8章:謀と喪失と暗躍者
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センチネルによる裏切りが発覚した直後、オートボット陣営は何もかも後手へと回る事を余儀なくされてしまった。
絶対的に信用しているはずの者が仲間を裏切った、その事実は多くの者達にとって衝撃を与えた。
それ以上にオートボット達の心を支配したのはアイアンハイドの死だった。
戦場において絶対的な存在だったアイアンハイドの死、それを一番受けてしまったのは彼の弟子であるサイドスワイプで、怒りと悲しみによって普段とはまるで違う行動を取った為にそのフォローに回らざるを得なかった。
『ッチ!!・・・ディーノ、ティスランド!サイドスワイプのフォローに回れッ!!』
オプティマスの代わりに指揮を執っていたジャズが咄嗟に下した命令はごく当たり前のことであった。
地球に来てからずっとコンビを組んでいたサイドスワイプとディーノ、故に互いに癖や動きが解っているのもそうだが、頭に血が上って冷静な判断を下せないサイドスワイプをディーノならば上手く扱えるだろうという判断だ。
そしてその2人のフォロー役にティスランドをつけることで細かな部分を補えるだろうという考えであった。
『ったく。あの馬鹿め』
ぐだぐだと文句を言いながらも言われたことには素直に従うらしいディーノの発言を聞いたティスランドは、素直ではないなぁと思いながらそっと目の前を走る赤い装甲を見つめれば一瞬だけ青い目が向けられる。
『文句あるのか?』
『いいや。別に。いつもそうなら将校殿も助かるのだろうなぁと思っただけだ』
いつもそうやって素直に動いてくれれば誰も苦労しないのになぁとティスランドは思う反面、彼がこうして心を許すのは、少しだけ自分が苦労をしても良いなと思えるのは同郷の者だけだ。
人間相手にはこのような情けなんて欠片も見せはしないだろうし、頼まれたとしても絶対に首を縦に振りはしない。
『ディーノ』
『なんだよ?』
戦闘中の為か、もしくは色々な感情が心を支配しているからか、ディーノはいつにもなく素っ気ない声で返答をする。
『センチネルは何故裏切った?』
襲ってきたディセプティコンの頭を日本で切り飛ばす。
火花が微かに爆ぜ、オイルとエネルゴンが混ざった臭いが辺りに満ちる。
チカチカと点滅していた赤い光が次第に消え始め、最終的には赤い目が灰色へと変わり命が失われた。
『彼は・・・プライムなのだろう?我々オートボットを導いていく者なのだろう?ソレなのに何故、彼は裏切った?』
金属生命体達の故郷であるサイバトロン星をティスランドは知らない。
遠い遠い星でしかない。
けれどその星を愛おしいのだと、帰るべき場所なのだろと思えるのは、自らが金属生命体だからこそ、そしてティスランドの中に居る彼が伝えてくるのだ。
あの星こそが自分達の生きる場所なのだと。
あの星こそが自分達が帰るべき星なのだと。
『私は解らないんだ』
その星ではプライムの存在は特別だった。
味方は敬意を、敵は恐怖を、プライムという名に抱いていた。
その存在が行った事をティスランドは理解が出来なかった。
『・・・そんなの』
バツンッという音と共に強靱な配線が問答無用で切断される音が聞こえた。
音の方を見るとそこにはディーノの姿があった。
荒々しい後ろ姿にティスランドは何も言えずに立ち尽くす。
『俺にだって解らねぇよ』
そう言って空を見上げた赤い男の背がティスランドには泣いているように見えた。
絶対的に信用しているはずの者が仲間を裏切った、その事実は多くの者達にとって衝撃を与えた。
それ以上にオートボット達の心を支配したのはアイアンハイドの死だった。
戦場において絶対的な存在だったアイアンハイドの死、それを一番受けてしまったのは彼の弟子であるサイドスワイプで、怒りと悲しみによって普段とはまるで違う行動を取った為にそのフォローに回らざるを得なかった。
『ッチ!!・・・ディーノ、ティスランド!サイドスワイプのフォローに回れッ!!』
オプティマスの代わりに指揮を執っていたジャズが咄嗟に下した命令はごく当たり前のことであった。
地球に来てからずっとコンビを組んでいたサイドスワイプとディーノ、故に互いに癖や動きが解っているのもそうだが、頭に血が上って冷静な判断を下せないサイドスワイプをディーノならば上手く扱えるだろうという判断だ。
そしてその2人のフォロー役にティスランドをつけることで細かな部分を補えるだろうという考えであった。
『ったく。あの馬鹿め』
ぐだぐだと文句を言いながらも言われたことには素直に従うらしいディーノの発言を聞いたティスランドは、素直ではないなぁと思いながらそっと目の前を走る赤い装甲を見つめれば一瞬だけ青い目が向けられる。
『文句あるのか?』
『いいや。別に。いつもそうなら将校殿も助かるのだろうなぁと思っただけだ』
いつもそうやって素直に動いてくれれば誰も苦労しないのになぁとティスランドは思う反面、彼がこうして心を許すのは、少しだけ自分が苦労をしても良いなと思えるのは同郷の者だけだ。
人間相手にはこのような情けなんて欠片も見せはしないだろうし、頼まれたとしても絶対に首を縦に振りはしない。
『ディーノ』
『なんだよ?』
戦闘中の為か、もしくは色々な感情が心を支配しているからか、ディーノはいつにもなく素っ気ない声で返答をする。
『センチネルは何故裏切った?』
襲ってきたディセプティコンの頭を日本で切り飛ばす。
火花が微かに爆ぜ、オイルとエネルゴンが混ざった臭いが辺りに満ちる。
チカチカと点滅していた赤い光が次第に消え始め、最終的には赤い目が灰色へと変わり命が失われた。
『彼は・・・プライムなのだろう?我々オートボットを導いていく者なのだろう?ソレなのに何故、彼は裏切った?』
金属生命体達の故郷であるサイバトロン星をティスランドは知らない。
遠い遠い星でしかない。
けれどその星を愛おしいのだと、帰るべき場所なのだろと思えるのは、自らが金属生命体だからこそ、そしてティスランドの中に居る彼が伝えてくるのだ。
あの星こそが自分達の生きる場所なのだと。
あの星こそが自分達が帰るべき星なのだと。
『私は解らないんだ』
その星ではプライムの存在は特別だった。
味方は敬意を、敵は恐怖を、プライムという名に抱いていた。
その存在が行った事をティスランドは理解が出来なかった。
『・・・そんなの』
バツンッという音と共に強靱な配線が問答無用で切断される音が聞こえた。
音の方を見るとそこにはディーノの姿があった。
荒々しい後ろ姿にティスランドは何も言えずに立ち尽くす。
『俺にだって解らねぇよ』
そう言って空を見上げた赤い男の背がティスランドには泣いているように見えた。