5章:全てはこの為に
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二度と会いたくは無かったのに。
口から出そうになった言葉を必死に押し殺したミソラはただ、恐怖に震えながら目の前にいるメガトロンを見上げることしか出来ない。
『ミソラを離せ!!』
メガトロンに肩を踏まれているため身体を起こすことは出来ない中、それでもミソラを助けようとオプティマスは抗議の声を上げるその言葉に対し、下らないと言うかのようにフンッと鼻で笑うだけだ。
『奪い返せば良いだけだろう?いつものように貴様が助ければ良いだけではないか?・・・まぁ今の貴様にはそんなことはできそうもないがな』
あまりにも突然の攻撃によってボロボロになった今のオプティマスが、メガトロンの手からミソラを奪い返す等ということは誰の目から見ても明らかだった。
『貴様に与えられたのは杖の入手だけでは無かったはずだ。この小娘もまた捕らえろと言われていたのだろう?』
ミソラを掴んでいる手に力を少しだけ込めれば、脆弱な人間でしか無いミソラは苦しげな声を上げながら必死に拘束から逃れようとしていたが、突然その声が弱々しいものになったことにメガトロンは顔をしかめる。
『この人間負傷してるぜ?やべぇんじゃねぇの?』
同行していたニトロゼウスがミソラが怪我をしていることに気づき、そう進言してきたためメガトロンはミソラと捕まえていた手を開く。
自身の掌を汚す赤い血、自分のカメラアイと似たような色をしたソレをジッと見ていたメガトロンだったが、ミソラを一瞥すると確かに右肩から左腹部にかけて損傷しているなと理解する。
『プライム。この傷は貴様がつけたのか?』
ぐっと言葉に詰まったオプティマスが青い目を逸らしたことによりメガトロンは笑いを堪えられなかった。
あれほど大切だと、守りたいのだと言っていた存在を、自らの手で傷つけた。この高潔な男がその罪の重さにどれだけ耐えられるのだろうか?と思うだけで笑いが止らない。
ミソラを持っていない方の手でオプティマスの頭を掴んだメガトロンは、顔を近づけると小さな声で問いかける。
『是非とも俺に教えて欲しいものだなぁ?小娘を切り裂いたときの感想を!!』
『・・・・ッ!!』
『柔らかな皮膚を引き裂く感触はどうだった?小娘の肉を引き裂いた感触を剣越しに感じたのだろう?吹き出た赤い血の色を見た時の感想は?苦痛に呻く声を聞いたときの感想は?』
優しい甘言を囁くかのような声音で問いかければ、オプティマスのカメラアイが答える事を拒否するかのようにカシャカシャと乱暴に鳴る音が聞こえてきた。
その音を聞くだけで今までの溜飲が下ったような気がしたメガトロンは、これまでに無いほど上機嫌で笑っていたときだ。
「・・・ないで」
微かな声をセンサーが拾う。
視線を向けた先に居たのは苦しそうに呼吸をしながらも、敵意を持ってメガトロンを睨み付けているミソラの姿があった。
『小娘。今何と言った?』
「笑わないでと言ったの」
恐怖に怯えた顔をしているのにその目だけは怒りで歪められている。
強い意思の込められたミソラの目の輝きをメガトロンは凝視する。
この眼差しとよく似たものをメガトロンは過去に一度だけ見た事があった。
シカゴでの戦いにて、センチネルの企みに騙され、自らの終りをただ静かに待っていた自分の前に現れたミソラが浮かべた時ととてもよく似ている。
最もあの時とは目に宿る感情が違う事くらい解っていた。
『フン・・・興が削がれた』
吐き捨てるようにそう告げたメガトロンはオプティマスに背を向けるとトランスフォームを開始する。
ジェット機のコックピット内に閉じ込められたミソラはそこから逃げだそうとするかのようにガラスを叩くがびくともしない。
