2章:忍び寄る復讐者の足音
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ゆったりとした音楽が車内に響く。
ミソラがお薦めだと言ってオプティマスに聞かせたCDだ。彼はよくこうして音楽を流してくれる。
時にはミソラが知らないものでもある。だがそれはミソラの好みのもので、彼が自分を理解しようとしてくれているのが嬉しかった。
「我儘を言いそうになったの」
通り過ぎていく街灯を見つめながらミソラは囁く。
走行音でかき消されそうなその声、人ならば聞き落としてしまいそうなその声は、人では無い彼の耳に届く。
「貴方達との約束を破りそうになった・・・駄目だね、約束をしたのに」
彼らはその約束を破ることをしなかったというのに。
困ったように笑うその顔がオプティマスには泣いているように見えた。
インターネットを通じてミソラくらいの年頃の者達がどのような生活を送っているのかオプティマスは調べたことがある。
参考までにと思ったことだが、調べた結果は彼の心を曇らせることだった。
平和なこの星に生まれた平和な子供達。
『誰も君を責めたりなどしない。君の決意はとても尊いものだと理解をしている。皆、君の事を誇りに思っている』
「ありがとう、オプティマス・・・・やっぱり貴方は優しいね」
丁度目的に地に到着したオプティマスがゆっくりと速度を落としてく。
一時間という短い時間、その時間から移動出来る場所など決まっている。
二人が来ているのはここに来てから一度だけ、二人で来た場所。
オプティマスが調べて連れてきてくれた場所だ。
眼下に見える基地の明かりを見つめながらミソラは彼から下りる。
背後から聞こえる金属音、それが収まってからオプティマスを見上げると彼の青い目と視線が合う。
「明るい内に見るここも好きだったけど、夜のここも綺麗だね」
『そこからではよく見えないだろう?乗ると良い』
差し出される大きな手。
その手にそっと乗ったミソラはオプティマスの指につかまる。ゆっくりと上がる彼の掌。
そこから見える景色は先程よりも綺麗だ
「オプティマス」
この光景を忘れないと思いながらミソラは彼の掌に触れる。
「私、今日の事を忘れないよ」
振り返ったミソラの目に飛び込んできたのは青い瞳。
暗闇の中でもはっきりと見える明かり。
自分を見守る明かり。
この光があれば、きっと大丈夫だと思いミソラは微笑む。
『ミソラ』
「会いに来てくれるでしょう?待ってるね」
『私は、』
「色々話を聞かせてね?」
青い瞳が泣きそうだとミソラは思ってしまう。
彼らは泣くのだろうか、そう考えたときバンブルビーの顔を思い出す。彼は器用なことにウォッシャー液を涙代わりにして必死にサムに訴えていたのだ。
きっかけは些細なことだったが、バンブルビーが泣いたということからサムは彼の我儘を渋々受け入れた。そこからバンブルビーは泣けばサムが折れるということを学び、何かあれば泣いて誤魔化すということを覚えた。
「帰ろう、オプティマス・・・貴方は行かないと駄目だよ」
そっと彼の目元に触れたミソラは降ろして欲しいと言うかのように下に視線を落とす。
すでに覚悟を決めたミソラに対し、オプティマスは何も言えなかった。
ただ、何かを堪えるかのように静かに目を伏せる。
このままミソラを連れていきたいと願う。
牢獄のような場所では無く、日の光で溢れた場所へと。
これは我儘だと思いながらオプティマスは手を下ろす。
今日の事をオプティマスは忘れないように決めると、メモリーにプロテクトをかける。いつでもこの光景を思い出せるように。
ミソラがお薦めだと言ってオプティマスに聞かせたCDだ。彼はよくこうして音楽を流してくれる。
時にはミソラが知らないものでもある。だがそれはミソラの好みのもので、彼が自分を理解しようとしてくれているのが嬉しかった。
「我儘を言いそうになったの」
通り過ぎていく街灯を見つめながらミソラは囁く。
走行音でかき消されそうなその声、人ならば聞き落としてしまいそうなその声は、人では無い彼の耳に届く。
「貴方達との約束を破りそうになった・・・駄目だね、約束をしたのに」
彼らはその約束を破ることをしなかったというのに。
困ったように笑うその顔がオプティマスには泣いているように見えた。
インターネットを通じてミソラくらいの年頃の者達がどのような生活を送っているのかオプティマスは調べたことがある。
参考までにと思ったことだが、調べた結果は彼の心を曇らせることだった。
平和なこの星に生まれた平和な子供達。
『誰も君を責めたりなどしない。君の決意はとても尊いものだと理解をしている。皆、君の事を誇りに思っている』
「ありがとう、オプティマス・・・・やっぱり貴方は優しいね」
丁度目的に地に到着したオプティマスがゆっくりと速度を落としてく。
一時間という短い時間、その時間から移動出来る場所など決まっている。
二人が来ているのはここに来てから一度だけ、二人で来た場所。
オプティマスが調べて連れてきてくれた場所だ。
眼下に見える基地の明かりを見つめながらミソラは彼から下りる。
背後から聞こえる金属音、それが収まってからオプティマスを見上げると彼の青い目と視線が合う。
「明るい内に見るここも好きだったけど、夜のここも綺麗だね」
『そこからではよく見えないだろう?乗ると良い』
差し出される大きな手。
その手にそっと乗ったミソラはオプティマスの指につかまる。ゆっくりと上がる彼の掌。
そこから見える景色は先程よりも綺麗だ
「オプティマス」
この光景を忘れないと思いながらミソラは彼の掌に触れる。
「私、今日の事を忘れないよ」
振り返ったミソラの目に飛び込んできたのは青い瞳。
暗闇の中でもはっきりと見える明かり。
自分を見守る明かり。
この光があれば、きっと大丈夫だと思いミソラは微笑む。
『ミソラ』
「会いに来てくれるでしょう?待ってるね」
『私は、』
「色々話を聞かせてね?」
青い瞳が泣きそうだとミソラは思ってしまう。
彼らは泣くのだろうか、そう考えたときバンブルビーの顔を思い出す。彼は器用なことにウォッシャー液を涙代わりにして必死にサムに訴えていたのだ。
きっかけは些細なことだったが、バンブルビーが泣いたということからサムは彼の我儘を渋々受け入れた。そこからバンブルビーは泣けばサムが折れるということを学び、何かあれば泣いて誤魔化すということを覚えた。
「帰ろう、オプティマス・・・貴方は行かないと駄目だよ」
そっと彼の目元に触れたミソラは降ろして欲しいと言うかのように下に視線を落とす。
すでに覚悟を決めたミソラに対し、オプティマスは何も言えなかった。
ただ、何かを堪えるかのように静かに目を伏せる。
このままミソラを連れていきたいと願う。
牢獄のような場所では無く、日の光で溢れた場所へと。
これは我儘だと思いながらオプティマスは手を下ろす。
今日の事をオプティマスは忘れないように決めると、メモリーにプロテクトをかける。いつでもこの光景を思い出せるように。