3章:全てを見ていた月
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首に添えていた手を外すようにジョルトに言われたミソラが掌を離すと、その手は赤く染まっていた。
サッと顔色を変えたジョルトに向かいミソラは困ったように微笑む。
「大丈夫です。多分、あと数分もしたら止まりますから」
『消毒だけでもしておきましょう』
「お願いします」
慣れた手つきで人間用の治療道具を手にするジョルトをミソラは黙って見つめる。
ジョルトも何も言わずに傷口を消毒し、ガーゼを包帯で固定をすると安堵したかのように排気をした。
『ディーノがここに来るとは思っていませんでした』
「私も。彼は人間のことが嫌いでしょう?だがからきっと私の所には来ないだろうなと思ってた」
だが彼は現れたのだ。
何を考えての行動なのかは解らない。ただ、彼にあったのは明確な敵意だけだった。まさかオートボットからそのような感情を向けられるとは思っていなかったミソラは恐怖に身を震わせる。
その姿を黙って見つめていたジョルトは今日帰還予定のオプティマスに報告するため、回線を開こうとしたときだった。
「オプティマスには言わないで」
『・・・ですが、』
「お願い」
ここ最近、ディセプティコンの攻撃が激しくなってきているのだ。
死んだはずのメガトロンが蘇った為だ。
定期的に暴れる彼らへの鎮圧を余儀なくされてしまっている。
「ジョルト」
『解りました・・・ですが、その傷はなんて報告するつもりですか?司令官はきっと気づきますよ』
ジョルトからの指摘にミソラは困ったように視線をさまよわせる。
そこまで考えていなかったというような姿に対し、ジョルトは笑みを一つ浮かべると、嘘に協力することを決めた。
『発疹が出てしまったと司令官には伝えましょう。ですが、先生には真相をお話しさせて頂きますよ』
「うん、ありがとう」
『どういたしまして』
互いに視線を合わせてにっこりと微笑んだときだった。
任務を終えて帰還したラチェットが入ってくる。
彼は二人の姿を見て不思議そうにアイカメラを何度が動かしていたが、ミソラの首に巻かれている包帯に気づく。
『我らの跳ね馬ですよ』
『ディーノか。珍しいな、あいつがここに来るとは』
頭が痛いと言いたげな様子でラチェットが呟いた言葉にミソラは何も言わずに視線を足下に落としていたが、思い出したという顔をして慌てて顔を上げるとラチェットに声を掛ける。
「おかえりなさい、ラチェット。無事で良かった」
『・・・全員無事に帰還したよ』
このやりとりも何度も行われたものだ。
毎回無事に戻ってこれる保証はどこにもない。
現に、物言わぬ機体となって帰還したオートボットもいるのだから。
ラチェット達がいなかった間のことを楽しげな口調で話すミソラに向かい、ラチェットはうんうんと頷きながら、側で控えている助手に向かい回線を繋ぐと、何があったのか後で詳細に報告するように伝える。
ジョルトから間髪入れずに届けられるテキスト式での報告にラチェットの顔は渋るが、ミソラ達の嘘に自身も加わることを決めた。
サッと顔色を変えたジョルトに向かいミソラは困ったように微笑む。
「大丈夫です。多分、あと数分もしたら止まりますから」
『消毒だけでもしておきましょう』
「お願いします」
慣れた手つきで人間用の治療道具を手にするジョルトをミソラは黙って見つめる。
ジョルトも何も言わずに傷口を消毒し、ガーゼを包帯で固定をすると安堵したかのように排気をした。
『ディーノがここに来るとは思っていませんでした』
「私も。彼は人間のことが嫌いでしょう?だがからきっと私の所には来ないだろうなと思ってた」
だが彼は現れたのだ。
何を考えての行動なのかは解らない。ただ、彼にあったのは明確な敵意だけだった。まさかオートボットからそのような感情を向けられるとは思っていなかったミソラは恐怖に身を震わせる。
その姿を黙って見つめていたジョルトは今日帰還予定のオプティマスに報告するため、回線を開こうとしたときだった。
「オプティマスには言わないで」
『・・・ですが、』
「お願い」
ここ最近、ディセプティコンの攻撃が激しくなってきているのだ。
死んだはずのメガトロンが蘇った為だ。
定期的に暴れる彼らへの鎮圧を余儀なくされてしまっている。
「ジョルト」
『解りました・・・ですが、その傷はなんて報告するつもりですか?司令官はきっと気づきますよ』
ジョルトからの指摘にミソラは困ったように視線をさまよわせる。
そこまで考えていなかったというような姿に対し、ジョルトは笑みを一つ浮かべると、嘘に協力することを決めた。
『発疹が出てしまったと司令官には伝えましょう。ですが、先生には真相をお話しさせて頂きますよ』
「うん、ありがとう」
『どういたしまして』
互いに視線を合わせてにっこりと微笑んだときだった。
任務を終えて帰還したラチェットが入ってくる。
彼は二人の姿を見て不思議そうにアイカメラを何度が動かしていたが、ミソラの首に巻かれている包帯に気づく。
『我らの跳ね馬ですよ』
『ディーノか。珍しいな、あいつがここに来るとは』
頭が痛いと言いたげな様子でラチェットが呟いた言葉にミソラは何も言わずに視線を足下に落としていたが、思い出したという顔をして慌てて顔を上げるとラチェットに声を掛ける。
「おかえりなさい、ラチェット。無事で良かった」
『・・・全員無事に帰還したよ』
このやりとりも何度も行われたものだ。
毎回無事に戻ってこれる保証はどこにもない。
現に、物言わぬ機体となって帰還したオートボットもいるのだから。
ラチェット達がいなかった間のことを楽しげな口調で話すミソラに向かい、ラチェットはうんうんと頷きながら、側で控えている助手に向かい回線を繋ぐと、何があったのか後で詳細に報告するように伝える。
ジョルトから間髪入れずに届けられるテキスト式での報告にラチェットの顔は渋るが、ミソラ達の嘘に自身も加わることを決めた。