10章:彼女と彼と敵
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サム・ウィトウィッキーに関する知識は彼等が教えてくれた。
個人的な付き合いがないため彼という人間の判断基準が解らないセイにとってそれはありがたい情報だ。
ただ、それ以外にもセイも彼に関して少しばかり知っていることもある。
エジプトにて彼の家族が必死に息子の名を呼んでいて、その声と両親の姿を思い出したセイは彼を家族の元に返したい願った。
その彼が目の前に居て、そして彼の少し離れたところで不安げな面持ちで此方を見つめている女性、を認識したセイはゆっくりと口を動かす。
「ウィトウィッキーさん」
敬称付けで呼ばれたことサムは驚いたように目を開く。
彼の混乱を理解しているセイは抵抗する意思はない、と言うかのように顔の横に両手を上げると話しかけた。
「助けていただいてありがとうございます」
「え……いや、うん。どういたしまして?」
「ウィトウィッキーさんが今知っていることを教えていただいても良いでしょうか?えぇっと……諸事情でありますが何が起こっているのか私は何も解らないから」
戦闘に関しては素人でしかないセイであるが、知り得た情報は彼等と共有される。だからこそここで有意義な情報を入手しておかなければならない。
何も解らない者なりに成さねばならないことがあるのだ。
そう思いながらセイが問うと、サムは目の前にいる存在の反応が信じられず、混乱した顔をしていたが救いを求めるかのように背後に居る女性カーリーへと視線を向ける。セイに敵意はない、そう判断したカーリーはサムの側に立つとセイに問う。
「ねぇ……貴方の名前を聞いても良い?」
自分の知っているティスランドと同じ容姿をしているのに異なる言動をする、容姿は似ていても危害を加えてきたティスランドの姿を思い出しながらカーリーは問う。
「セイ」
聞いたことない名前が告げられたことにサムとカーリーは驚愕したまま少しの間、立ち尽くしていたが無言のままサムに近づくとなにやら2人でヒソヒソと会話を始める。
それを盗聴することは可能だったがセイはソレを選ばない。
数分ほどそうしていたサムとカーリーは結論が出たらしく、改まった顔をしたサムがわざとらしく咳を一つすると少しばかり引きつった顔と声で提案をした。
「えぇっと、セイ。君は僕らと一緒に行動して欲しいんだけど良いかな?」
「解りました」
サムの知るティスランドならば、そうしなければならい理由を説明しなければ納得しないだろう。という思い込みがあった。
赤い瞳をしている時はそもそも話すらできない。
それ故に多少の疑問と抵抗があると想定していたのだが、思いの外すんなりと要求が受け入れられた事にサムは驚く。
けれど問題がなかったのだから良かった思い直すとホッとしたように胸をなで下ろす。
頭上を飛び交う敵の船から逃れるかのように身を隠しながら進みつつもサムは自分たちが置かれている状況を教えてくれた。
「つまり此方は劣勢ということですか?」
不安そうに瞳を揺らめかせながらセイが問う言葉にサムは否定しようとしたが、それは無意味なことだと判断すると悔しげに顔を歪めて黙り込む。
その姿を見たセイは申し訳ない気持ちになる。
自身の中に居るストラトスが『完全に負け戦だな。人間は家畜コースまっしぐらだ』と言った瞬間、自分の中でガシャンッという金属がこすれる音がした。
「それでも僕らは僕らの成すべき事をしなきゃ……このままディセプティコンの奴隷なんてごめんだよ。あいつ等は絶対に僕らのことを消耗品としてしか思っていないから」
的確なサムの発言にセイが頷いたときだった。
ぞわり、と背筋に嫌なモノが伝い落ちていく感覚がしたのと同時にセイは2人をすぐ近くにあったスクールバスの中に押し込む。
「早く隠れてッ……攻撃がくる!!!」
