5章:エピローグ
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全てを飲み込んでしまいそうなほど柔らかな砂漠の上を女がたった一人歩いている。
足取りは一度たりとも淀むことはせず、ある場所へと向かって足を進め続けている女に最初に気づいたのは一人の男だ。
「誰だ?」
持っていた資料をデスクの上に置いた男はこちらに向かってくる女へと視線を向ける。
近隣住民だろうか?そう思った男だったが、この辺一帯には避難命令が下されているので民間人は居ない事を思い出す。
「迷ったって格好じゃ無いな」
旅人のような大きなリュックを背負っておらず、ましてやこの灼熱の砂漠を移動するにしては不適切だと思えるような服装をしている。
ヒラヒラとした薄い布を頭から被っておりその顔を見ることは出来ない。
顔を見ることが出来たのならば、その造形からこの辺に棲んでいた民間人か、または違うのかが解るのに。
そう思った男に答えるかのように一筋に風が吹き、女の顔や身体を隠すかのように巻かれている柔からな布がフワリと捲られる。
「・・・アジア人?」
布の下から現れた女の顔は幼さの残っている少女のものだ。
男はその顔になんだか見覚えがあるような気がした。どこかで確実に見ている、それもかなり重要な情報だと思うが答えは見つからない。
少女の関する事を思い出すのは後にしようと決めた男は、何故この地にアジア人の少女が来るのだろうか?と思いながら腰に差してある拳銃を確認する。
伝わってきた銃の感触に焦り始めた気持ちが落ち着きを取り戻し始め、男は今成すべき事を実行することを決めると口を開く。
「止まれ」
男の言葉に少女の歩みが止った。
武器を持っていないか確認するためマジマジと少女を観察し始めた男が最初に確認できたのは、額に銀色に輝くサークレット、指にはめられている銀色の指輪くらいなものだ。
身体の線がうっすらと解る衣服には武器を隠せそうも無い。
敵ではないことに安堵の息をこぼしたものの、男はすぐに何とも言えない気まずさを抱く。
年頃の女性の身体をマジマジと見るのはちょっと失礼だったな、と思うと謝罪の言葉を告げようとしたときだ
「彼に触れないで・・・嫌がっているわ」
「彼?」
「そう、彼よ」
淡々とした声で告げる少女は男から視線を逸らすと、彼の背後にある巨大な何かを見上げた。
突如現れた六本の角。
その調査を男はしていたのだが、コレが一体何なのか、なんの目的で現れたのか全く解らないままだった。
「君はコレがなんなのか知っているのか?」
少女の言動から彼女が角の正体を知っているのだと悟った男はようやく見つけた希望に顔を輝かせた。
「彼の事はよく知っているわ」
「えっと・・・彼?」
「彼の名はユニクロン」
憎い敵の名を口にした少女はようやく角から視線を逸らす。
ジッと自分を見つめてくる男の顔には最初あった警戒心は消えていることに気づくと、好都合だと言うかのように唇に笑みを浮かべる。
「知りたい?」
「なにを?」
「彼の殺し方」
知りたいのならば教えてあげる。
そう呟いた少女は妖艶な笑みを浮かべながら、ゆっくりとした足取りで近づいてくるのを男は黙って見つめる事しか出来ない。
天使の啓示か、それとも悪魔の誘惑か。
必死に考えている男の眼前に来た少女は男の頬をそっと撫でる。
その手は砂漠を歩いてきたにしては随分と冷たかった。
まるで金属のようだと思いながら男は少女の瞳を見つめていると、少女の唇が一瞬だけ男のものと重なる。
「貴方が望むのなら教えて上げる」
フワリと微笑んだ少女の顔を見た瞬間、男はこの少女が誰なのかようやく思い出す。
オプティマス・プライムと共に最重要指名手配されていたミソラだ。
何故彼女がここに居るのだ?そして何故自分に情報を教えるのだ?と考えた男だったが、すぐにそれはどうでも良いことだと思いながら少女の身体を抱きしめる。
それは男の意思では無い。
けれど、そうしなければならない気がしたのだ。
そんな男の行動にたいして満足そうに微笑みながらソレは告げる。
「創造主たる私を滅ぼしたお前達にはその身をもって罪を償って貰います」
柔らかな肌が突如、金属めいた輝きを放つ。
黒かった瞳は紫の光を一瞬だけはなった後、何事も無かったかのように沈黙した。
ミソラと同じ顔をしている少女の正体はクインテッサだ。
あの時、クインテッサは身体が崩壊していく中、なけなしの力を使って自身の身体を灰に変換した。
そしてミソラの身体をスキャンし、風に乗って安全な場所まで逃げたのだ。
「さぁ始めましょう」
サイバトロン星を選ぶのか、地球であるユニクロンを選ぶのか。
ソレを選ぶのは2人だ。
プライムの名を持つ唯一の存在となった、オプティマス・プライム。
オールスパークの力をその身に宿している、ミソラ。
「せいぜい苦しみなさい」
押し殺した笑い声が唇から溢れる。