オプティマスとミソラは互いに手を伸ばすがその手は届くことは無く、別れの言葉すら言えないままミソラはオプティマスの前から姿を消した。
口から出そうになった言葉を必死に押し殺したミソラはただ、恐怖に震えながら目の前にいるメガトロンを見上げることしか出来ない。
『ミソラを離せ!!』
メガトロンに肩を踏まれているため身体を起こすことは出来ない中、それでもミソラを助けようとオプティマスは抗議の声を上げるその言葉に対し、下らないと言うかのようにフンッと鼻で笑うだけだ。
『奪い返せば良いだけだろう?いつものように貴様が助ければ良いだけではないか?・・・まぁ今の貴様にはそんなことはできそうもないがな』
あまりにも突然の攻撃によってボロボロになった今のオプティマスが、メガトロンの手からミソラを奪い返す等ということは誰の目から見ても明らかだった。
『貴様に与えられたのは杖の入手だけでは無かったはずだ。この小娘もまた捕らえろと言われていたのだろう?』
ミソラを掴んでいる手に力を少しだけ込めれば、脆弱な人間でしか無いミソラは苦しげな声を上げながら必死に拘束から逃れようとしていたが、突然その声が弱々しいものになったことにメガトロンは顔をしかめる。
『この人間負傷してるぜ?やべぇんじゃねぇの?』
同行していたニトロゼウスがミソラが怪我をしていることに気づき、そう進言してきたためメガトロンはミソラと捕まえていた手を開く。
自身の掌を汚す赤い血、自分のカメラアイと似たような色をしたソレをジッと見ていたメガトロンだったが、ミソラを一瞥すると確かに右肩から左腹部にかけて損傷しているなと理解する。
『プライム。この傷は貴様がつけたのか?』
ぐっと言葉に詰まったオプティマスが青い目を逸らしたことによりメガトロンは笑いを堪えられなかった。
あれほど大切だと、守りたいのだと言っていた存在を、自らの手で傷つけた。この高潔な男がその罪の重さにどれだけ耐えられるのだろうか?と思うだけで笑いが止らない。
ミソラを持っていない方の手でオプティマスの頭を掴んだメガトロンは、顔を近づけると小さな声で問いかける。
『是非とも俺に教えて欲しいものだなぁ?小娘を切り裂いたときの感想を!!』
『・・・・ッ!!』
『柔らかな皮膚を引き裂く感触はどうだった?小娘の肉を引き裂いた感触を剣越しに感じたのだろう?吹き出た赤い血の色を見た時の感想は?苦痛に呻く声を聞いたときの感想は?』
優しい甘言を囁くかのような声音で問いかければ、オプティマスのカメラアイが答える事を拒否するかのようにカシャカシャと乱暴に鳴る音が聞こえてきた。
その音を聞くだけで今までの溜飲が下ったような気がしたメガトロンは、これまでに無いほど上機嫌で笑っていたときだ。
「・・・ないで」
微かな声をセンサーが拾う。
視線を向けた先に居たのは苦しそうに呼吸をしながらも、敵意を持ってメガトロンを睨み付けているミソラの姿があった。
『小娘。今何と言った?』
「笑わないでと言ったの」
恐怖に怯えた顔をしているのにその目だけは怒りで歪められている。
強い意思の込められたミソラの目の輝きをメガトロンは凝視する。
この眼差しとよく似たものをメガトロンは過去に一度だけ見た事があった。
シカゴでの戦いにて、センチネルの企みに騙され、自らの終りをただ静かに待っていた自分の前に現れたミソラが浮かべた時ととてもよく似ている。
最もあの時とは目に宿る感情が違う事くらい解っていた。
『フン・・・興が削がれた』
吐き捨てるようにそう告げたメガトロンはオプティマスに背を向けるとトランスフォームを開始する。
ジェット機のコックピット内に閉じ込められたミソラはそこから逃げだそうとするかのようにガラスを叩くがびくともしない。
オプティマスとミソラは互いに手を伸ばすがその手は届くことは無く、別れの言葉すら言えないままミソラはオプティマスの前から姿を消した。