2章:忍び寄る復讐者の足音
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家具しか置かれていない室内をミソラは見渡す。
初めて来たときと同じ状態の部屋に対し、懐かしさと寂しさを感じてていると、外からクラクションの音が聞こえてくる。
「行かなきゃ」
足下に置いていた鞄を手に持つ。
来たときは半分くらいしか入れる物がなくて軽かった鞄。だが、今持った鞄にはぎっしりと荷物が詰められているせいかとても重い。
これでもかなり量を減らしたのだが、予想していたよりも重たかったことにミソラは顔をしかめながら階段を下りようとしたときだ。
「持つよ」
伸ばされた手が鞄を奪っていく。
「ありがとう、サム」
「どういたしまして」
玄関を出たところにいたのはロンとジュディだ。
二人は複雑な顔をしてミソラを見つめていた。
「今までお世話になりました。ウィトウィッキー家で過ごした日はとてもかけがえのないものでした」
頭を下げようとしたミソラであったが、それは叶わなかった。
顔をくしゃくしゃにしたジュディが抱きしめてきたからだ。グリグリと頭をなで回され、こめかみにキスの嵐が落とされる。
「いつでも帰ってきて良いのよ、ここは貴方の家なんだから!!」
「なにも飛行機を乗り継いで行くような遠くの大学に通う必要は無かったんじゃないか?サムと同じ大学に行けば良いんだ・・・そうだとも!今から編入の手続きを」
良い考えだと言うかのように声高らかに宣言したロンに向かい、ミソラは助けを求めるかのようにサムを見る。
「僕も父さんと同意見」
「サム」
ミソラは表向き、ここからかなり遠い大学に通うということになっている。
存在をしない大学へと通う手はずは全て政府が行ってくれた。
ロンとジュディを騙すことに対し申し訳なさを抱くが、彼らを守るためにも仕方の無い選択だ。
「でも、ミソラがやりたいことを見つけて、ソレを叶えるための道がそこにしか無いなら仕方ないじゃ無いか」
だから応援してあげよう。
サムの言葉に論はそれ以上言わなかった。
バンブルビーとの付き合いがあるからなのか、サムにはミソラの事情が説明されている。最初こそ納得しなかったサムであったが、ミソラの為だと言われれば渋々受け入れるしか無かった。
「君はほんとに頑固者で、そして秘密主義だね」
困ったようにサムは微笑んでそう告げた。
二年間、何も知らずに一緒に過ごしてきたのだ。
これからもこんな日々が続くのだと思っていたある日、突然告げられた決定に納得など出来なかった。話してくれればもっとたくさんの思い出が作れたはずなのだから。
「ありがとう。サム」
「いいんだよ。あっちでも頑張って」
「うん」
二人とも口にこそしなかったが寂しくなる、という思いを抱きながら一つ頷いた。
初めて来たときと同じ状態の部屋に対し、懐かしさと寂しさを感じてていると、外からクラクションの音が聞こえてくる。
「行かなきゃ」
足下に置いていた鞄を手に持つ。
来たときは半分くらいしか入れる物がなくて軽かった鞄。だが、今持った鞄にはぎっしりと荷物が詰められているせいかとても重い。
これでもかなり量を減らしたのだが、予想していたよりも重たかったことにミソラは顔をしかめながら階段を下りようとしたときだ。
「持つよ」
伸ばされた手が鞄を奪っていく。
「ありがとう、サム」
「どういたしまして」
玄関を出たところにいたのはロンとジュディだ。
二人は複雑な顔をしてミソラを見つめていた。
「今までお世話になりました。ウィトウィッキー家で過ごした日はとてもかけがえのないものでした」
頭を下げようとしたミソラであったが、それは叶わなかった。
顔をくしゃくしゃにしたジュディが抱きしめてきたからだ。グリグリと頭をなで回され、こめかみにキスの嵐が落とされる。
「いつでも帰ってきて良いのよ、ここは貴方の家なんだから!!」
「なにも飛行機を乗り継いで行くような遠くの大学に通う必要は無かったんじゃないか?サムと同じ大学に行けば良いんだ・・・そうだとも!今から編入の手続きを」
良い考えだと言うかのように声高らかに宣言したロンに向かい、ミソラは助けを求めるかのようにサムを見る。
「僕も父さんと同意見」
「サム」
ミソラは表向き、ここからかなり遠い大学に通うということになっている。
存在をしない大学へと通う手はずは全て政府が行ってくれた。
ロンとジュディを騙すことに対し申し訳なさを抱くが、彼らを守るためにも仕方の無い選択だ。
「でも、ミソラがやりたいことを見つけて、ソレを叶えるための道がそこにしか無いなら仕方ないじゃ無いか」
だから応援してあげよう。
サムの言葉に論はそれ以上言わなかった。
バンブルビーとの付き合いがあるからなのか、サムにはミソラの事情が説明されている。最初こそ納得しなかったサムであったが、ミソラの為だと言われれば渋々受け入れるしか無かった。
「君はほんとに頑固者で、そして秘密主義だね」
困ったようにサムは微笑んでそう告げた。
二年間、何も知らずに一緒に過ごしてきたのだ。
これからもこんな日々が続くのだと思っていたある日、突然告げられた決定に納得など出来なかった。話してくれればもっとたくさんの思い出が作れたはずなのだから。
「ありがとう。サム」
「いいんだよ。あっちでも頑張って」
「うん」
二人とも口にこそしなかったが寂しくなる、という思いを抱きながら一つ頷いた。