10章:彼女と彼と敵
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肩を落とし俯きながら現れたセイは不安を堪えるためか胸元で両手を握りしめており、その手は恐怖からか小刻みに震えていた。
自分が弱者だと理解してるセイの姿を見てサウンドウェーブの機嫌は少しばかり良くなる。
自らの立ち位置を理解して動く者は嫌いではない。
賢者ではなく愚者でもない哀れな小娘には多少ばかり手心を与えた躾をした後、たっぷりと飴を与えて懐柔してやろう、そう思いながらサウンドウェーブはセイを見つめながら手を伸ばした。
『セイ。此方に来い』
名を呼ばれたセイは震える足を必死に動かしながらサウンドウェーブの元へと向かう。
一歩前に進む度に心臓が口から出るのではないか?というほど大きく脈打つのを感じながらセイは足を動かし続けた。
「(大丈夫)」
縋るように手に力を込めれば掌に硬く冷たい感触が伝わってくる。
自分の手中にあるモノの扱いを間違えれば大怪我を負うことになると解っているため、慎重になりながらセイは動く。
サウンドウェーブの手の前で立ち止まったセイはゆっくりと深呼吸をする。
急に立ち止まったセイの対し、サウンドウェーブは怪訝そうに赤い目を細めた時だ。
「一つだけ約束をして下さい」
『内容によるな』
「……私とティスランドを消さないで欲しいの」
震える声で自分の保身を求めるセイの姿をサウンドウェーブはジッと見下ろす。
刹那の瞬きほど間を置いてからサウンドウェーブは応えた。
『お前達の事は丁重に保護しよう』
耳障りの良い保護という言葉にセイは唇を噛みしめる。
サウンドウェーブは嘘を言ってはいない。
けれどサウンドウェーブの言う保護とは恐らく生かさず殺さずの状態だ。自我を奪われ、ただ、ストラトスを生かす存在として残される。
そんなもの保護などではない。
言葉巧みにセイを納得させようとしているだけだ。
そんなもの受け入れられない。
そう思いながらセイはゆっくりと背筋を伸ばし、顔を上げてサウンドウェーブを見上げた。
自身へと向けられた視線に諂媚も畏怖もないことに気づいたサウンドウェーブの目が警戒するかのように鋭く睥睨する。ソレを見たセイは無意識の内に抱いた恐怖から一歩だけ後ろに下がる。
その姿を見たサウンドウェーブは警戒を解くと優しく話しかけた。
『誤解をさせてしまったようだな。お前達の関係は理解しているからこそ危害を加えるわけがない……さぁ。この手の中に来ると良い。そうすればお前達の安全は保証される』
早く来い。
と急かすかのようなサウンドウェーブの誘いにセイは動くことをせずジッとサウンドウェーブを見つめていたが、意を決したような声で告げる。
「うそつき」
全て解っている、と言うかのような口調でセイは吐き捨てるかのように告げると両手に抱えていたモノをサウンドウェーブの手に向かい投げつけた。
セイを掌握するために意識を向けていたサウンドウェーブは彼女の掌にあったモノへの警戒心は無いに等しかった。
微かな放物線を描きながら近づいてくるソレをサウンドウェーブのカメラアイが捕らえた瞬間、ソレが自身の掌に落ちたのと同時に閃光と爆発が辺りに満ちた。
セイが大事に両手で抱えていたモノ。
それはこの店に保管されていた手榴弾だった。
自分が弱者だと理解してるセイの姿を見てサウンドウェーブの機嫌は少しばかり良くなる。
自らの立ち位置を理解して動く者は嫌いではない。
賢者ではなく愚者でもない哀れな小娘には多少ばかり手心を与えた躾をした後、たっぷりと飴を与えて懐柔してやろう、そう思いながらサウンドウェーブはセイを見つめながら手を伸ばした。
『セイ。此方に来い』
名を呼ばれたセイは震える足を必死に動かしながらサウンドウェーブの元へと向かう。
一歩前に進む度に心臓が口から出るのではないか?というほど大きく脈打つのを感じながらセイは足を動かし続けた。
「(大丈夫)」
縋るように手に力を込めれば掌に硬く冷たい感触が伝わってくる。
自分の手中にあるモノの扱いを間違えれば大怪我を負うことになると解っているため、慎重になりながらセイは動く。
サウンドウェーブの手の前で立ち止まったセイはゆっくりと深呼吸をする。
急に立ち止まったセイの対し、サウンドウェーブは怪訝そうに赤い目を細めた時だ。
「一つだけ約束をして下さい」
『内容によるな』
「……私とティスランドを消さないで欲しいの」
震える声で自分の保身を求めるセイの姿をサウンドウェーブはジッと見下ろす。
刹那の瞬きほど間を置いてからサウンドウェーブは応えた。
『お前達の事は丁重に保護しよう』
耳障りの良い保護という言葉にセイは唇を噛みしめる。
サウンドウェーブは嘘を言ってはいない。
けれどサウンドウェーブの言う保護とは恐らく生かさず殺さずの状態だ。自我を奪われ、ただ、ストラトスを生かす存在として残される。
そんなもの保護などではない。
言葉巧みにセイを納得させようとしているだけだ。
そんなもの受け入れられない。
そう思いながらセイはゆっくりと背筋を伸ばし、顔を上げてサウンドウェーブを見上げた。
自身へと向けられた視線に諂媚も畏怖もないことに気づいたサウンドウェーブの目が警戒するかのように鋭く睥睨する。ソレを見たセイは無意識の内に抱いた恐怖から一歩だけ後ろに下がる。
その姿を見たサウンドウェーブは警戒を解くと優しく話しかけた。
『誤解をさせてしまったようだな。お前達の関係は理解しているからこそ危害を加えるわけがない……さぁ。この手の中に来ると良い。そうすればお前達の安全は保証される』
早く来い。
と急かすかのようなサウンドウェーブの誘いにセイは動くことをせずジッとサウンドウェーブを見つめていたが、意を決したような声で告げる。
「うそつき」
全て解っている、と言うかのような口調でセイは吐き捨てるかのように告げると両手に抱えていたモノをサウンドウェーブの手に向かい投げつけた。
セイを掌握するために意識を向けていたサウンドウェーブは彼女の掌にあったモノへの警戒心は無いに等しかった。
微かな放物線を描きながら近づいてくるソレをサウンドウェーブのカメラアイが捕らえた瞬間、ソレが自身の掌に落ちたのと同時に閃光と爆発が辺りに満ちた。
セイが大事に両手で抱えていたモノ。
それはこの店に保管されていた手榴弾だった。
