10章:彼女と彼と敵
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「データファイル?」
恐る恐る開いたソレはストラトスが作ったモノで、セイが今後どういった行動をとるのが最良なのか書かれていた。
端的に、けれど明確な指示がされているそれを読みながら何度も頷く。
「うん。うん。私、独りじゃない」
目に見えるところには誰も居ない。
けれど見えない場所から自分を助けてくれる者達が居る事にティスランドは笑みを浮かべ、気持ちを落ち着かせるかのように深呼吸をする。
「よし!」
最初にすることは捕虜として囚われているオートボットの救出だ。
救出後、速やかに軍医にメンテナンスをしてもらい、サウンドウェーブによる洗脳を解除してもらわなければティスランドもストラトスも戦えない。
人間であるセイだからこそサウンドウェーブの支配下から逃れることができているのだから。
「急がないと」
セイを支配できないと解ったサウンドウェーブが何をするのか解らない。
殺されることはないだろうがそれに近いことをされる可能性が高い。抗う術を持たないセイは一刻も早くオートボットを救出するか、彼らと合流して保護をしてもらわなければ命のが危険だ。
「でも……どうやって助けたら良いの?」
不安げな声で呟いた瞬間、視界に表示されたのは酷く物騒な武器の一覧だ。
恐らくストラトスが親切心で『コレを使えば簡単だ。すぐ終わる』と教えてくれているのだろうが凶器を持ったことは無く、拳銃とは無縁の生活をしてきたセイには無理な話しだ。
「やらなきゃならない事がたくさんあるけど、最初にすべきことなんて決まってる」
大きく頷いたセイは当然のように告げた。
「武器を手に入れる前に身を守る防具が欲しい」
命を大事に。
ソレはとても大切だ。そう訴えたセイの言葉に数秒ほど置いてからある場所が表示された。
比較的ここから近い場所にあるその店へと向かってセイは行動する。
時折、巨大なロボットが近くを通り過ぎていく度に身を隠し、息を殺して彼らから逃れ続けた。
ようやくたどり着いた店のドアを開き中に入ると鉄と火薬の臭いが微かにしており、ここがそういったモノの扱いに長けている事を証明していた。
物騒な武器を無視してセイは目的のモノがある場所へと向かう。
「えぇっと何が良いの?」
想像していたよりも種類があったことにセイが困惑していると、視界に表示された一つのものに気づく。
それと同じものを手に取ると想像よりもずっしりと重たかった事にティスランドは驚く。
「そう、だよね」
銃弾から身を守るための防具なのだからある程度の強度を保つためには重さは必須だ。
自分の手の中にあるもの、防弾ベストをジッと見つめていたセイは縋るようにソレを抱きしめてから着る。
「これで良いはずだけど」
固定すべき場所は全て固定した事を確認したセイがゆるく息を吐いた直後、凄まじい衝撃と爆音が襲ってきた。
咄嗟に頭を抱えて身をかがめたセイであったが、爆風によって体が店の奥まで吹き飛ばされる。
酷い耳鳴りと激しく揺れる視界、自分の体が激しく痙攣していることだけがセイに認識できた。硬い床の上にどれくらいの間、倒れていたのか解らないが少しずつ症状が消え始めたことに気づいたセイはふらつきながら身を起こす。
『あぁ。やはり人の身は脆弱だな』
聞き覚えのあるエフェクト混じりの声を聞いた瞬間、 セイは自分に攻撃してきた者が誰なのか理解した。
恐る恐る開いたソレはストラトスが作ったモノで、セイが今後どういった行動をとるのが最良なのか書かれていた。
端的に、けれど明確な指示がされているそれを読みながら何度も頷く。
「うん。うん。私、独りじゃない」
目に見えるところには誰も居ない。
けれど見えない場所から自分を助けてくれる者達が居る事にティスランドは笑みを浮かべ、気持ちを落ち着かせるかのように深呼吸をする。
「よし!」
最初にすることは捕虜として囚われているオートボットの救出だ。
救出後、速やかに軍医にメンテナンスをしてもらい、サウンドウェーブによる洗脳を解除してもらわなければティスランドもストラトスも戦えない。
人間であるセイだからこそサウンドウェーブの支配下から逃れることができているのだから。
「急がないと」
セイを支配できないと解ったサウンドウェーブが何をするのか解らない。
殺されることはないだろうがそれに近いことをされる可能性が高い。抗う術を持たないセイは一刻も早くオートボットを救出するか、彼らと合流して保護をしてもらわなければ命のが危険だ。
「でも……どうやって助けたら良いの?」
不安げな声で呟いた瞬間、視界に表示されたのは酷く物騒な武器の一覧だ。
恐らくストラトスが親切心で『コレを使えば簡単だ。すぐ終わる』と教えてくれているのだろうが凶器を持ったことは無く、拳銃とは無縁の生活をしてきたセイには無理な話しだ。
「やらなきゃならない事がたくさんあるけど、最初にすべきことなんて決まってる」
大きく頷いたセイは当然のように告げた。
「武器を手に入れる前に身を守る防具が欲しい」
命を大事に。
ソレはとても大切だ。そう訴えたセイの言葉に数秒ほど置いてからある場所が表示された。
比較的ここから近い場所にあるその店へと向かってセイは行動する。
時折、巨大なロボットが近くを通り過ぎていく度に身を隠し、息を殺して彼らから逃れ続けた。
ようやくたどり着いた店のドアを開き中に入ると鉄と火薬の臭いが微かにしており、ここがそういったモノの扱いに長けている事を証明していた。
物騒な武器を無視してセイは目的のモノがある場所へと向かう。
「えぇっと何が良いの?」
想像していたよりも種類があったことにセイが困惑していると、視界に表示された一つのものに気づく。
それと同じものを手に取ると想像よりもずっしりと重たかった事にティスランドは驚く。
「そう、だよね」
銃弾から身を守るための防具なのだからある程度の強度を保つためには重さは必須だ。
自分の手の中にあるもの、防弾ベストをジッと見つめていたセイは縋るようにソレを抱きしめてから着る。
「これで良いはずだけど」
固定すべき場所は全て固定した事を確認したセイがゆるく息を吐いた直後、凄まじい衝撃と爆音が襲ってきた。
咄嗟に頭を抱えて身をかがめたセイであったが、爆風によって体が店の奥まで吹き飛ばされる。
酷い耳鳴りと激しく揺れる視界、自分の体が激しく痙攣していることだけがセイに認識できた。硬い床の上にどれくらいの間、倒れていたのか解らないが少しずつ症状が消え始めたことに気づいたセイはふらつきながら身を起こす。
『あぁ。やはり人の身は脆弱だな』
聞き覚えのあるエフェクト混じりの声を聞いた瞬間、 セイは自分に攻撃してきた者が誰なのか理解した。
