11章:彼女と戦える者と終幕
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辺りに金属の焦げるような臭いが広がる中、勢い良く地面に倒れたキューのカメラアイから光が消えていく。
命が失われた瞬間に息を呑むことしかできない中、新しい獲物が人質の名から引きずり出される。
それはサムの相棒であるバンブルビーであった。
後頭部で手を組みながら引きずり出されたバンブルビーは抗議するかのようなブービー音を鳴らしながら歩く。
すでに事切れたキューの横に跪いたバンブルビーは車の影に隠れているサムとカーリー、そしてセイの姿に気づくと青い目を大きく見開いた。
「ウィトウィッキーさん!!助けないと」
このままではバンブルビーも殺されてしまう。
そう思いながらセイはサムに話しかけると、サムは無言のまま首を左右に振った。
「どうやって?」
絶望した人間の声が狭い車内に響く。
その声は決して大きくはないのに、やけに大きく聞こえた。
「頼みの武器は壊れてる」
自嘲の笑みを浮かべながらサムは自身の腕に装着してある機械を全員に見せつけるかのようにかざす。
「拳銃だって彼等の前が無意味だ。あぁ……いっその事、その辺の石でも投げつけてみる?意味ないけどね」
大小様々なコンクリートの破片を指さしながらサムは笑う。
けれどその目には今にも溢れそうなほど涙がたまっている。
「それでも何か私たちにだって出来ることが」
「ないよ!!!」
強い声でサムはセイの言葉を否定した瞬間、彼の目から涙が次々とあふれ出す。
土と油で汚れた頬を幾重にも涙が伝い落ちていくのをセイは黙って見つめることしか出来ない。
「君が、希望だったんだ」
震える声でサムは告げる。
「ティスランドかストラトスだったら、どうにかしてくれた……でも!!」
涙で濡れたサムの目がセイを射貫く。
全てを言わなくともサムが何を訴えているのかセイには解っていた。
誰かに必要とされているのはいつだって二体だ。
自分ではない。
解っていたからセイは表に出てくることはしなかった。
ソレが最善だったから。
「そうですね。彼等ならこの危機的状況を覆すことの出来る起死回生の一手があったかもしれません……私みたいに何も出来ない機械人間もどきじゃなければ、バンブルビーを助けられる策があったかもしれません」
どこか悲しげに目を伏せながらセイが告げた瞬間、サムは自分が言ってはいけない言葉を口にしたことを理解し、顔から血の気を引かせて自身の口元を覆う。
「私は彼等みたいな事はできない」
静かに目を伏せたセイはゆっくりと深呼吸をする。
目を開いたセイはサムに向かい微笑みかけながら告げた。
「それでも……こんな私にだって出来ることはあるんですよ」
返す言葉を見つけられないサムに向かいセイは任せてくれ、と言うかのように微笑むとカーリーへと視線を向けた。
「上手くいくかは解りません。だからお二人は隙を見てここから逃げて下さい」
「……貴方、なにをするつもり?」
「交渉と時間稼ぎ、ですかね?」
勝ちの望めない交渉ではあるが、多少の時間稼ぎくらいは出来るはず。
その間にどちらかが来てくれれば助かる。
そう思いながらセイは告げると車から車外へと飛び出した。
命が失われた瞬間に息を呑むことしかできない中、新しい獲物が人質の名から引きずり出される。
それはサムの相棒であるバンブルビーであった。
後頭部で手を組みながら引きずり出されたバンブルビーは抗議するかのようなブービー音を鳴らしながら歩く。
すでに事切れたキューの横に跪いたバンブルビーは車の影に隠れているサムとカーリー、そしてセイの姿に気づくと青い目を大きく見開いた。
「ウィトウィッキーさん!!助けないと」
このままではバンブルビーも殺されてしまう。
そう思いながらセイはサムに話しかけると、サムは無言のまま首を左右に振った。
「どうやって?」
絶望した人間の声が狭い車内に響く。
その声は決して大きくはないのに、やけに大きく聞こえた。
「頼みの武器は壊れてる」
自嘲の笑みを浮かべながらサムは自身の腕に装着してある機械を全員に見せつけるかのようにかざす。
「拳銃だって彼等の前が無意味だ。あぁ……いっその事、その辺の石でも投げつけてみる?意味ないけどね」
大小様々なコンクリートの破片を指さしながらサムは笑う。
けれどその目には今にも溢れそうなほど涙がたまっている。
「それでも何か私たちにだって出来ることが」
「ないよ!!!」
強い声でサムはセイの言葉を否定した瞬間、彼の目から涙が次々とあふれ出す。
土と油で汚れた頬を幾重にも涙が伝い落ちていくのをセイは黙って見つめることしか出来ない。
「君が、希望だったんだ」
震える声でサムは告げる。
「ティスランドかストラトスだったら、どうにかしてくれた……でも!!」
涙で濡れたサムの目がセイを射貫く。
全てを言わなくともサムが何を訴えているのかセイには解っていた。
誰かに必要とされているのはいつだって二体だ。
自分ではない。
解っていたからセイは表に出てくることはしなかった。
ソレが最善だったから。
「そうですね。彼等ならこの危機的状況を覆すことの出来る起死回生の一手があったかもしれません……私みたいに何も出来ない機械人間もどきじゃなければ、バンブルビーを助けられる策があったかもしれません」
どこか悲しげに目を伏せながらセイが告げた瞬間、サムは自分が言ってはいけない言葉を口にしたことを理解し、顔から血の気を引かせて自身の口元を覆う。
「私は彼等みたいな事はできない」
静かに目を伏せたセイはゆっくりと深呼吸をする。
目を開いたセイはサムに向かい微笑みかけながら告げた。
「それでも……こんな私にだって出来ることはあるんですよ」
返す言葉を見つけられないサムに向かいセイは任せてくれ、と言うかのように微笑むとカーリーへと視線を向けた。
「上手くいくかは解りません。だからお二人は隙を見てここから逃げて下さい」
「……貴方、なにをするつもり?」
「交渉と時間稼ぎ、ですかね?」
勝ちの望めない交渉ではあるが、多少の時間稼ぎくらいは出来るはず。
その間にどちらかが来てくれれば助かる。
そう思いながらセイは告げると車から車外へと飛び出した。