鬼気迫るセイの声に条件反射で従ったサムとカーリーがバスの中に身を滑り込ませるのを見たセイが安堵の笑みを浮かべた直後、頭上から幾重にも放たれた銃弾がセイの体を貫いた。
個人的な付き合いがないため彼という人間の判断基準が解らないセイにとってそれはありがたい情報だ。
ただ、それ以外にもセイも彼に関して少しばかり知っていることもある。
エジプトにて彼の家族が必死に息子の名を呼んでいて、その声と両親の姿を思い出したセイは彼を家族の元に返したい願った。
その彼が目の前に居て、そして彼の少し離れたところで不安げな面持ちで此方を見つめている女性、を認識したセイはゆっくりと口を動かす。
「ウィトウィッキーさん」
敬称付けで呼ばれたことサムは驚いたように目を開く。
彼の混乱を理解しているセイは抵抗する意思はない、と言うかのように顔の横に両手を上げると話しかけた。
「助けていただいてありがとうございます」
「え……いや、うん。どういたしまして?」
「ウィトウィッキーさんが今知っていることを教えていただいても良いでしょうか?えぇっと……諸事情でありますが何が起こっているのか私は何も解らないから」
戦闘に関しては素人でしかないセイであるが、知り得た情報は彼等と共有される。だからこそここで有意義な情報を入手しておかなければならない。
何も解らない者なりに成さねばならないことがあるのだ。
そう思いながらセイが問うと、サムは目の前にいる存在の反応が信じられず、混乱した顔をしていたが救いを求めるかのように背後に居る女性カーリーへと視線を向ける。セイに敵意はない、そう判断したカーリーはサムの側に立つとセイに問う。
「ねぇ……貴方の名前を聞いても良い?」
自分の知っているティスランドと同じ容姿をしているのに異なる言動をする、容姿は似ていても危害を加えてきたティスランドの姿を思い出しながらカーリーは問う。
「セイ」
聞いたことない名前が告げられたことにサムとカーリーは驚愕したまま少しの間、立ち尽くしていたが無言のままサムに近づくとなにやら2人でヒソヒソと会話を始める。
それを盗聴することは可能だったがセイはソレを選ばない。
数分ほどそうしていたサムとカーリーは結論が出たらしく、改まった顔をしたサムがわざとらしく咳を一つすると少しばかり引きつった顔と声で提案をした。
「えぇっと、セイ。君は僕らと一緒に行動して欲しいんだけど良いかな?」
「解りました」
サムの知るティスランドならば、そうしなければならい理由を説明しなければ納得しないだろう。という思い込みがあった。
赤い瞳をしている時はそもそも話すらできない。
それ故に多少の疑問と抵抗があると想定していたのだが、思いの外すんなりと要求が受け入れられた事にサムは驚く。
けれど問題がなかったのだから良かった思い直すとホッとしたように胸をなで下ろす。
頭上を飛び交う敵の船から逃れるかのように身を隠しながら進みつつもサムは自分たちが置かれている状況を教えてくれた。
「つまり此方は劣勢ということですか?」
不安そうに瞳を揺らめかせながらセイが問う言葉にサムは否定しようとしたが、それは無意味なことだと判断すると悔しげに顔を歪めて黙り込む。
その姿を見たセイは申し訳ない気持ちになる。
自身の中に居るストラトスが『完全に負け戦だな。人間は家畜コースまっしぐらだ』と言った瞬間、自分の中でガシャンッという金属がこすれる音がした。
「それでも僕らは僕らの成すべき事をしなきゃ……このままディセプティコンの奴隷なんてごめんだよ。あいつ等は絶対に僕らのことを消耗品としてしか思っていないから」
的確なサムの発言にセイが頷いたときだった。
ぞわり、と背筋に嫌なモノが伝い落ちていく感覚がしたのと同時にセイは2人をすぐ近くにあったスクールバスの中に押し込む。
「早く隠れてッ……攻撃がくる!!!」
鬼気迫るセイの声に条件反射で従ったサムとカーリーがバスの中に身を滑り込ませるのを見たセイが安堵の笑みを浮かべた直後、頭上から幾重にも放たれた銃弾がセイの体を貫いた。
