3章:全てを見ていた月
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何を話そうか、そう考えながら目の前にいるトラックを見上げる。
いつもならば話題はすぐに思いつくのだがこの場の雰囲気がそれを許してはくれない。
「オプティマス」
名を呼べばいつもならば反応を示してくれるというのに今日の彼は無言のままだ。
その意外な反応にミソラもこれはかなり彼がご立腹であることを悟った。一体誰が彼をこれほど怒らせたのだろうか、そう考えながら再度振り返ると全員が自分は無実だと言うかのように首を左右に振る。
一糸乱れぬその様子から彼らは無実だと理解したミソラは再度オプティマスへと視線を戻す。
「何があったのか話してくれないの?」
ミソラの問いかけにオプティマスは答えない。
何も反応を示さないその態度に目の前にあるのはただのトラックだと思えるほどだ。だが、彼から感じるエネルゴン反応が目の前にいるのはオプティマスだと告げてくる。
そっと車体に触れてみるが彼の態度は変わらない。
誰もが縋るかのように一人と一台を見つめる事しかしない中、場違いなほど陽気な音楽と共にラジオ音声が響く。
『”お姫様””キスをしないの?””キスで目覚める王子様”』
バンブルビーの発言にミソラは何を言っているのだ!?と言うかのように勢いよく振り返れば、キスの瞬間を今か今かと待ちわびている黄色いオートボットの姿があった。
一刻も早くキスをしてください、と言うかのようなその態度にミソラは顔を真っ赤にすると否定するかのように顔の前で手を大きく振った。
「しないよ!!!」
『しないのか』
『残念だな』
キューとラチェットが顔を見合わせ、心底残念だと言うかのように肩をすくめる。
「ミソラ!恥ずかしいなら全員後ろを向くぞ?」
「レノックスさん、何を馬鹿なことを言っているんですか?!後ろ見たってしませんからね!!!」
「それくらい俺達は追い詰められているんだよ。この後、ちょっと会わなきゃならない人がいてな。それまでにオプティマスの機嫌が戻らないとまずいんだよ。お前のキス一つで機嫌が直るなら俺は喜んで命令を出すぞ!!!」
ここが戦場で、そして尚且つ正念場だと言わんばかりのレノックスの態度にミソラはそんなに追い詰められているのかと思うと、状況が解っていながらも沈黙を続けている司令官に再度視線を戻す。
レノックスとは同じ司令官同士色々と事細かな打ち合わせをしているのは知っている。
恐らく、この後の予定も話しているのだろう。
それなのにストライキを始めた事から何か事情があるのだろうとミソラは理解すると、オプティマスの車体に額をコツンと押しつけた。
何を言おうかと考えていると、車体に細かな傷がついていることに気づく。
ラチェットのリペアすら受けることを拒否しているらしい姿にミソラは大丈夫かと問いかけるかのようにそっと傷に手を添える。
「オプティマス、おかえりなさい」
労るかのようにそっと車体を一撫でする。
相変わらず反応がなく、少しばかり心が痛んだ。
だがきっと自分以上に心を痛めたのは彼なのだう。
そうでなければ彼がこんな浅はかな行動をとるわけがない。
オプティマスがストライキをしている理由は言いたくないのか、言えないのか解らない。
だから自分はいつも通りに振舞おう。
きっと彼はそれを望んでいるのだろうから。
「任務ご苦労様・・・・無事に帰ってきてくれて良かった」
その言葉を合図にオプティマスに反応が生まれる。
ガチャリ、という音が聞こえたことにミソラが音のした方を見ると助手席のドアが開いていた。
相変わらず無言のままだが、彼が少しばかり心を開いてくれたことがミソラには嬉しかった。促されるまま助手席に乗り込むとドアが勝手に閉まりシートベルトが装着された。
いつもならば話題はすぐに思いつくのだがこの場の雰囲気がそれを許してはくれない。
「オプティマス」
名を呼べばいつもならば反応を示してくれるというのに今日の彼は無言のままだ。
その意外な反応にミソラもこれはかなり彼がご立腹であることを悟った。一体誰が彼をこれほど怒らせたのだろうか、そう考えながら再度振り返ると全員が自分は無実だと言うかのように首を左右に振る。
一糸乱れぬその様子から彼らは無実だと理解したミソラは再度オプティマスへと視線を戻す。
「何があったのか話してくれないの?」
ミソラの問いかけにオプティマスは答えない。
何も反応を示さないその態度に目の前にあるのはただのトラックだと思えるほどだ。だが、彼から感じるエネルゴン反応が目の前にいるのはオプティマスだと告げてくる。
そっと車体に触れてみるが彼の態度は変わらない。
誰もが縋るかのように一人と一台を見つめる事しかしない中、場違いなほど陽気な音楽と共にラジオ音声が響く。
『”お姫様””キスをしないの?””キスで目覚める王子様”』
バンブルビーの発言にミソラは何を言っているのだ!?と言うかのように勢いよく振り返れば、キスの瞬間を今か今かと待ちわびている黄色いオートボットの姿があった。
一刻も早くキスをしてください、と言うかのようなその態度にミソラは顔を真っ赤にすると否定するかのように顔の前で手を大きく振った。
「しないよ!!!」
『しないのか』
『残念だな』
キューとラチェットが顔を見合わせ、心底残念だと言うかのように肩をすくめる。
「ミソラ!恥ずかしいなら全員後ろを向くぞ?」
「レノックスさん、何を馬鹿なことを言っているんですか?!後ろ見たってしませんからね!!!」
「それくらい俺達は追い詰められているんだよ。この後、ちょっと会わなきゃならない人がいてな。それまでにオプティマスの機嫌が戻らないとまずいんだよ。お前のキス一つで機嫌が直るなら俺は喜んで命令を出すぞ!!!」
ここが戦場で、そして尚且つ正念場だと言わんばかりのレノックスの態度にミソラはそんなに追い詰められているのかと思うと、状況が解っていながらも沈黙を続けている司令官に再度視線を戻す。
レノックスとは同じ司令官同士色々と事細かな打ち合わせをしているのは知っている。
恐らく、この後の予定も話しているのだろう。
それなのにストライキを始めた事から何か事情があるのだろうとミソラは理解すると、オプティマスの車体に額をコツンと押しつけた。
何を言おうかと考えていると、車体に細かな傷がついていることに気づく。
ラチェットのリペアすら受けることを拒否しているらしい姿にミソラは大丈夫かと問いかけるかのようにそっと傷に手を添える。
「オプティマス、おかえりなさい」
労るかのようにそっと車体を一撫でする。
相変わらず反応がなく、少しばかり心が痛んだ。
だがきっと自分以上に心を痛めたのは彼なのだう。
そうでなければ彼がこんな浅はかな行動をとるわけがない。
オプティマスがストライキをしている理由は言いたくないのか、言えないのか解らない。
だから自分はいつも通りに振舞おう。
きっと彼はそれを望んでいるのだろうから。
「任務ご苦労様・・・・無事に帰ってきてくれて良かった」
その言葉を合図にオプティマスに反応が生まれる。
ガチャリ、という音が聞こえたことにミソラが音のした方を見ると助手席のドアが開いていた。
相変わらず無言のままだが、彼が少しばかり心を開いてくれたことがミソラには嬉しかった。促されるまま助手席に乗り込むとドアが勝手に閉まりシートベルトが装着された。