3章:全てを見ていた月
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少しでも彼の意識が逸らされるよう身を縮めたミソラに気づいたキューが、ディーノ視線からかばうかのように手を伸ばしてミソラを隠す。
それがおもしろくないのがディーノだ。
自身のしたことを綺麗に忘れ去った彼は自分を見て怯えるミソラに対し、不快そうな視線を向ける。
『なんだよ』
『お前さんはもう少しばかり礼儀を知るべきだろうな』
『・・・ハッハァ!』
馬鹿馬鹿しいと言うかのようにキューの発言を一蹴したディーノは、彼の手によって隠されていたミソラを乱暴に掴み上げた。
視界が大きく揺れた事でミソラは自分誰に掴み上げられたのか理解する。
『ディーノ』
『俺の意思じゃない。ラチェットが連れてこいって言うんだよ。我らのリーダーがストライキを起こしちまったからな』
キューに向かいヒラヒラと手を振ると移動を開始するディーノ。
揺れる視界にミソラは無言のまま身をすくめていた。すれ違う隊員達が心配そうな視線を向けてきたので、大丈夫だと言うかのように微笑み手を振り答える。
『怪我はもう治ったのか?』
「・・・はい」
『へぇ?やっぱmostroは違うな』
聞き慣れない単語にミソラは顔歪める。
彼の口調から恐らく言い意味ではないことは解っている。調べれば良いのだろうがそれをするだけの勇気はない。
意味を知ってしまえばきっと彼を見る目が今以上に変わってしまうから。
そうなれば困るのはオプティマスだ。
「オプティマスはどうしてストライキを?」
『さぁね。どこぞのヒューマンが勝手に抜け出したことを思い出して怒っているんじゃないか?』
先日のサイドスワイプとのことを蒸し返してきたディーノの言葉にミソラは何も言葉を返さない。
『キューとは話すが俺とはおしゃべりしませんってか』
随分な上目線だな。
吐き捨てるかのようにディーノがそう告げた時だった。
『それはお前が乱暴にするからだろうが』
呆れたような声が聞こえた直後、ミソラを掴んでいた手が離れる。
ストンと何かの上に落ちたミソラが顔を上げると、そこには見慣れた黄緑色の機体があり安堵の笑みを浮かべた。
『・・・ディーノ』
咎めるかのように名を呼んだラチェットに対し、ミソラはどうしたのだと思いながら彼を見上げていると彼がある方向を見ていることに気がつく。
ラチェットが見つめているのはディーノで彼がどうしたのだとミソラもディーノを見ると、先程よりも少しばかり不機嫌そうな彼と目が合う。
『ッチ』
舌打ちをしたディーノは大きな足音をたてながら去って行く。
赤い姿が見えなくなったミソラはゆるく息を吐くとラチェットを見上げる。
「ありがとう」
『・・・お礼を言うのはまだ早い。いや、むしろお礼を言わねばならないのは我々の方になるのだろうな。君には今からとても重要な任務についてもらわなければならない』
敵は強大だ、心して挑め。
彼らしくない声にミソラは小首を傾げることしか出来ない中、ラチェットは掌にミソラを乗せたままある場所へと向かって歩き出した。
それがおもしろくないのがディーノだ。
自身のしたことを綺麗に忘れ去った彼は自分を見て怯えるミソラに対し、不快そうな視線を向ける。
『なんだよ』
『お前さんはもう少しばかり礼儀を知るべきだろうな』
『・・・ハッハァ!』
馬鹿馬鹿しいと言うかのようにキューの発言を一蹴したディーノは、彼の手によって隠されていたミソラを乱暴に掴み上げた。
視界が大きく揺れた事でミソラは自分誰に掴み上げられたのか理解する。
『ディーノ』
『俺の意思じゃない。ラチェットが連れてこいって言うんだよ。我らのリーダーがストライキを起こしちまったからな』
キューに向かいヒラヒラと手を振ると移動を開始するディーノ。
揺れる視界にミソラは無言のまま身をすくめていた。すれ違う隊員達が心配そうな視線を向けてきたので、大丈夫だと言うかのように微笑み手を振り答える。
『怪我はもう治ったのか?』
「・・・はい」
『へぇ?やっぱmostroは違うな』
聞き慣れない単語にミソラは顔歪める。
彼の口調から恐らく言い意味ではないことは解っている。調べれば良いのだろうがそれをするだけの勇気はない。
意味を知ってしまえばきっと彼を見る目が今以上に変わってしまうから。
そうなれば困るのはオプティマスだ。
「オプティマスはどうしてストライキを?」
『さぁね。どこぞのヒューマンが勝手に抜け出したことを思い出して怒っているんじゃないか?』
先日のサイドスワイプとのことを蒸し返してきたディーノの言葉にミソラは何も言葉を返さない。
『キューとは話すが俺とはおしゃべりしませんってか』
随分な上目線だな。
吐き捨てるかのようにディーノがそう告げた時だった。
『それはお前が乱暴にするからだろうが』
呆れたような声が聞こえた直後、ミソラを掴んでいた手が離れる。
ストンと何かの上に落ちたミソラが顔を上げると、そこには見慣れた黄緑色の機体があり安堵の笑みを浮かべた。
『・・・ディーノ』
咎めるかのように名を呼んだラチェットに対し、ミソラはどうしたのだと思いながら彼を見上げていると彼がある方向を見ていることに気がつく。
ラチェットが見つめているのはディーノで彼がどうしたのだとミソラもディーノを見ると、先程よりも少しばかり不機嫌そうな彼と目が合う。
『ッチ』
舌打ちをしたディーノは大きな足音をたてながら去って行く。
赤い姿が見えなくなったミソラはゆるく息を吐くとラチェットを見上げる。
「ありがとう」
『・・・お礼を言うのはまだ早い。いや、むしろお礼を言わねばならないのは我々の方になるのだろうな。君には今からとても重要な任務についてもらわなければならない』
敵は強大だ、心して挑め。
彼らしくない声にミソラは小首を傾げることしか出来ない中、ラチェットは掌にミソラを乗せたままある場所へと向かって歩き出した。