3章:全てを見ていた月
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オプティマスの通信を聞いただろうオートボット達が次々と地球へとやって来ている。今までやってきた彼らが皆、友好的な者達ばかりであったのでミソラも特に警戒心を抱かずに彼らと接していた。
しかし、ただ一体だけミソラに警戒心を抱かせたオートボットが居たのだ。
人間嫌いだというそのオートボットが基地に来たとき、ミソラは遠目からその光景を見ていた。
歓迎の言葉を告げる軍人達に対し、彼は敵意を露わにして告げた。
『俺に触るんじゃねえ!!』
今までにない反応に対し軍人達も尻込みをしてしまったのだ。
慌ててオプティマスが双方の仲裁に入ったのだが、彼はそれを聞き流した。
それを見たからなのかミソラは彼に近づかなかった。
彼がオートボットだと解っているのに、言動や行動がディセプティコンを思い出させたからだ。
故にミソラは彼に必要以上に近づかない。
そして人間嫌いの彼もミソラには近づかなかった。
双方が言葉を交わすことなく、それを当然のように受け入れていたのだ。
無意識の内に働いた直感。
しかし、なんの気まぐれを起こしたのかその彼は何の前触れもなくミソラへと現れた。
目の前に颯爽と現れた赤いフェラーリをミソラは最初こそ緊張しつつも歓迎をしたのだが、彼はそれを無視して好き勝手な言動や振る舞いをした。乱暴とも思えるその行動に対し、ミソラは次第に言葉を失い、ベッドの上で大人しく座って彼から視線を逸らすようになったのだ。
『お前ヒューマンのくせに司令官が好きなんだってな?』
嘲笑うかのような口調にミソラは唇をかみしめ視線を足下に落とす。
少しでも彼を見ないようにするために。
誰か来ないだろうかと入り口を見つめるが、入り口はこの赤いフェラーリにロックをされてしまっている。
ラチェットはオプティマス達と共に任務に向かっており、彼の不在の間にラボを任されているジョルトは喧嘩をして負傷したツインズの治療に入っている。
故に助けを求めるのは望み薄だ。
『で?答えてくれないのか?是非ともそこのところを教えて欲しいもんだが。今後のためにもな』
「貴方に答える義理はありません」
『・・・へぇ』
素っ気なく答えれば不機嫌そうな声が聞こえてくる。
一体誰がこのフェラーリに教えたのだとミソラは内心文句を言う。
ミソラの態度にが気に入らなかったらしいオートボットは威嚇をするかのようにミソラが座っていたベッドの側に拳を叩付けた。
ひび割れた床の姿を見てミソラの顔から血の気が引く。
『ヒューマン風情が調子に乗るなよ?』
「っ・・・」
恐怖から言葉を失うミソラの顎を鋭い指先が持ち上げる。
視線を上げられ、視界に赤い外装が飛び込んでくる。次に見えたのは青い瞳だ。
『あぁ。アンタはヒューマンじゃなかったよな?正確にはmostro(化け物)だよな?』
顎を持ち上げていた指先が首筋に添えられた直後、ピリッとした痛みが首筋に走り顔を歪める。
流れた血が彼の指先を汚す。
怯えた目でミソラは彼を見上げながら、彼の名前は何だっただろうかと考えていた矢先、入り口のロックが外される音が響き中にジョルトの青いボディが見える。
『ミソラさん?何故ロックを?・・・ディーノ?ここでなにをしてるんですか?』
意外な人物がいたことにジョルトが困惑した声で彼の名を呼んだことでミソラは目の前に居る赤いオートボットがディーノという名前であることを思い出した。
『邪魔が入ったか。まぁいいさ』
興味が失せたと言うかのようにディーノはミソラから離れるとジョルトが居る場所から出て行ってしまう。
