2章:忍び寄る復讐者の足音
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もう見慣れた黄緑色のロボットに向かいミソラはにっこりと微笑みかける。
「これからよろしくお願いします。ラチェット」
『こちらこそ・・・さて、早速だが採血をしたい。前回の結果で少々気になることが出たのでね』
ラチェットはミソラに対しあまり隠し事をしない。
ミソラが答えを求めれば教えてくれる。
『場合によっては薬を変える必要があるな。薬の副作用は前々回の物だけだったね?』
「はい」
袖をまくりながらミソラは答える。
前々回の薬は少々強かったらしく、ミソラは酷い倦怠感に襲われベッドから出ることが出来なかったのだ。その時はサムが居てくれたので、バンブルビーに乗せられて彼の元にやってきた。
今度からそんなことは無くなる。
ミソラの部屋はラチェットの施設のすぐ近くにある。
採血が無事に終わるとラチェットは血液のデータを読み始める。問題が無ければ彼はすぐに答えてくれるが、何かあったときは沈黙をするのだ。
ある意味で解りやすい反応にミソラは苦笑を浮かべる。
「薬の数が増えそうですか?」
『残念ながらそうなりそうだ』
現在、ミソラが一度に服用する薬の数は三錠だ。
最初は一日二回から一日三回、一錠から二錠、そして三錠へと増えていった。そのことに対し、ラチェットは何も言わなかった。
ただ、彼の青い目が酷く辛そうで、彼のせいではないとミソラは言うことが精一杯だったのだ。
『先生、ミソラさん。薬をお持ちしました』
現れたジョルトに対しミソラは久しぶりと言うかのように手を振ると、彼は頭部を縦にゆっくりと動かした。
『今後は朝と夜に検診をさせて欲しい。ここ最近、君の体にあるエネルゴン量が増加している。この薬が効けば良いのだが』
効かなければ別の対処を考えねばならない。
疲れたようにため息を吐いたラチェットに対し、労いの言葉を告げたミソラをラチェットは奇妙な生き物を見るかのようにジッと見つめる。
『君は自分のことをもっと考えなさい。もっと我儘を言いなさい、もっと主張をしなさい・・・少なくとも私には思ったことを言うように。私は君の主治医なのだから』
患者の不安を取り除くのも仕事の一つだと言ったラチェットは大きな手でミソラを撫でる。
微かに痛みを感じるその動作にミソラは笑う。
ここにいるオートボット達は皆、優しい。
「大丈夫です」
『そうは見えないから言っているのだよ。家族と引き離されて寂しいのだろう?』
「確かにそれはあります。でも・・・」
思い出すのはここに来るときに聞いた音楽。
戸惑いがちに話しかけてきた声。
労るかのように振動を感じさせない運転。
何度か二人で訪れた秘密の場所での会話を思い出したとき、ミソラは胸に微かな痛みが走るのを感じた。
心地の良いその痛みと共に思い出すのは大きな姿。
『ミソラ?気分でも悪いのか?』
「っ・・・いいえ!大丈夫です」
頬を少しだけ紅潮させて咄嗟にそう答えたミソラの様子は明らかに大丈夫では無かった。
その姿を見たラチェットは無言のままミソラをスキャンし、そのことに気づいたジョルトが呆れたように肩をすくめた。
「これからよろしくお願いします。ラチェット」
『こちらこそ・・・さて、早速だが採血をしたい。前回の結果で少々気になることが出たのでね』
ラチェットはミソラに対しあまり隠し事をしない。
ミソラが答えを求めれば教えてくれる。
『場合によっては薬を変える必要があるな。薬の副作用は前々回の物だけだったね?』
「はい」
袖をまくりながらミソラは答える。
前々回の薬は少々強かったらしく、ミソラは酷い倦怠感に襲われベッドから出ることが出来なかったのだ。その時はサムが居てくれたので、バンブルビーに乗せられて彼の元にやってきた。
今度からそんなことは無くなる。
ミソラの部屋はラチェットの施設のすぐ近くにある。
採血が無事に終わるとラチェットは血液のデータを読み始める。問題が無ければ彼はすぐに答えてくれるが、何かあったときは沈黙をするのだ。
ある意味で解りやすい反応にミソラは苦笑を浮かべる。
「薬の数が増えそうですか?」
『残念ながらそうなりそうだ』
現在、ミソラが一度に服用する薬の数は三錠だ。
最初は一日二回から一日三回、一錠から二錠、そして三錠へと増えていった。そのことに対し、ラチェットは何も言わなかった。
ただ、彼の青い目が酷く辛そうで、彼のせいではないとミソラは言うことが精一杯だったのだ。
『先生、ミソラさん。薬をお持ちしました』
現れたジョルトに対しミソラは久しぶりと言うかのように手を振ると、彼は頭部を縦にゆっくりと動かした。
『今後は朝と夜に検診をさせて欲しい。ここ最近、君の体にあるエネルゴン量が増加している。この薬が効けば良いのだが』
効かなければ別の対処を考えねばならない。
疲れたようにため息を吐いたラチェットに対し、労いの言葉を告げたミソラをラチェットは奇妙な生き物を見るかのようにジッと見つめる。
『君は自分のことをもっと考えなさい。もっと我儘を言いなさい、もっと主張をしなさい・・・少なくとも私には思ったことを言うように。私は君の主治医なのだから』
患者の不安を取り除くのも仕事の一つだと言ったラチェットは大きな手でミソラを撫でる。
微かに痛みを感じるその動作にミソラは笑う。
ここにいるオートボット達は皆、優しい。
「大丈夫です」
『そうは見えないから言っているのだよ。家族と引き離されて寂しいのだろう?』
「確かにそれはあります。でも・・・」
思い出すのはここに来るときに聞いた音楽。
戸惑いがちに話しかけてきた声。
労るかのように振動を感じさせない運転。
何度か二人で訪れた秘密の場所での会話を思い出したとき、ミソラは胸に微かな痛みが走るのを感じた。
心地の良いその痛みと共に思い出すのは大きな姿。
『ミソラ?気分でも悪いのか?』
「っ・・・いいえ!大丈夫です」
頬を少しだけ紅潮させて咄嗟にそう答えたミソラの様子は明らかに大丈夫では無かった。
その姿を見たラチェットは無言のままミソラをスキャンし、そのことに気づいたジョルトが呆れたように肩をすくめた。