10章:彼女と彼と敵
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真っ暗だった視界にゆっくりと光が広がっていく。
目を開けばいつもとは視点の高さが違っており、そのことに一瞬だけ驚き動きを止めた。
状況を確認するために視線をゆっくりと動かせば両脇に何者かが立って居た。
「(私よりも大きい)」
背丈は頭1つ分以上高く、そして両腕には物々しい武器がある。
凶器から目を逸らすかのように視線を周りへと向けると、見えたのは荒れ果てた都会の姿だった。
かつて栄えていた街の名残を残しつつも、見るも無惨なその光景にズキリと胸の奥が痛んだが、それを必死に押し殺す。
今、自分が成すべき事を成さねばならない。
そう思いながら荒ぶる気持ちを落ち着かせる。
何をしたら良いのかなんて解らない。
ただ、それでも朧気に解ることもある。
自分に何ができるのかなんて未知数で怖い。
ただ、それでも自分にしかできないのだ。
恐怖と興奮から体が震えたときだった。微かな異音に気づいたらしい者がゆっくりと振り返る。
血のように赤い瞳がヒタリと自分へと向けられた瞬間、背筋がブルリと震える。
『ストラトス?』
サウンドウェーブの手が自身へと伸ばされるのを見たの同時に行動を起こす。
鋼の体から人間へと体が急速に組み替えられていく感覚、初めての事に体の芯がゾクリと震える中、視界の片隅に見えた青いモノを乱暴に掴むと体に巻き付ける。
足の裏に冷たく硬いコンクリートが触れたのを合図にセイは遙か頭上にあるサウンドウェーブへと向かい告げた。
「彼からの伝言!!『変態参謀様の部下は御免被る』だそうよ!!」
彼は伝言しか言わなかったがオマケだと言うかのように勢いよく右腕を突き上げる。
当然、中指は突き立てた状態で。
ソレを見た瞬間、赤い目が不快そうに眇められた。
辺りに居る多数の機体が混乱するかのように慌てふためく中、セイは走り出す。
どこを逃げたら良いのか解らないまま必死に足を動かしていた時、視界の片隅にマップのようなものが表示される。
その中にいくつか点滅している場所があり、その内の一つは近くにあることに気づいたセイはその場所へと向かう。
「お店?」
高そうな雰囲気をしている店の前でセイが息を乱していると、背後から近づいてくる気配に気づく。
迷いながらもドアを開いて中に滑り込むとカウンターの裏に回り座り込む。
必死に息を殺していると店の前を荒々し足音が通しすぎていく。
シンッとした室内の雰囲気。
どれくらいそうしていたのかは解らないが緩く息を吐き出すとティスランドは肩の力を抜く。
「とりあえず逃走は成功ってことだよね」
安心したからか自分の体に巻き付けている冷たくて硬いブルーシートの感触が不快であったため、ティスランドはどうしようかと考えたときだ。
「ここ服屋だ」
それも高級がつくほどの。
生前の自分が密かに憧れていたブランド。恐る恐る近くの服を手に取ってみると柔らかく滑らかな感触が伝わってきた。
何気なく服についているタグを見てみるとソコには目を疑うかのような金額が表示されており、慌てて服から手を離す。
「そういえば、このブランドの服があったよね」
人間の姿になったティスランドへと献上された衣服の中にこのブランドがあったことを思い出したセイは必死に考える。
「あの服どうしたんだっけ?」
衣服の流行に関して鈍いところのあるティスランドはぞんざいに扱っていたことを思い出した瞬間、ティスランドは声にならない悲鳴を上げてその場に突っ伏した。
このブランドを贈ってくれたのは誰だっただろうか?と考えていたとき、寒気を感じたため室内をジッと見渡した後、諦めるかのように目を閉じると近くにあった衣服を掴む。
必要な身支度を終えたティスランドはどうすべきかと考えていた時、頭の中にある情報が表示された。
目を開けばいつもとは視点の高さが違っており、そのことに一瞬だけ驚き動きを止めた。
状況を確認するために視線をゆっくりと動かせば両脇に何者かが立って居た。
「(私よりも大きい)」
背丈は頭1つ分以上高く、そして両腕には物々しい武器がある。
凶器から目を逸らすかのように視線を周りへと向けると、見えたのは荒れ果てた都会の姿だった。
かつて栄えていた街の名残を残しつつも、見るも無惨なその光景にズキリと胸の奥が痛んだが、それを必死に押し殺す。
今、自分が成すべき事を成さねばならない。
そう思いながら荒ぶる気持ちを落ち着かせる。
何をしたら良いのかなんて解らない。
ただ、それでも朧気に解ることもある。
自分に何ができるのかなんて未知数で怖い。
ただ、それでも自分にしかできないのだ。
恐怖と興奮から体が震えたときだった。微かな異音に気づいたらしい者がゆっくりと振り返る。
血のように赤い瞳がヒタリと自分へと向けられた瞬間、背筋がブルリと震える。
『ストラトス?』
サウンドウェーブの手が自身へと伸ばされるのを見たの同時に行動を起こす。
鋼の体から人間へと体が急速に組み替えられていく感覚、初めての事に体の芯がゾクリと震える中、視界の片隅に見えた青いモノを乱暴に掴むと体に巻き付ける。
足の裏に冷たく硬いコンクリートが触れたのを合図にセイは遙か頭上にあるサウンドウェーブへと向かい告げた。
「彼からの伝言!!『変態参謀様の部下は御免被る』だそうよ!!」
彼は伝言しか言わなかったがオマケだと言うかのように勢いよく右腕を突き上げる。
当然、中指は突き立てた状態で。
ソレを見た瞬間、赤い目が不快そうに眇められた。
辺りに居る多数の機体が混乱するかのように慌てふためく中、セイは走り出す。
どこを逃げたら良いのか解らないまま必死に足を動かしていた時、視界の片隅にマップのようなものが表示される。
その中にいくつか点滅している場所があり、その内の一つは近くにあることに気づいたセイはその場所へと向かう。
「お店?」
高そうな雰囲気をしている店の前でセイが息を乱していると、背後から近づいてくる気配に気づく。
迷いながらもドアを開いて中に滑り込むとカウンターの裏に回り座り込む。
必死に息を殺していると店の前を荒々し足音が通しすぎていく。
シンッとした室内の雰囲気。
どれくらいそうしていたのかは解らないが緩く息を吐き出すとティスランドは肩の力を抜く。
「とりあえず逃走は成功ってことだよね」
安心したからか自分の体に巻き付けている冷たくて硬いブルーシートの感触が不快であったため、ティスランドはどうしようかと考えたときだ。
「ここ服屋だ」
それも高級がつくほどの。
生前の自分が密かに憧れていたブランド。恐る恐る近くの服を手に取ってみると柔らかく滑らかな感触が伝わってきた。
何気なく服についているタグを見てみるとソコには目を疑うかのような金額が表示されており、慌てて服から手を離す。
「そういえば、このブランドの服があったよね」
人間の姿になったティスランドへと献上された衣服の中にこのブランドがあったことを思い出したセイは必死に考える。
「あの服どうしたんだっけ?」
衣服の流行に関して鈍いところのあるティスランドはぞんざいに扱っていたことを思い出した瞬間、ティスランドは声にならない悲鳴を上げてその場に突っ伏した。
このブランドを贈ってくれたのは誰だっただろうか?と考えていたとき、寒気を感じたため室内をジッと見渡した後、諦めるかのように目を閉じると近くにあった衣服を掴む。
必要な身支度を終えたティスランドはどうすべきかと考えていた時、頭の中にある情報が表示された。
