1章:車と人と戦闘機
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彼らが長い旅を続けていることは知っている。
その輪の中にいくらオートボットだからと言ってティスランドがすぐに加わることはできない。気にせず入ることができる者もいるのだろうが、 ティスランドにはそれをすることは出来なかった。
それは最初のメモリーであるディセプティコンだった時の記憶がそうさせるのだ。
仲間なんて裏切る。
信じれば呆気なく簡単に切捨てられるのだ。
なにより、自分はオートボットに殺されたではないか。
次々に浮かび上がってくる怨嗟の声、今なお消えないストラトスの怒りと憎しみがあるが故に、ティスランドは無意識の内に彼らとの距離をとっていた。
「ずっとここに居るのは退屈だろ?」
『・・・そうでもない』
「意外だな。アイツ等を見ているからか、もしくは車だからか、お前達ってジッとしているのは性に合わないと思っていたんだがなぁ」
『人間に個人差があるように、我々にだって各々の考えがあるだけだ。私は生まれてからそれほど時間が経っていない。・・・今は今後の事を想定して情報を集めておきたい』
慎重な発言であったが、レノックスにはまるでティスランドが何かを恐れているかのような感覚を抱く。
それが生まれたてのオートボットならば誰もが抱くことなのかは、レノックスには判断が出来ず、後でオプティマスとラチェットに報告をしておく必要があると考えていた時だ。
オートボット達が帰還したという報告が基地の中に響く。
その言葉を合図にビーグルモードからトランスフォームしたティスランドは、青いカメラアイでレノックスを見下ろす。
『報告を聞きに行くのだろう?私も同行しても構わないだろうか?』
「あぁ勿論良いさ」
歩き出したレノックスに続く形でティスランドも移動を開始した。
演習場ではオートボット達が揃っており、誰一人として欠けてはいない彼らの姿を見たティスランドは安心したと言うかのように排気を一つするとオプティマスに近づく。
『任務完了お疲れ様でした。無事のご帰還なによりです』
『ティスランド。私の不在中に何か変わったことはなかったか?』
オプティマスの問いにティスランドはどうしたものかとチラリと足下に居るレノックスとエップスへと視線を向ける。
オートボットの司令官が仲間思いな事は誰もが知っていることだ。
その彼の耳に彼の部下を私用の足に使ってましたと報告されれば、彼が人間に対して失望するのは明らかだった。
引きつった顔をした二人の姿、特にエップスの姿を見たティスランドは少しだけ胸がスッとした。
『ティスランド?』
『すみません、少し考え事をしてしました。司令官不在の間、人間達とコミュニケーションを取っていました。ドライブに行ったり、人間社会に触れたりという実に勉強になる経験をさせて頂きました。後ほどテキストにて報告をします』
『そうか。君が何かを学び、そしてそれを糧に出来たのならば何よりだ』
部下が人間と円滑なコミュニケーションを取っていたことがオプティマスは嬉しかったらしく、機嫌の良さそうな声で返答するとその場から去って行く。
それを見てレノックスとエップスはホッと胸をなで下ろす。
「ティスランド。今の俺は機嫌が良い、お前の願いを一つくらいならば叶えてやれそうだ!!」
『本当か!?ならば・・・ひとつ頼みたいことがある』
「俺の権限で叶えられそうなことなら良いぞ」
レノックスがこの基地ではそれなりの権限を持っていることを知っているティスランドは、その申し出に対して心を躍らせる。
『(もしかしたら)』
視線を空へと向ければ澄み渡るような青い空が広がっており、ソレを焦がれるかのように見つめるティスランドの雰囲気は穏やかだ。
そんなティスランドをレノックス達が驚いたように見つめていたがティスランドは彼らに気づくことなく、ただ、空を黙って見つめて続けていた。
その輪の中にいくらオートボットだからと言ってティスランドがすぐに加わることはできない。気にせず入ることができる者もいるのだろうが、 ティスランドにはそれをすることは出来なかった。
それは最初のメモリーであるディセプティコンだった時の記憶がそうさせるのだ。
仲間なんて裏切る。
信じれば呆気なく簡単に切捨てられるのだ。
なにより、自分はオートボットに殺されたではないか。
次々に浮かび上がってくる怨嗟の声、今なお消えないストラトスの怒りと憎しみがあるが故に、ティスランドは無意識の内に彼らとの距離をとっていた。
「ずっとここに居るのは退屈だろ?」
『・・・そうでもない』
「意外だな。アイツ等を見ているからか、もしくは車だからか、お前達ってジッとしているのは性に合わないと思っていたんだがなぁ」
『人間に個人差があるように、我々にだって各々の考えがあるだけだ。私は生まれてからそれほど時間が経っていない。・・・今は今後の事を想定して情報を集めておきたい』
慎重な発言であったが、レノックスにはまるでティスランドが何かを恐れているかのような感覚を抱く。
それが生まれたてのオートボットならば誰もが抱くことなのかは、レノックスには判断が出来ず、後でオプティマスとラチェットに報告をしておく必要があると考えていた時だ。
オートボット達が帰還したという報告が基地の中に響く。
その言葉を合図にビーグルモードからトランスフォームしたティスランドは、青いカメラアイでレノックスを見下ろす。
『報告を聞きに行くのだろう?私も同行しても構わないだろうか?』
「あぁ勿論良いさ」
歩き出したレノックスに続く形でティスランドも移動を開始した。
演習場ではオートボット達が揃っており、誰一人として欠けてはいない彼らの姿を見たティスランドは安心したと言うかのように排気を一つするとオプティマスに近づく。
『任務完了お疲れ様でした。無事のご帰還なによりです』
『ティスランド。私の不在中に何か変わったことはなかったか?』
オプティマスの問いにティスランドはどうしたものかとチラリと足下に居るレノックスとエップスへと視線を向ける。
オートボットの司令官が仲間思いな事は誰もが知っていることだ。
その彼の耳に彼の部下を私用の足に使ってましたと報告されれば、彼が人間に対して失望するのは明らかだった。
引きつった顔をした二人の姿、特にエップスの姿を見たティスランドは少しだけ胸がスッとした。
『ティスランド?』
『すみません、少し考え事をしてしました。司令官不在の間、人間達とコミュニケーションを取っていました。ドライブに行ったり、人間社会に触れたりという実に勉強になる経験をさせて頂きました。後ほどテキストにて報告をします』
『そうか。君が何かを学び、そしてそれを糧に出来たのならば何よりだ』
部下が人間と円滑なコミュニケーションを取っていたことがオプティマスは嬉しかったらしく、機嫌の良さそうな声で返答するとその場から去って行く。
それを見てレノックスとエップスはホッと胸をなで下ろす。
「ティスランド。今の俺は機嫌が良い、お前の願いを一つくらいならば叶えてやれそうだ!!」
『本当か!?ならば・・・ひとつ頼みたいことがある』
「俺の権限で叶えられそうなことなら良いぞ」
レノックスがこの基地ではそれなりの権限を持っていることを知っているティスランドは、その申し出に対して心を躍らせる。
『(もしかしたら)』
視線を空へと向ければ澄み渡るような青い空が広がっており、ソレを焦がれるかのように見つめるティスランドの雰囲気は穏やかだ。
そんなティスランドをレノックス達が驚いたように見つめていたがティスランドは彼らに気づくことなく、ただ、空を黙って見つめて続けていた。