2章:忍び寄る復讐者の足音
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ディセプティコンの反応があると報告があったのは昨夜遅くの事だった。
慌ただしく出撃準備をするオートボット達をミソラは黙って見上げていた。
『ミソラ、少し良いか?』
ラチェットから声をかけられたミソラが声のした方を見ると、そこにはラチェットとオプティマスが居た。
彼らの雰囲気からきっと良くない報告なのだろうなと思いながら二人に近づく。
「気をつけてくださいね」
『勿論だとも』
オプティマスの掌に乗ったミソラは彼を見上げる。
しばしの間、二人は無言のまま相手の姿を見つめていたが、わざとらしい咳に気づき慌ててラチェットへと意識を向ける。
『・・・解っていると思うが、君の体に関することだ。本当ならば明日伝えようと思っていたが』
急な出撃が入ってしまったため不可能になった為、今夜伝えるとラチェットは答える。そんなに重要なことならば、日を改めて話せば良いことなのにとミソラは思ったが、この軍医が今話すということから、そうしなければならない深刻な事態が迫っているのだということを悟る。
ミソラは短いながらにラチェットというオートボットと過ごした時間がある。その間に彼という人を理解している。
「教えてください」
ミソラの返答にラチェットはアイカメラのシャッターを一度切る。
まるで悔いているかのようなその行動にミソラは彼の優しさを感じた。
ラチェットは持っていた機械のスイッチを入れる。
空中に映し出されたのは細かな数字だ。
『これは今までの君のデータだ。私の作った薬でエネルゴンの増加を遅らせる事は可能だった。だがここ最近のデータを見ての通り、薬で遅らせる事が難しくなってきている』
エネルゴンの増加をあくまでも軽減させる薬、ラチェットがミソラの為だけに処方してくれていた薬だ。
人よりも優れた術を持つオートボットが作り出した物。
だが、その効き目があまりなくなったという報告にミソラは動じることはしなかった。
何となく感じていたことだ。
最近の体調不良は薬を飲んでもあまり良くならないということを。
「・・・もう薬ではどうにもならないんですね」
『理解が早くて助かるよ』
苦渋の声でラチェットはそう呟くと空中に浮かべていた映像を消す。
彼が医者としてどのような決断をし、それを患者に伝えようとしているのか知るためにミソラはラチェットへと視線を向ける。
『二年間の間に何か決定的な物が作れればと思っていた・・・すまない』
二年間、彼はオートボットのリペアを行い、時にはディセプティコン討伐の任務にも就き、そしてミソラの薬も作ってくれた。
悔いるかのようなラチェットに対しミソラは笑顔で告げた。
「ラチェットには感謝しています。一つだけ聞いても良いですか?」
『今後の君の体に起るだろう事、そして我々が君をどうするかということだね?』
「はい」
知っておかねばならない。
場合によってはこの基地が襲撃されるかもしれないのだから。
ミソラの体にあるエネルゴンを狙い、ディセプティコンが攻撃をしてくる可能性が高い。
被害を食い止めるためにできることをしなければならない。
そのためにここに来たのだから。
『君は本当に医者の言葉に耳を傾けない患者だな』
呆れたような声で言われた言葉、ミソラは困ったように笑うしかできなかった。
慌ただしく出撃準備をするオートボット達をミソラは黙って見上げていた。
『ミソラ、少し良いか?』
ラチェットから声をかけられたミソラが声のした方を見ると、そこにはラチェットとオプティマスが居た。
彼らの雰囲気からきっと良くない報告なのだろうなと思いながら二人に近づく。
「気をつけてくださいね」
『勿論だとも』
オプティマスの掌に乗ったミソラは彼を見上げる。
しばしの間、二人は無言のまま相手の姿を見つめていたが、わざとらしい咳に気づき慌ててラチェットへと意識を向ける。
『・・・解っていると思うが、君の体に関することだ。本当ならば明日伝えようと思っていたが』
急な出撃が入ってしまったため不可能になった為、今夜伝えるとラチェットは答える。そんなに重要なことならば、日を改めて話せば良いことなのにとミソラは思ったが、この軍医が今話すということから、そうしなければならない深刻な事態が迫っているのだということを悟る。
ミソラは短いながらにラチェットというオートボットと過ごした時間がある。その間に彼という人を理解している。
「教えてください」
ミソラの返答にラチェットはアイカメラのシャッターを一度切る。
まるで悔いているかのようなその行動にミソラは彼の優しさを感じた。
ラチェットは持っていた機械のスイッチを入れる。
空中に映し出されたのは細かな数字だ。
『これは今までの君のデータだ。私の作った薬でエネルゴンの増加を遅らせる事は可能だった。だがここ最近のデータを見ての通り、薬で遅らせる事が難しくなってきている』
エネルゴンの増加をあくまでも軽減させる薬、ラチェットがミソラの為だけに処方してくれていた薬だ。
人よりも優れた術を持つオートボットが作り出した物。
だが、その効き目があまりなくなったという報告にミソラは動じることはしなかった。
何となく感じていたことだ。
最近の体調不良は薬を飲んでもあまり良くならないということを。
「・・・もう薬ではどうにもならないんですね」
『理解が早くて助かるよ』
苦渋の声でラチェットはそう呟くと空中に浮かべていた映像を消す。
彼が医者としてどのような決断をし、それを患者に伝えようとしているのか知るためにミソラはラチェットへと視線を向ける。
『二年間の間に何か決定的な物が作れればと思っていた・・・すまない』
二年間、彼はオートボットのリペアを行い、時にはディセプティコン討伐の任務にも就き、そしてミソラの薬も作ってくれた。
悔いるかのようなラチェットに対しミソラは笑顔で告げた。
「ラチェットには感謝しています。一つだけ聞いても良いですか?」
『今後の君の体に起るだろう事、そして我々が君をどうするかということだね?』
「はい」
知っておかねばならない。
場合によってはこの基地が襲撃されるかもしれないのだから。
ミソラの体にあるエネルゴンを狙い、ディセプティコンが攻撃をしてくる可能性が高い。
被害を食い止めるためにできることをしなければならない。
そのためにここに来たのだから。
『君は本当に医者の言葉に耳を傾けない患者だな』
呆れたような声で言われた言葉、ミソラは困ったように笑うしかできなかった。