2章:忍び寄る復讐者の足音
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表向き、ミソラはラチェットの研究施設の助手として派遣をされるという形になっている。怪しまれないように政府の人間が用意してくれた”設定”というものがあり、それを守るようにということも先程の書類には書かれていた。
『ミソラ、終わった?』
「アーシー!!うん。無事に終わったよ」
バイクに乗っているホログラムの姿に気づいたミソラは嬉しそうに彼女に話しかけている。
彼女達は遅れて地球に来た組だ。
その後、ミソラの護衛として任命されていた。
同じ女性同士ということもあってか、よくガールズトークをしている姿は施設の中で見かけられており、微笑ましいその光景に皆笑みを浮かべていた。
『貴方の部屋まで案内するわ。後ろに乗って?』
「ありがとう」
アーシーの本体であるバイクに乗ったミソラはレノックスへと視線を向ける。
「鞄は後で届ける」
「ありがとうございます」
『動くわよ?ラチェットが待っているの・・・これ以上待たせると被害者が出そう』
「そりゃ大変だ。任せたぞ、アーシー」
あの軍医の機嫌を損ねればどうなるのかこの基地にいる者達は解っている。
それはそれは恐ろしい結果になるので、レノックスはさっさと行けと言うかのように手をヒラヒラと振る。
エンジン音を響かせて去って行ったバイクをレノックスはしばしの間見つめていた。
「酷なもんだ」
「あぁ・・本当に」
どこかで事を静観していたらしいエップスが現れる。
「写真関係は全て処分されるらしい。あの一家が黙っていないと思うが・・・」
「お偉いさん達が何かするさ。もうすでに彼女はここに居る。会うことも無い。強引にでも処分するだろう・・・」
「この無骨な籠の中であの嬢ちゃんは飼い殺されるのか」
保護という聞こえの良い言葉の影には自由を失うことを意味している。
ミソラには今後監視の目が常について回るのだ。
アイアンハイドからこっそりと教えてもらった情報がレノックスの脳裏に浮かぶ。もしも本当にそうなったのならばあまりにも哀れだと思う。
「エップス」
「なんだ?」
「・・・少し任せて良いか。ちょっと電話してくる」
「良いぜ」
子を持つ親だから解ることもある。
もしも、もしもアナベルがミソラと同じ境遇になったらレノックスはどうするのだろうかとエップスは思う。
目に入れても痛くないほど可愛がっている娘。
その娘が一生、こんな所に閉じ込められることになる。
きっと親としては許せないだろうとエップスは思う。そんな彼だからこそミソラが辛い思いをしないよう、上層部に掛け合いある条件下においては自由行動を許すよう嘆願書を提出したのだ。
掌に収まる程度の幸せ。
その幸せすら彼女には満足には与えられない。
「こんな殺風景な場所でささやかな幸せでも感じてくれれば良いんだがねぇ」
娯楽も何も無いこんな施設では無理だろうなと思いながらエップスは空に向かって呟いた。
『ミソラ、終わった?』
「アーシー!!うん。無事に終わったよ」
バイクに乗っているホログラムの姿に気づいたミソラは嬉しそうに彼女に話しかけている。
彼女達は遅れて地球に来た組だ。
その後、ミソラの護衛として任命されていた。
同じ女性同士ということもあってか、よくガールズトークをしている姿は施設の中で見かけられており、微笑ましいその光景に皆笑みを浮かべていた。
『貴方の部屋まで案内するわ。後ろに乗って?』
「ありがとう」
アーシーの本体であるバイクに乗ったミソラはレノックスへと視線を向ける。
「鞄は後で届ける」
「ありがとうございます」
『動くわよ?ラチェットが待っているの・・・これ以上待たせると被害者が出そう』
「そりゃ大変だ。任せたぞ、アーシー」
あの軍医の機嫌を損ねればどうなるのかこの基地にいる者達は解っている。
それはそれは恐ろしい結果になるので、レノックスはさっさと行けと言うかのように手をヒラヒラと振る。
エンジン音を響かせて去って行ったバイクをレノックスはしばしの間見つめていた。
「酷なもんだ」
「あぁ・・本当に」
どこかで事を静観していたらしいエップスが現れる。
「写真関係は全て処分されるらしい。あの一家が黙っていないと思うが・・・」
「お偉いさん達が何かするさ。もうすでに彼女はここに居る。会うことも無い。強引にでも処分するだろう・・・」
「この無骨な籠の中であの嬢ちゃんは飼い殺されるのか」
保護という聞こえの良い言葉の影には自由を失うことを意味している。
ミソラには今後監視の目が常について回るのだ。
アイアンハイドからこっそりと教えてもらった情報がレノックスの脳裏に浮かぶ。もしも本当にそうなったのならばあまりにも哀れだと思う。
「エップス」
「なんだ?」
「・・・少し任せて良いか。ちょっと電話してくる」
「良いぜ」
子を持つ親だから解ることもある。
もしも、もしもアナベルがミソラと同じ境遇になったらレノックスはどうするのだろうかとエップスは思う。
目に入れても痛くないほど可愛がっている娘。
その娘が一生、こんな所に閉じ込められることになる。
きっと親としては許せないだろうとエップスは思う。そんな彼だからこそミソラが辛い思いをしないよう、上層部に掛け合いある条件下においては自由行動を許すよう嘆願書を提出したのだ。
掌に収まる程度の幸せ。
その幸せすら彼女には満足には与えられない。
「こんな殺風景な場所でささやかな幸せでも感じてくれれば良いんだがねぇ」
娯楽も何も無いこんな施設では無理だろうなと思いながらエップスは空に向かって呟いた。