10章:彼女と彼と敵
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背後から聞こえてくる爆発音を聞きながらセイは必死に足を動かす。
負傷した足で走ることは難しいが小走りくらいならば行える。
人ならざるものへと成ってしまった自分の変化を今だけは歓迎し、これ幸いと言うかのようにセイは必死に足を動かし続けた。
「あんな威力なんて聞いてない!!」
サウンドウェーブの掌で爆発した手榴弾はセイが思っていた以上の威力だった。
手榴弾を見つけたのは偶然だ。
不意打ちの攻撃を受けて身を隠した場所で偶然見つけたのと同時に使い方をご丁寧に教えてくれた彼等。
相手は人間では無いとは言え、人と同じような形をしており言語も扱うともなれば攻撃することにセイが多少の抵抗を抱いてしまうのは仕方のないことだ。
手榴弾へと手を伸ばしたまま固まっているセイへと説得を続ける彼等であったが、時間には限りあるため直ぐさま作戦を切り替えた。
一般人でしかなく平和ぼけをした思考をしているセイに対してある提案をした。
『敵は言葉巧みにセイを騙し、納得させ、そして……私たちは消される』
『だからアイツが嘘を言ったら投げつけろ。ソレで解決だ』
その提案をセイは受け入れた。
使い方のレクチャーをされ、安全ピンを抜くのと同時に安全レバーを握りしめる。
ストラトス曰く『安全ピンを抜いても安全レバーを押さえておけば爆発はしねぇ。ってことだから絶対に手を離すなよ』と言われた瞬間からセイは手榴弾を両手で握りしめた。
そしてサウンドウェーブが偽りをもってセイを騙そうとした結果。
彼に向かいセイは手榴弾を投げた。
「ねぇ!映画だとボンッ!って感じだったじゃん!?」
必死に足を動かしながら自分の中に居るだろう二機へと問いかけるが彼等は聞こえているはずなのに沈黙を続けている。
「あれはなんていうか……バァンッ!!って感じじゃん!!!」
想像よりも威力があったことに混乱しながらセイは身振り手振りで威力のすさまじさを訴えていると、背後から破壊音が聞こえてきた為、恐る恐る背後へと視線を向けてみると明らかに怒髪天な状態のサウンドウェーブの姿があった。
『小娘。許さんぞ』
他愛ない程度の抵抗ならば甘んじて受け入れたサウンドウェーブだったが、まさかの手榴弾という物騒なモノをセイが投げてくるとは想定していなかった。
警戒すべきはストラトスだけだと思っていたが、彼の予想に反する攻撃をセイがしたことが許せなかった。
深紅の目と視線が合った瞬間、セイは全力で走り出す。
足の痛みも、開いた傷口から出血しても、ソレを無視して必死に道を突き進み続けた。
サウンドウェーブの攻撃から命からが逃げ続けた結果、セイはなんとか彼の追撃から逃れることに成功した。
人気のない路地裏で必死に息を整えていたセイの耳に遠くから聞こえてくる戦闘音が届けられる。
「誰かが」
戦っているのだ。
そう思うのと同時にセイは路地裏から出ると眼前に広がる光景に絶句した。
五感を通して伝わってくる荒廃した景色、血と煙と火薬の臭い、そして誰かの慟哭。
ソレらはセイにとって無縁だった。
「そう無縁だったもの」
今、自分がその場所に居て、そして当事者の1人になっている事を認識した瞬間、全身を恐ろしいモノで覆い尽くされるような感覚がした。
その場に崩れ落ちるのと同時に口元を手で覆う。
こみ上げてくる胃液が自分の身の内を焼く感覚にセイが必死に耐えていたときだ。突然、誰かがセイの腕を掴むのと同時に体がどこかへと引きずられていくことに気づいたセイが抵抗するよりも早く、物陰に引きずり込まれ、体が硬い建物の壁に背中から勢いよく押し当てられた。
「ティスランド!!あんな場所で何しているんだよ!?アレじゃ狙ってくれって言っているようなものじゃないか」