ゆるく息を吐き出したミソラは彼に引っかかれた首筋に手を添える。
掌に感じる血の感触、ぴりぴりと今なお痛む傷口から地味に深い傷だなと考えているとジョルトが慌てて駆け寄ってきた。
しかし、ただ一体だけミソラに警戒心を抱かせたオートボットが居たのだ。
人間嫌いだというそのオートボットが基地に来たとき、ミソラは遠目からその光景を見ていた。
歓迎の言葉を告げる軍人達に対し、彼は敵意を露わにして告げた。
『俺に触るんじゃねえ!!』
今までにない反応に対し軍人達も尻込みをしてしまったのだ。
慌ててオプティマスが双方の仲裁に入ったのだが、彼はそれを聞き流した。
それを見たからなのかミソラは彼に近づかなかった。
彼がオートボットだと解っているのに、言動や行動がディセプティコンを思い出させたからだ。
故にミソラは彼に必要以上に近づかない。
そして人間嫌いの彼もミソラには近づかなかった。
双方が言葉を交わすことなく、それを当然のように受け入れていたのだ。
無意識の内に働いた直感。
しかし、なんの気まぐれを起こしたのかその彼は何の前触れもなくミソラへと現れた。
目の前に颯爽と現れた赤いフェラーリをミソラは最初こそ緊張しつつも歓迎をしたのだが、彼はそれを無視して好き勝手な言動や振る舞いをした。乱暴とも思えるその行動に対し、ミソラは次第に言葉を失い、ベッドの上で大人しく座って彼から視線を逸らすようになったのだ。
『お前ヒューマンのくせに司令官が好きなんだってな?』
嘲笑うかのような口調にミソラは唇をかみしめ視線を足下に落とす。
少しでも彼を見ないようにするために。
誰か来ないだろうかと入り口を見つめるが、入り口はこの赤いフェラーリにロックをされてしまっている。
ラチェットはオプティマス達と共に任務に向かっており、彼の不在の間にラボを任されているジョルトは喧嘩をして負傷したツインズの治療に入っている。
故に助けを求めるのは望み薄だ。
『で?答えてくれないのか?是非ともそこのところを教えて欲しいもんだが。今後のためにもな』
「貴方に答える義理はありません」
『・・・へぇ』
素っ気なく答えれば不機嫌そうな声が聞こえてくる。
一体誰がこのフェラーリに教えたのだとミソラは内心文句を言う。
ミソラの態度にが気に入らなかったらしいオートボットは威嚇をするかのようにミソラが座っていたベッドの側に拳を叩付けた。
ひび割れた床の姿を見てミソラの顔から血の気が引く。
『ヒューマン風情が調子に乗るなよ?』
「っ・・・」
恐怖から言葉を失うミソラの顎を鋭い指先が持ち上げる。
視線を上げられ、視界に赤い外装が飛び込んでくる。次に見えたのは青い瞳だ。
『あぁ。アンタはヒューマンじゃなかったよな?正確にはmostro(化け物)だよな?』
顎を持ち上げていた指先が首筋に添えられた直後、ピリッとした痛みが首筋に走り顔を歪める。
流れた血が彼の指先を汚す。
怯えた目でミソラは彼を見上げながら、彼の名前は何だっただろうかと考えていた矢先、入り口のロックが外される音が響き中にジョルトの青いボディが見える。
『ミソラさん?何故ロックを?・・・ディーノ?ここでなにをしてるんですか?』
意外な人物がいたことにジョルトが困惑した声で彼の名を呼んだことでミソラは目の前に居る赤いオートボットがディーノという名前であることを思い出した。
『邪魔が入ったか。まぁいいさ』
興味が失せたと言うかのようにディーノはミソラから離れるとジョルトが居る場所から出て行ってしまう。
ゆるく息を吐き出したミソラは彼に引っかかれた首筋に手を添える。
掌に感じる血の感触、ぴりぴりと今なお痛む傷口から地味に深い傷だなと考えているとジョルトが慌てて駆け寄ってきた。