3章:協力と暴露と失恋
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宇宙博物館に格納されていたシーカーはディセプティコンであった。
誰もが戦いを避けられないと思っていたが、ジェットファイアはサム達と戦うつもりはなく、むしろディセプティコンからオートボットに鞍替えをすると宣言をしたのだ。
『そんな簡単に鞍替えなんてできるのかよ?』
『さぁ?』
納得できないと言うかのようにホィーリーが不満を口にする。
その言葉にティスランドは複雑な顔をしながら少しばかり投げやりな返答をすることしか出来ない。
かつてはディセプティコンだった事、そして人間に生まれ変わり、今の生をオートボットとして生きている身としては中々複雑な心境になる。
「・・・志一つ、か」
ならば”俺”の”私”の志とは一体どこにあるのだろうか?とティスランドは思いながらジェットファイアを見上げていた時、クイッと袖を引かれたため視線を下ろせばそこにはホィーリーがいた。
片方しかない目をカシャカシャとせわしなく動かしているホィーリーの様子から、彼が言いたい事を、後押しをして欲しいのだと理解したティスランドはそっと視線を逸らす。
「良いんじゃないのか」
『え?』
「大先輩が気分次第で簡単に鞍替えをするって言っているんだ。お前一人くらいが鞍替えをすると言っても咎められないと思うぞ?」
らしくないなと思いながらティスランドが告げた言葉にホィーリーが嬉しそうな雰囲気になる。
ホィーリーは嬉々としてミカエラに近づくと彼女に今後は従うと告げ、足下にじゃれつくその姿を見つめながらティスランドは口元に笑みを浮かべた。
元はディセプティコン、次に人間、そして今がオートボットという複雑な変化をしてきた自分が言って良いべきなのかわからないが、それでも、自分が居たいと思う場所に居るべきなのだとティスランドは思う。
ティスランドはこのままオートボットとして生きようと決めているが、自分の中に居る彼はどうなのだろうかと考える。もしも、スタースクリームを倒すという本懐を遂げた後、彼はディセプティコンに戻りたいと思うのだろうかと考えていた時だった。
『お前は変わっているな・・・妙な気配がする』
突然、ジェットファイアから声を掛けられたティスランドは驚いたように目を開いて彼を見上げた。
ジッと観察するかのような赤い眼差しをティスランドは見つめる事しかしない。
『下らんことを言ったな』
「・・・解るのか?」
周りの関心がジェットファイアから離れていることを確認したティスランドは声を潜めながら問いかける。
可能ならば通信で行いたい会話なのだが、下手に通信システムを使って敵に感づかれては自分達のしていることは無意味になると思い口答での会話を選ぶ。
『永く生きていると解る事もある。お前の中に居るのは三人だな・・・一つはディセプティコン、一つは虫けら、そして最後がオートボット。奇妙な同居をしているな』
そこまで解っているのかと思いながらティスランドはそっと自分の心臓がある位置に手を添える。
かつては脈打つ物があったはずだが、今そこにあるのはスパークと呼ばれるモノで、その中に三人もの存在が入り交じり存在しているのだと思うと何とも奇妙な気持になる。
『それしてもお前は何故そんな虫けらの姿をしている?本来は違う姿だろう?』
「私は3つの形にトランスフォームすることができる。一つはこの姿、もう一つはビークル、そして戦闘機にな。人の姿になっているのは任務中だからだ・・・」
『ふむ。仮説でしかないがお前の中に3つの存在があるからこそ出来る芸当だな。覚えておけ、若い同胞よ。どれか一つでも欠ければお前はその力を一つ失うだろう』
ラチェットでも解らなかったことを指摘してきただけではなく、後のことまで教えてくれたジェットファイアに対しティスランドは驚いた顔を向けていたが、言われた言葉の意味を頭が理解したのと同時にギュッと拳を握りしめる。
誰とも別れたくはない、自分という存在は残り二人が居るからこそ存在しているのだから。