次第にソレは大きな声となり砂漠に不気味に響いて終わるだけだった。
足取りは一度たりとも淀むことはせず、ある場所へと向かって足を進め続けている女に最初に気づいたのは一人の男だ。
「誰だ?」
持っていた資料をデスクの上に置いた男はこちらに向かってくる女へと視線を向ける。
近隣住民だろうか?そう思った男だったが、この辺一帯には避難命令が下されているので民間人は居ない事を思い出す。
「迷ったって格好じゃ無いな」
旅人のような大きなリュックを背負っておらず、ましてやこの灼熱の砂漠を移動するにしては不適切だと思えるような服装をしている。
ヒラヒラとした薄い布を頭から被っておりその顔を見ることは出来ない。
顔を見ることが出来たのならば、その造形からこの辺に棲んでいた民間人か、または違うのかが解るのに。
そう思った男に答えるかのように一筋に風が吹き、女の顔や身体を隠すかのように巻かれている柔からな布がフワリと捲られる。
「・・・アジア人?」
布の下から現れた女の顔は幼さの残っている少女のものだ。
男はその顔になんだか見覚えがあるような気がした。どこかで確実に見ている、それもかなり重要な情報だと思うが答えは見つからない。
少女の関する事を思い出すのは後にしようと決めた男は、何故この地にアジア人の少女が来るのだろうか?と思いながら腰に差してある拳銃を確認する。
伝わってきた銃の感触に焦り始めた気持ちが落ち着きを取り戻し始め、男は今成すべき事を実行することを決めると口を開く。
「止まれ」
男の言葉に少女の歩みが止った。
武器を持っていないか確認するためマジマジと少女を観察し始めた男が最初に確認できたのは、額に銀色に輝くサークレット、指にはめられている銀色の指輪くらいなものだ。
身体の線がうっすらと解る衣服には武器を隠せそうも無い。
敵ではないことに安堵の息をこぼしたものの、男はすぐに何とも言えない気まずさを抱く。
年頃の女性の身体をマジマジと見るのはちょっと失礼だったな、と思うと謝罪の言葉を告げようとしたときだ
「彼に触れないで・・・嫌がっているわ」
「彼?」
「そう、彼よ」
淡々とした声で告げる少女は男から視線を逸らすと、彼の背後にある巨大な何かを見上げた。
突如現れた六本の角。
その調査を男はしていたのだが、コレが一体何なのか、なんの目的で現れたのか全く解らないままだった。
「君はコレがなんなのか知っているのか?」
少女の言動から彼女が角の正体を知っているのだと悟った男はようやく見つけた希望に顔を輝かせた。
「彼の事はよく知っているわ」
「えっと・・・彼?」
「彼の名はユニクロン」
憎い敵の名を口にした少女はようやく角から視線を逸らす。
ジッと自分を見つめてくる男の顔には最初あった警戒心は消えていることに気づくと、好都合だと言うかのように唇に笑みを浮かべる。
「知りたい?」
「なにを?」
「彼の殺し方」
知りたいのならば教えてあげる。
そう呟いた少女は妖艶な笑みを浮かべながら、ゆっくりとした足取りで近づいてくるのを男は黙って見つめる事しか出来ない。
天使の啓示か、それとも悪魔の誘惑か。
必死に考えている男の眼前に来た少女は男の頬をそっと撫でる。
その手は砂漠を歩いてきたにしては随分と冷たかった。
まるで金属のようだと思いながら男は少女の瞳を見つめていると、少女の唇が一瞬だけ男のものと重なる。
「貴方が望むのなら教えて上げる」
フワリと微笑んだ少女の顔を見た瞬間、男はこの少女が誰なのかようやく思い出す。
オプティマス・プライムと共に最重要指名手配されていたミソラだ。
何故彼女がここに居るのだ?そして何故自分に情報を教えるのだ?と考えた男だったが、すぐにそれはどうでも良いことだと思いながら少女の身体を抱きしめる。
それは男の意思では無い。
けれど、そうしなければならない気がしたのだ。
そんな男の行動にたいして満足そうに微笑みながらソレは告げる。
「創造主たる私を滅ぼしたお前達にはその身をもって罪を償って貰います」
柔らかな肌が突如、金属めいた輝きを放つ。
黒かった瞳は紫の光を一瞬だけはなった後、何事も無かったかのように沈黙した。
ミソラと同じ顔をしている少女の正体はクインテッサだ。
あの時、クインテッサは身体が崩壊していく中、なけなしの力を使って自身の身体を灰に変換した。
そしてミソラの身体をスキャンし、風に乗って安全な場所まで逃げたのだ。
「さぁ始めましょう」
サイバトロン星を選ぶのか、地球であるユニクロンを選ぶのか。
ソレを選ぶのは2人だ。
プライムの名を持つ唯一の存在となった、オプティマス・プライム。
オールスパークの力をその身に宿している、ミソラ。
「せいぜい苦しみなさい」
押し殺した笑い声が唇から溢れる。
次第にソレは大きな声となり砂漠に不気味に響いて終わるだけだった。
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