2章:エピローグ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『さて、ここがどこなのか解ったところで話を進めようか』
「これは夢なんですよね?」
『そうだ・・・オールスパークの見る夢』
オールスパークという単語にミソラの顔が引きつる。
彼は知っているのだろうかと考えるが、これは自分の夢なのだからきっと知っているのだろうと思う。
『随分と無茶したな』
咎めるわけでも無い声でジャズは呟くと、労るかのようにミソラの頬を撫でる。
『ミソラはもう半分以上人で無くなってる』
ジャズの言葉に自分のことに心を砕いてくれていた優しい医者の姿を思い出す。
彼がこの結果を知ったら悲しむだろうか、救えなかった苦しむだろうかと思う。あの時、サムに詰め寄られていたラチェットはとても辛そうだった。
『気にすんな!あいつは偶には責められるべきなんだよ』
「そうでしょうか?」
『そうだとも!!ミソラは受けたことが無いから解らないだろうが、あいつのリペアは酷いもんだぜ?ミソラも検査してもらってるだろ?あんな感じでリペアも行っていてな、機嫌が悪いともう最悪だ』
深々と呟いたジャズの言葉に、定期検診しに来たオートボット達が死にそうな雰囲気だったり、任務を終えて帰投したオートボット達が逃げだそうとしたことを思い出す。
その時は何故そんなにも嫌がるのか解らなかったが、ジャズの言動からして恐らくかなり酷いのだろう事は想像出来る。
しかし、だからこそ理解が出来ないのだ。
「痛みとか無いですけど?」
『・・・マジで!?あいつなに贔屓してんだよ!!』
悔しい、と言うかのように地団駄を踏むジャズの姿にそんなに酷いだろうかと記憶を漁ってみるが、やはり痛みを感じた治療は何一つとしてなかった。
ある程度憂さ晴らしをして満足したらしいジャズはわざとらしく咳をする。
『さて、話がかなり脱線したが本題に入るぞ』
意味も無く彼が出てきたわけでは無いのだということくらい、ミソラも理解している。
この妙にリアルな夢。
オールスパークが見ている夢、そして半分以上がそのオールパークとなっている自分の体、それらを全て集めると一つの結論になるのだ。
『ミソラ、今後二度とお前の中のエネルゴンを使用するな。次、使うことがあればお前自身がオールスパークになる。減った分を補充するためお前の体にある遺伝子がエネルゴンに変換される。使った分だけお前は人でなくなる』
まだ人でいたいと思うのであれば決して使うな。
警告にミソラは視線を足下へと落とす。
『解ったな?』
「それは約束出来ません」
ジャズへと視線を向けると険しい雰囲気をした彼の姿がそこにあった。
「私はこの力を彼らのために使いたい」
必死に自分達を守ってくれるだろうオートボット達に少しでも報いたい。
その気持ちに偽りなど無いのだ。