そう思っているのにそれをティスランドには口にすることが出来なかった。
誰もが戦いを避けられないと思っていたが、ジェットファイアはサム達と戦うつもりはなく、むしろディセプティコンからオートボットに鞍替えをすると宣言をしたのだ。
『そんな簡単に鞍替えなんてできるのかよ?』
『さぁ?』
納得できないと言うかのようにホィーリーが不満を口にする。
その言葉にティスランドは複雑な顔をしながら少しばかり投げやりな返答をすることしか出来ない。
かつてはディセプティコンだった事、そして人間に生まれ変わり、今の生をオートボットとして生きている身としては中々複雑な心境になる。
「・・・志一つ、か」
ならば”俺”の”私”の志とは一体どこにあるのだろうか?とティスランドは思いながらジェットファイアを見上げていた時、クイッと袖を引かれたため視線を下ろせばそこにはホィーリーがいた。
片方しかない目をカシャカシャとせわしなく動かしているホィーリーの様子から、彼が言いたい事を、後押しをして欲しいのだと理解したティスランドはそっと視線を逸らす。
「良いんじゃないのか」
『え?』
「大先輩が気分次第で簡単に鞍替えをするって言っているんだ。お前一人くらいが鞍替えをすると言っても咎められないと思うぞ?」
らしくないなと思いながらティスランドが告げた言葉にホィーリーが嬉しそうな雰囲気になる。
ホィーリーは嬉々としてミカエラに近づくと彼女に今後は従うと告げ、足下にじゃれつくその姿を見つめながらティスランドは口元に笑みを浮かべた。
元はディセプティコン、次に人間、そして今がオートボットという複雑な変化をしてきた自分が言って良いべきなのかわからないが、それでも、自分が居たいと思う場所に居るべきなのだとティスランドは思う。
ティスランドはこのままオートボットとして生きようと決めているが、自分の中に居る彼はどうなのだろうかと考える。もしも、スタースクリームを倒すという本懐を遂げた後、彼はディセプティコンに戻りたいと思うのだろうかと考えていた時だった。
『お前は変わっているな・・・妙な気配がする』
突然、ジェットファイアから声を掛けられたティスランドは驚いたように目を開いて彼を見上げた。
ジッと観察するかのような赤い眼差しをティスランドは見つめる事しかしない。
『下らんことを言ったな』
「・・・解るのか?」
周りの関心がジェットファイアから離れていることを確認したティスランドは声を潜めながら問いかける。
可能ならば通信で行いたい会話なのだが、下手に通信システムを使って敵に感づかれては自分達のしていることは無意味になると思い口答での会話を選ぶ。
『永く生きていると解る事もある。お前の中に居るのは三人だな・・・一つはディセプティコン、一つは虫けら、そして最後がオートボット。奇妙な同居をしているな』
そこまで解っているのかと思いながらティスランドはそっと自分の心臓がある位置に手を添える。
かつては脈打つ物があったはずだが、今そこにあるのはスパークと呼ばれるモノで、その中に三人もの存在が入り交じり存在しているのだと思うと何とも奇妙な気持になる。
『それしてもお前は何故そんな虫けらの姿をしている?本来は違う姿だろう?』
「私は3つの形にトランスフォームすることができる。一つはこの姿、もう一つはビークル、そして戦闘機にな。人の姿になっているのは任務中だからだ・・・」
『ふむ。仮説でしかないがお前の中に3つの存在があるからこそ出来る芸当だな。覚えておけ、若い同胞よ。どれか一つでも欠ければお前はその力を一つ失うだろう』
ラチェットでも解らなかったことを指摘してきただけではなく、後のことまで教えてくれたジェットファイアに対しティスランドは驚いた顔を向けていたが、言われた言葉の意味を頭が理解したのと同時にギュッと拳を握りしめる。
誰とも別れたくはない、自分という存在は残り二人が居るからこそ存在しているのだから。
そう思っているのにそれをティスランドには口にすることが出来なかった。