソレか。ボッツ共の考えそうな事なんざ解っていたが、案の定くだらねぇなぁ本当に』」
不快感を吐き捨てるかのように言い放った直後ストラトスは声を上げて笑う。
ケラケラと笑う声に混じるのは嘲笑だ。
ジャズの葛藤も、オプティマスの憂いも、ラチェットの企みも、全てを見抜いた上でその誘いにあえて乗り、そしてジャズの動揺を見て嘲笑うストラトスの笑い声を聞いていると背筋に嫌なモノが伝うのをジャズは感じ取っていた。
ある意味でメガトロンよりも厄介な相手だ。
オートボットの中でこういった心理戦を最も得意としているのは自分である事をジャズは理解している。その自分が勝ちを望めないと感じ始めている以上、オートボットの中でこのストラトスに勝てる相手はいないこととなる。
「・・・最悪なのはアンタだろ」
「『自覚してるさ。元上司も俺のことを良くそう言っていた』」
「お前の上司はお前以上に性格が悪そうだな。サウンドウェーブあたりか?」
「『残念ながらその推理は違うな。まぁ、あの情報参謀殿から直々にスカウトを受けたこともあったが・・・』」
スタースクリームとはあまり良好とは言えない関係にあったサウンドウェーブだったが、彼はストラトスの事を評価してくれていた。
隙あらば自分の傘下に加えるために声を掛けてきたのだ。
その度にどこからか現れたスタースクリームがそれを阻み、そして残念そうに身を引くというのが軍事会議の恒例行事の一つとなりつつあった。
懐かしい名を聞いたからか、ストラトスの意識は少しだけかつての自分へと戻る。
『お前は本当に最悪だな。まぁディセプティコンらしいと言えばそれまでだが』
えげつない作戦を提案し、そしてソレを迷うこと無く実行しようとした自分に対し、スタースクリームは呆れたような顔をしたものの一度たりとも却下したことは無い。
それを思いだしたストラトスは、懐かしいと思った自分に対して腹立たしいと言うかのようにチッと舌打ちをする。