2章:忍び寄る復讐者の足音
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トラックでの長旅は想像していたよりも辛くは無かった。
オプティマスの運転が上手いからなのだろうなと思いながらミソラは彼から下りるとドアを軽く叩く。
「ありがとう」
最低限の荷物のみ一緒に持ってきている。
大きな荷物は先にこの場所へと送っているのだ。
このディエゴガルシア基地へと。
現在、オートボット達はこの場所を拠点として動いている為、ミソラもこの基地での生活を余儀なくされることとなる。
「えっと、手続きとかしなきゃ駄目だよね?誰の所に行けば良いの?」
『レノックスがこの先で待っている。詳しいことは彼から聞いて欲しい。後でアーシーを迎えに出そう』
「解った」
オプティマスが指さした先にある建物へとミソラは向かう。
入り口にはすでにレノックスが待機しており、ミソラを見ると彼は複雑そうな顔をして片手を上げた。
「来たな」
「はい。これからよろしくお願いします」
「よせよせ、そんな堅苦しい挨拶なんて!・・・お前さんも大変だな」
ミソラの身に起きている事を知っているのはごくわずかだ。
この基地の上層部とごく一部の政府の人間のみ。本来ならばもっと情報を絞りたいところだが、民間人をここに連れてくる事を彼らは素直に受け入れてはくれなかった。
軍事施設で民間人を保護をするというのならば理由を話せという政府に対し、オプティマスはミソラの身に起きたことを説明したのだ。
「では中でサインをしてもらおうか」
足を踏み入れた館内は軍人達で溢れている。
すれ違う人達が興味深そうな顔をして見つめてくる中、ミソラはある部屋へと案内される。
簡素なその部屋にあるソファに座ったミソラにレノックスはコーヒーを差し出す。
「ありがとうございます」
「いや・・・・しかし、本当に良いのか?他にも方法があったんじゃないか?」
自身も娘が居るレノックスはミソラに対し、とても同情的であった。
ラチェットの研究施設で何度か会ったことがあるのだが、そのたびに考え直すように、今ならまだ考えを変えることが出来ると言ってきたのだ。
「これで良いんです。彼らに被害が及ぶ前に離れた方が良いんです」
「・・・・そうか。ならこれ以上何か言うのはやめておこう」
引き出しから何枚かの書類を取り出したレノックスはミソラの前にソレを置く。
書類にはこの基地にいる間に関する規約が書かれている。
最後に手にした書類、それにはミソラという存在をこの世から消すと言うことに対する同意書だ。
「ミソラの生活に関する事は今後政府が全て持つ」
その代わりとしてミソラの検査結果は全て政府へと提出される形となっている。
顔には出さないがレノックスはこの提案をした者達を殴り倒したい気持ちだった。人としての人権を奪い上げ、被献体としてしかミソラを見ようとしない者達に対し、彼は同じ人間なのだろうかと考える。
これならばオートボット達の方がミソラのことを考えている。
「・・・仕方ないですよ、レノックスさん」
全ての書類に迷うこと無くサインをしたミソラに対し、レノックスは無言のまま頭を撫でてやった。
成人すらしていない子供に対し、いい歳をした大人が何も出来ないことが悔しかった。
オプティマスの運転が上手いからなのだろうなと思いながらミソラは彼から下りるとドアを軽く叩く。
「ありがとう」
最低限の荷物のみ一緒に持ってきている。
大きな荷物は先にこの場所へと送っているのだ。
このディエゴガルシア基地へと。
現在、オートボット達はこの場所を拠点として動いている為、ミソラもこの基地での生活を余儀なくされることとなる。
「えっと、手続きとかしなきゃ駄目だよね?誰の所に行けば良いの?」
『レノックスがこの先で待っている。詳しいことは彼から聞いて欲しい。後でアーシーを迎えに出そう』
「解った」
オプティマスが指さした先にある建物へとミソラは向かう。
入り口にはすでにレノックスが待機しており、ミソラを見ると彼は複雑そうな顔をして片手を上げた。
「来たな」
「はい。これからよろしくお願いします」
「よせよせ、そんな堅苦しい挨拶なんて!・・・お前さんも大変だな」
ミソラの身に起きている事を知っているのはごくわずかだ。
この基地の上層部とごく一部の政府の人間のみ。本来ならばもっと情報を絞りたいところだが、民間人をここに連れてくる事を彼らは素直に受け入れてはくれなかった。
軍事施設で民間人を保護をするというのならば理由を話せという政府に対し、オプティマスはミソラの身に起きたことを説明したのだ。
「では中でサインをしてもらおうか」
足を踏み入れた館内は軍人達で溢れている。
すれ違う人達が興味深そうな顔をして見つめてくる中、ミソラはある部屋へと案内される。
簡素なその部屋にあるソファに座ったミソラにレノックスはコーヒーを差し出す。
「ありがとうございます」
「いや・・・・しかし、本当に良いのか?他にも方法があったんじゃないか?」
自身も娘が居るレノックスはミソラに対し、とても同情的であった。
ラチェットの研究施設で何度か会ったことがあるのだが、そのたびに考え直すように、今ならまだ考えを変えることが出来ると言ってきたのだ。
「これで良いんです。彼らに被害が及ぶ前に離れた方が良いんです」
「・・・・そうか。ならこれ以上何か言うのはやめておこう」
引き出しから何枚かの書類を取り出したレノックスはミソラの前にソレを置く。
書類にはこの基地にいる間に関する規約が書かれている。
最後に手にした書類、それにはミソラという存在をこの世から消すと言うことに対する同意書だ。
「ミソラの生活に関する事は今後政府が全て持つ」
その代わりとしてミソラの検査結果は全て政府へと提出される形となっている。
顔には出さないがレノックスはこの提案をした者達を殴り倒したい気持ちだった。人としての人権を奪い上げ、被献体としてしかミソラを見ようとしない者達に対し、彼は同じ人間なのだろうかと考える。
これならばオートボット達の方がミソラのことを考えている。
「・・・仕方ないですよ、レノックスさん」
全ての書類に迷うこと無くサインをしたミソラに対し、レノックスは無言のまま頭を撫でてやった。
成人すらしていない子供に対し、いい歳をした大人が何も出来ないことが悔しかった。