3章:全てを見ていた月
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少し乱暴な動作でシートベルトを装着されたミソラは痛みで眉を寄せた。いつもは適度な力加減であるベルトが今日は微かな痛みを感じるほど強く体を締め付けられており、オプティマスの機嫌の悪さを証明している。
ドアはいつの間にかロックがされており、オプティマスの意思で解除されなければ外に出ることは不可能だ。
てっきりどこかに向かって走り出すのかと思っていたミソラであったが、以外にもオプティマスはその場に留まっている。
「おかえりなさい」
『・・・無事、帰還した』
聞こえてきた声はいつもよりも低いものだが反応があったことにミソラは笑みを浮かべる。
フロントガラス越しに見えるオートボット達が興味津々と言うかのように見つめてくるが、誰一人として近づいてくる者は居ない。
『内部の様子が見えないようにしている』
「そっか」
『ミソラ、すまない。私は君に迷惑を掛けた』
「・・・気にしないで。私の方がもっと迷惑を掛けてるもの」
だから大丈夫だと告げると、シートベルトが緩められる。
気づかぬ内に自分でも緊張していたらしく、体から無駄な力が抜けたことにミソラは苦笑を浮かべるとダッシュボードを軽く叩いた。
「でも一つだけ言っても良いかな?」
『構わない』
「ラチェットのリペアをちゃんと受けてね?大したことのない怪我だって思っていても実はそれが原因で大怪我に繋がることだってあるんだから」
大したことの無い傷だと言って傷を放置していたアイアンハイドであったが、その傷が元でトランスフォームをするときに違和感を感じるようになった。
結果として傷がいつの間にか錆び始めていたのだ。
事が露見したのと同時に彼にはラチェットからきついお咎めと、彼のスペシャルリペアコースを体験することとなったのは有名だ。
『話が終わり次第すぐにでも受けよう』
アイアンハイドの悲痛な声を思い出したらしいオプティマスが若干強ばった声で返答する。
それが彼らしくなくてミソラはクスクスと楽しげに声を上げて笑う。
「そうして下さい」
『君は聞かないのだな』
「・・・話してくれた方が嬉しいけど、さっき問いかけたときは黙ったままだったでしょう?だからきっとオプティマスは話したくないんだろうなって思って・・・だから、聞かないよ。オプティマスが話したいなと思うときにこっそり教えてね?」
ミソラの不安や弱音をオプティマスはすぐに感じ取り、話してくれといつも救いを与えてくれる。
逆にミソラが彼にそれを求めたとしても彼は答えてはくれない。
「(唯一、それを見せてくれたのは)」
メガトロンに殺され、そしてサムの手により蘇った時だけだ。
あの時だけ、彼は弱さを見せてくれた。
それ以後決して見せることはしない。
『この後、長官と会うことになっている。出来れば君も同席してくれないか?』
「私が?」
重要な話をするときミソラはいつも席を外していた。
それはミソラが戦うことが出来ない人間だからだ。
NESTのメンバーは皆、ミソラを戦いに関わらせることを嫌っているのだ。今でこそ自由に歩けるようになっているが、以前は地下施設から全く出てこなかったのだから。
オプティマスは特にミソラが会議などに加わることを嫌っていたのだが、その彼から直々に頼まれてしまったミソラはためらうかのように視線をさまよわせていたのだが、きっと意味があるのだろうと思うとしっかりと頷いた。
ドアはいつの間にかロックがされており、オプティマスの意思で解除されなければ外に出ることは不可能だ。
てっきりどこかに向かって走り出すのかと思っていたミソラであったが、以外にもオプティマスはその場に留まっている。
「おかえりなさい」
『・・・無事、帰還した』
聞こえてきた声はいつもよりも低いものだが反応があったことにミソラは笑みを浮かべる。
フロントガラス越しに見えるオートボット達が興味津々と言うかのように見つめてくるが、誰一人として近づいてくる者は居ない。
『内部の様子が見えないようにしている』
「そっか」
『ミソラ、すまない。私は君に迷惑を掛けた』
「・・・気にしないで。私の方がもっと迷惑を掛けてるもの」
だから大丈夫だと告げると、シートベルトが緩められる。
気づかぬ内に自分でも緊張していたらしく、体から無駄な力が抜けたことにミソラは苦笑を浮かべるとダッシュボードを軽く叩いた。
「でも一つだけ言っても良いかな?」
『構わない』
「ラチェットのリペアをちゃんと受けてね?大したことのない怪我だって思っていても実はそれが原因で大怪我に繋がることだってあるんだから」
大したことの無い傷だと言って傷を放置していたアイアンハイドであったが、その傷が元でトランスフォームをするときに違和感を感じるようになった。
結果として傷がいつの間にか錆び始めていたのだ。
事が露見したのと同時に彼にはラチェットからきついお咎めと、彼のスペシャルリペアコースを体験することとなったのは有名だ。
『話が終わり次第すぐにでも受けよう』
アイアンハイドの悲痛な声を思い出したらしいオプティマスが若干強ばった声で返答する。
それが彼らしくなくてミソラはクスクスと楽しげに声を上げて笑う。
「そうして下さい」
『君は聞かないのだな』
「・・・話してくれた方が嬉しいけど、さっき問いかけたときは黙ったままだったでしょう?だからきっとオプティマスは話したくないんだろうなって思って・・・だから、聞かないよ。オプティマスが話したいなと思うときにこっそり教えてね?」
ミソラの不安や弱音をオプティマスはすぐに感じ取り、話してくれといつも救いを与えてくれる。
逆にミソラが彼にそれを求めたとしても彼は答えてはくれない。
「(唯一、それを見せてくれたのは)」
メガトロンに殺され、そしてサムの手により蘇った時だけだ。
あの時だけ、彼は弱さを見せてくれた。
それ以後決して見せることはしない。
『この後、長官と会うことになっている。出来れば君も同席してくれないか?』
「私が?」
重要な話をするときミソラはいつも席を外していた。
それはミソラが戦うことが出来ない人間だからだ。
NESTのメンバーは皆、ミソラを戦いに関わらせることを嫌っているのだ。今でこそ自由に歩けるようになっているが、以前は地下施設から全く出てこなかったのだから。
オプティマスは特にミソラが会議などに加わることを嫌っていたのだが、その彼から直々に頼まれてしまったミソラはためらうかのように視線をさまよわせていたのだが、きっと意味があるのだろうと思うとしっかりと頷いた。