怒りと悲しみをその目に宿しながらそう告げた者、サム・ウィトウィッキーの顔をセイは瞬きをしながら見つめることしかできなかった。
負傷した足で走ることは難しいが小走りくらいならば行える。
人ならざるものへと成ってしまった自分の変化を今だけは歓迎し、これ幸いと言うかのようにセイは必死に足を動かし続けた。
「あんな威力なんて聞いてない!!」
サウンドウェーブの掌で爆発した手榴弾はセイが思っていた以上の威力だった。
手榴弾を見つけたのは偶然だ。
不意打ちの攻撃を受けて身を隠した場所で偶然見つけたのと同時に使い方をご丁寧に教えてくれた彼等。
相手は人間では無いとは言え、人と同じような形をしており言語も扱うともなれば攻撃することにセイが多少の抵抗を抱いてしまうのは仕方のないことだ。
手榴弾へと手を伸ばしたまま固まっているセイへと説得を続ける彼等であったが、時間には限りあるため直ぐさま作戦を切り替えた。
一般人でしかなく平和ぼけをした思考をしているセイに対してある提案をした。
『敵は言葉巧みにセイを騙し、納得させ、そして……私たちは消される』
『だからアイツが嘘を言ったら投げつけろ。ソレで解決だ』
その提案をセイは受け入れた。
使い方のレクチャーをされ、安全ピンを抜くのと同時に安全レバーを握りしめる。
ストラトス曰く『安全ピンを抜いても安全レバーを押さえておけば爆発はしねぇ。ってことだから絶対に手を離すなよ』と言われた瞬間からセイは手榴弾を両手で握りしめた。
そしてサウンドウェーブが偽りをもってセイを騙そうとした結果。
彼に向かいセイは手榴弾を投げた。
「ねぇ!映画だとボンッ!って感じだったじゃん!?」
必死に足を動かしながら自分の中に居るだろう二機へと問いかけるが彼等は聞こえているはずなのに沈黙を続けている。
「あれはなんていうか……バァンッ!!って感じじゃん!!!」
想像よりも威力があったことに混乱しながらセイは身振り手振りで威力のすさまじさを訴えていると、背後から破壊音が聞こえてきた為、恐る恐る背後へと視線を向けてみると明らかに怒髪天な状態のサウンドウェーブの姿があった。
『小娘。許さんぞ』
他愛ない程度の抵抗ならば甘んじて受け入れたサウンドウェーブだったが、まさかの手榴弾という物騒なモノをセイが投げてくるとは想定していなかった。
警戒すべきはストラトスだけだと思っていたが、彼の予想に反する攻撃をセイがしたことが許せなかった。
深紅の目と視線が合った瞬間、セイは全力で走り出す。
足の痛みも、開いた傷口から出血しても、ソレを無視して必死に道を突き進み続けた。
サウンドウェーブの攻撃から命からが逃げ続けた結果、セイはなんとか彼の追撃から逃れることに成功した。
人気のない路地裏で必死に息を整えていたセイの耳に遠くから聞こえてくる戦闘音が届けられる。
「誰かが」
戦っているのだ。
そう思うのと同時にセイは路地裏から出ると眼前に広がる光景に絶句した。
五感を通して伝わってくる荒廃した景色、血と煙と火薬の臭い、そして誰かの慟哭。
ソレらはセイにとって無縁だった。
「そう無縁だったもの」
今、自分がその場所に居て、そして当事者の1人になっている事を認識した瞬間、全身を恐ろしいモノで覆い尽くされるような感覚がした。
その場に崩れ落ちるのと同時に口元を手で覆う。
こみ上げてくる胃液が自分の身の内を焼く感覚にセイが必死に耐えていたときだ。突然、誰かがセイの腕を掴むのと同時に体がどこかへと引きずられていくことに気づいたセイが抵抗するよりも早く、物陰に引きずり込まれ、体が硬い建物の壁に背中から勢いよく押し当てられた。
「ティスランド!!あんな場所で何しているんだよ!?アレじゃ狙ってくれって言っているようなものじゃないか」
怒りと悲しみをその目に宿しながらそう告げた者、サム・ウィトウィッキーの顔をセイは瞬きをしながら見つめることしかできなかった。
