2章:忍び寄る復讐者の足音
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
基地で過ごすようになってから数週間が過ぎていた。
ミソラは朝晩のラチェットの検査を受ける以外、特にすることが無いため彼の手伝いをして過ごしていた。
最初こそラチェットはその申し出を却下してきたのだが、ミソラが政府と交わしたという設定を見ると渋々受け入れてくれた。
『ミソラ』
名を呼ばれたミソラが振り返ると、そこには銀色の外装をしたオートボットが居た。アーシー達と一緒に来たという彼、サイドスワイプはミソラに近づくとその頭を軽く指でつつく。
彼なりの挨拶にミソラは笑みを浮かべると、自分の頭を軽くつついた指を手で叩いた。
「久しぶりね、サイドスワイプ。任務は無事に終わった?怪我は無い?」
『俺たちは全員無傷だぜ・・・・ただ、同行した軍人達に死傷者が出てる』
「・・・そっか」
『仕方ないことだ。俺達だっていつそうなるのか解らない。戦う者の宿命ってやつだな』
「でも私はやっぱり、無事に生きて帰ってきて欲しいな」
『解ってるよ』
排気を一つしたサイドスワイプは今回の任務で何体のディセプティコンを倒したのかミソラに話し始める。
人間と比べれば長寿であるオートボット。彼らの中でも年齢があるらしく、その中でもサイドスワイプは若い部類に入る。若者特有の興味というのか彼は人間に対してそれほど否定的ではなく、むしろ積極的に人間と関わりを持っていた。
そのおかげでオートボットに対し偏見を持っていた者達の見る目も変わっている。
『ミソラ、司令官の許可が出たらこの間みたいに基地の中を走るの手伝ってくれよ?最速タイムを更新してやる!!』
「嬉しいお誘いだけど、それはちょっと許して欲しいなぁ」
人間の乗った車とサイドスワイプはタイムを競うという遊びに最近ハマっている。
軍人達は運転技術を上げるという名目、サイドスワイプは戦闘での細かな動きをえるため、という名目で行っていることだが事実上ただの遊びとなっている。
先日などどちらが勝つかという賭まで行われたのだ。
その遊びにドライバーとしてミソラはたびたび引っ張り出されるのだ。
『良いだろ!?エップスから挑戦状を叩付けられたんだよ』
「・・・サイドスワイプの運転技術は認めるけど、やっぱりちょっとあの刺激は私には強すぎるし」
やんわりと否定の言葉を告げるのだが、サイドスワイプは中々退くことは無い。
どうしたものかと考えていると彼の背後にオプティマスが現れる。
『サイドスワイプ、あまりミソラを困らせるな』
『司令官!!』
いたずらが見つかった子供のように顔をしかめたサイドスワイプの姿がおもしろく、いけないと解っていながらもミソラは笑ってしまう。
すると咎めるような視線が向けられた。
『ミソラ、帰還した』
「おかえりなさい。オプティマス・・・無事で良かった」
トクンと強く脈打つ心臓。
久しぶりに見る青い瞳と静かな声にミソラは知らず知らずのうちに頬を赤くする。この感情の名前をミソラは知っている。
知っているがその感情に目を背けるのだ。
人とオートボット、生きる過程がまるで違うのだから。
この思いを告げることは出来ない。
だが、殺すことも出来ない。
だからミソラは見ぬふりをする。ひっそりと芽吹いていくその感情を。
ミソラは朝晩のラチェットの検査を受ける以外、特にすることが無いため彼の手伝いをして過ごしていた。
最初こそラチェットはその申し出を却下してきたのだが、ミソラが政府と交わしたという設定を見ると渋々受け入れてくれた。
『ミソラ』
名を呼ばれたミソラが振り返ると、そこには銀色の外装をしたオートボットが居た。アーシー達と一緒に来たという彼、サイドスワイプはミソラに近づくとその頭を軽く指でつつく。
彼なりの挨拶にミソラは笑みを浮かべると、自分の頭を軽くつついた指を手で叩いた。
「久しぶりね、サイドスワイプ。任務は無事に終わった?怪我は無い?」
『俺たちは全員無傷だぜ・・・・ただ、同行した軍人達に死傷者が出てる』
「・・・そっか」
『仕方ないことだ。俺達だっていつそうなるのか解らない。戦う者の宿命ってやつだな』
「でも私はやっぱり、無事に生きて帰ってきて欲しいな」
『解ってるよ』
排気を一つしたサイドスワイプは今回の任務で何体のディセプティコンを倒したのかミソラに話し始める。
人間と比べれば長寿であるオートボット。彼らの中でも年齢があるらしく、その中でもサイドスワイプは若い部類に入る。若者特有の興味というのか彼は人間に対してそれほど否定的ではなく、むしろ積極的に人間と関わりを持っていた。
そのおかげでオートボットに対し偏見を持っていた者達の見る目も変わっている。
『ミソラ、司令官の許可が出たらこの間みたいに基地の中を走るの手伝ってくれよ?最速タイムを更新してやる!!』
「嬉しいお誘いだけど、それはちょっと許して欲しいなぁ」
人間の乗った車とサイドスワイプはタイムを競うという遊びに最近ハマっている。
軍人達は運転技術を上げるという名目、サイドスワイプは戦闘での細かな動きをえるため、という名目で行っていることだが事実上ただの遊びとなっている。
先日などどちらが勝つかという賭まで行われたのだ。
その遊びにドライバーとしてミソラはたびたび引っ張り出されるのだ。
『良いだろ!?エップスから挑戦状を叩付けられたんだよ』
「・・・サイドスワイプの運転技術は認めるけど、やっぱりちょっとあの刺激は私には強すぎるし」
やんわりと否定の言葉を告げるのだが、サイドスワイプは中々退くことは無い。
どうしたものかと考えていると彼の背後にオプティマスが現れる。
『サイドスワイプ、あまりミソラを困らせるな』
『司令官!!』
いたずらが見つかった子供のように顔をしかめたサイドスワイプの姿がおもしろく、いけないと解っていながらもミソラは笑ってしまう。
すると咎めるような視線が向けられた。
『ミソラ、帰還した』
「おかえりなさい。オプティマス・・・無事で良かった」
トクンと強く脈打つ心臓。
久しぶりに見る青い瞳と静かな声にミソラは知らず知らずのうちに頬を赤くする。この感情の名前をミソラは知っている。
知っているがその感情に目を背けるのだ。
人とオートボット、生きる過程がまるで違うのだから。
この思いを告げることは出来ない。
だが、殺すことも出来ない。
だからミソラは見ぬふりをする。ひっそりと芽吹いていくその感情を。