11章:彼女と戦える者と終幕
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人間であるセイが受け入れられる可能性は高い。
事実、彼女は人に対して害を及ぼすようなことはしなかった。
けれどストラトスは違う。
彼は絶対的な力によって他者を蹂躙することにためらいを抱かない。ソレは間違いなくオートボットにとって受け入れられないものだ。
そういったことからティスランドは先ほど告げた言葉が許されるのか解らない。
『(最悪の場合は逃げることも想定した方が良いかもしれない)』
少々物騒な方向に考えが向かおうとしたティスランドに対し、ストラトスは『将校殿ならなんとかするだろうから落ち着け』と嗜め、セイは『逃避行もありですね。なんか色々面倒くさそうですし?』とやんわりと同意していた。
各々の性格にティスランドは口元に笑みを浮かべたときだ。
『お前がお前をティスランドだと言うのであれば俺は信じる』
告げられた言葉に全員が驚いたようにジャズを見つめると、そこにはいつものように少しばかり軽薄な笑みを浮かべているジャズの姿があった。
その笑みを見て理解した。
ジャズは最初から3人の事を受け入れるつもりだったのだと。
ただ彼は確かめたかったのだ。
ティスランドの覚悟を。
『人が悪いですよ、将校殿』
『悪かった……俺としては問題ないと解っていたんだが、部下の事に関して少々心配性な奴がいてな。そいつを安心させるためには必要な事だったんだよ』
その言葉から恐らくジャズにソレを命じたのはオプティマスだとティスランドは理解する。
彼はストラトスもセイも危害を及ぼす事はないと解っていた。けれど、確実な言質を取るためにあえてジャズに命じたのだ。
内側から自分たちが食い荒らされることがないことを確認したかった。
『そうですか』
当たり前の事だとティスランドが納得する反面、スパークの中では『だからプライムは嫌いなんだよ』とぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
『ティスランド』
改まった声で名前を呼ばれたティスランドがジャズを見ると真剣な面立ちをしたジャズの姿があった。
『お前が望むのならばラチェットに頼んで対処することも出来る』
『対処?』
『……疑似体を用意し、ソレに2人を移す事もできる可能性が高い』
今回のセンチネルが起こした騒動にていくつか貴重なデータも入手できた。
その中の一つに人格の移行に関する研究データがあり、ソレを見たジャズとラチェットの脳裏に浮かんだのはティスランドの事だ。
ティスランドが3つの人格、魂を用いて存在している事は知っている。けれどティスランドが動く事に関して支障がでないようにしつつ、ティスランド以外の人格を他の存在に移す事が可能だと二体は考えた。
『少しばかり時間が必要だが』
『不要です』
迷うことなくティスランドは答える。
ジャズが言いたいことは解っているが、ソレをティスランドは受け入れるつもりはない。
きっぱりと言葉を返すとジャズは一瞬だけ驚いたように言葉を失っていたが、すぐに苦笑を浮かべると告げた。
『そうだな。お前には2人が必要だよな』
『はい。私は今後も彼等と共に生きます』
特殊な状態であるが故にきっと迷うこともあるだろうし、時には人から指を指されることもあるだろう。
それでもティスランドは選んだ。
『これが私の生き方です』
そう告げたティスランドは辺りを見渡す。
荒廃した都市。
これを再び蘇らせるのは難しいことくらい解っていた。
それでもやらなければならない。
時には人からの悪意を向けられることもあるだろう。
けれとそれと同じくらい善意が与えられることもあるだろう。
『時には心が折れるときもあるでしょう……でも、私は1人ではありませんから』
伝わってくる不器用な優しさと、控えめな労い。
彼等と一緒ならばきっと大丈夫。
『きっと越えていけます』
未来なんてモノは何一つとして決まってはいない。
けれどだからこそ可能性が多数あり、そして選んだ答えによって答えは幾重にもあるのだから。
事実、彼女は人に対して害を及ぼすようなことはしなかった。
けれどストラトスは違う。
彼は絶対的な力によって他者を蹂躙することにためらいを抱かない。ソレは間違いなくオートボットにとって受け入れられないものだ。
そういったことからティスランドは先ほど告げた言葉が許されるのか解らない。
『(最悪の場合は逃げることも想定した方が良いかもしれない)』
少々物騒な方向に考えが向かおうとしたティスランドに対し、ストラトスは『将校殿ならなんとかするだろうから落ち着け』と嗜め、セイは『逃避行もありですね。なんか色々面倒くさそうですし?』とやんわりと同意していた。
各々の性格にティスランドは口元に笑みを浮かべたときだ。
『お前がお前をティスランドだと言うのであれば俺は信じる』
告げられた言葉に全員が驚いたようにジャズを見つめると、そこにはいつものように少しばかり軽薄な笑みを浮かべているジャズの姿があった。
その笑みを見て理解した。
ジャズは最初から3人の事を受け入れるつもりだったのだと。
ただ彼は確かめたかったのだ。
ティスランドの覚悟を。
『人が悪いですよ、将校殿』
『悪かった……俺としては問題ないと解っていたんだが、部下の事に関して少々心配性な奴がいてな。そいつを安心させるためには必要な事だったんだよ』
その言葉から恐らくジャズにソレを命じたのはオプティマスだとティスランドは理解する。
彼はストラトスもセイも危害を及ぼす事はないと解っていた。けれど、確実な言質を取るためにあえてジャズに命じたのだ。
内側から自分たちが食い荒らされることがないことを確認したかった。
『そうですか』
当たり前の事だとティスランドが納得する反面、スパークの中では『だからプライムは嫌いなんだよ』とぶっきらぼうな声が聞こえてきた。
『ティスランド』
改まった声で名前を呼ばれたティスランドがジャズを見ると真剣な面立ちをしたジャズの姿があった。
『お前が望むのならばラチェットに頼んで対処することも出来る』
『対処?』
『……疑似体を用意し、ソレに2人を移す事もできる可能性が高い』
今回のセンチネルが起こした騒動にていくつか貴重なデータも入手できた。
その中の一つに人格の移行に関する研究データがあり、ソレを見たジャズとラチェットの脳裏に浮かんだのはティスランドの事だ。
ティスランドが3つの人格、魂を用いて存在している事は知っている。けれどティスランドが動く事に関して支障がでないようにしつつ、ティスランド以外の人格を他の存在に移す事が可能だと二体は考えた。
『少しばかり時間が必要だが』
『不要です』
迷うことなくティスランドは答える。
ジャズが言いたいことは解っているが、ソレをティスランドは受け入れるつもりはない。
きっぱりと言葉を返すとジャズは一瞬だけ驚いたように言葉を失っていたが、すぐに苦笑を浮かべると告げた。
『そうだな。お前には2人が必要だよな』
『はい。私は今後も彼等と共に生きます』
特殊な状態であるが故にきっと迷うこともあるだろうし、時には人から指を指されることもあるだろう。
それでもティスランドは選んだ。
『これが私の生き方です』
そう告げたティスランドは辺りを見渡す。
荒廃した都市。
これを再び蘇らせるのは難しいことくらい解っていた。
それでもやらなければならない。
時には人からの悪意を向けられることもあるだろう。
けれとそれと同じくらい善意が与えられることもあるだろう。
『時には心が折れるときもあるでしょう……でも、私は1人ではありませんから』
伝わってくる不器用な優しさと、控えめな労い。
彼等と一緒ならばきっと大丈夫。
『きっと越えていけます』
未来なんてモノは何一つとして決まってはいない。
けれどだからこそ可能性が多数あり、そして選んだ答えによって答えは幾重にもあるのだから。
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