5章:全てはこの為に
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自分へと振り下ろされる剣をミソラは信じられない気持ちで見つめていた。
ゆっくりとスローモーションのようにオプティマスが動いているのを身じろぎ一つ出来ぬまま、ただ、ジッと見つめる事しか出来ずにいる。
レノックスが「逃げろ」と叫びながら大きく手を振っており、彼の側にいる軍人達がオプティマスの暴挙を止めるため執拗な攻撃を放つ。
『ミソラ。これは私の邪魔をし、そして創造主への反逆に対する君への罰だ。創造主からは君を生かしたまま捕らえるように命じられてはいるが、多少の傷は許すと言われている』
至極当然のことのように淡々とした声で言われた言葉であったが、それを口にするオプティマスの顔が今にも泣き出しそうなものである事に見えたミソラはオールスパークの力を使い、オプティマスの動きを止めなくてはと思いながら手を掲げる。
力を使おうとしたミソラの脳裏に、TRFの攻撃を受けて深い奈落の底へと落ちていった騎士の姿が浮かぶ。
もしもここでオプティマスの動きを止めてしまえば、身を守る術など無いオプティマスは集中砲火を受け、そしてあの騎士の二の前になるのは明らかだ。
「(オプティマスを失ってしまう)」
それだけは絶対に嫌だったミソラは掲げていた手を下ろす。
オールスパークが良いのか?と問いかけてくるがそれに対してミソラはどう返すがただしいのだろう?と考える。
オプティマスは地球の敵になってしまった。
そう言って、そう判断して、そう処理するのが正しいのだと解っている。
けれどミソラにはその選択をすることが出来なかった。
例え道を違えてしまったとしても、例え共に生きることが出なくなってしまったとしても、それでもオプティマス・プライムはミソラにとって最も大切でいて、そして愛しい人なのだ。
「(本当、馬鹿だなぁ私って)」
命の危機だというのに自分の下した決断があまりにも愚かで、そして滑稽だったことにミソラは困ったように微笑みながらオプティマスへと視線を戻す。
ミソラが迫り来る剣を恐れてはいない事に気づいたオプティマスの紫色の目が驚愕のあまり見開かれる。
何故笑うのだ?
そう問いかけるよりも早く振り下ろした剣がミソラの身体を吹き飛ばす。
小さな身体はいとも簡単に吹き飛ばされ、床の上へと数度乱暴に叩付けられてから完全に止る。
ピクリとも動かないミソラの姿をオプティマスはただジッと見つめていた。センサーを使い生体反応を調べれば、心臓が動いていることが確認できた。
倒れたミソラの姿に誰もが言葉を失い立ち尽くす中、最初に我に返ったのはヴィヴィアンだ。
「ミソラ?・・・・ミソラッ!!!」
泣き出しそうな声でミソラの名を呼びながら駆け寄ると怪我の状態を確認する。
右肩から左腹部へと切り裂かれており、そこからおびただしい量の血が流れて床を濡らしていた。このままでは出血多量で死んでしまうと判断したヴィヴィアンはとりあえず止血をしなくてはと思い着ていた上着の袖を引き裂いて傷口に押し当てる。
袖は見る間に真っ赤に染まりすぐに止血の役目を失ってしまう。
「しっかりして!大丈夫よ?すぐに病院に運ぶから」
震える声で必死に大丈夫と繰り返していたヴィヴィアンの頭上に影が一つ落ちてくる。
なんだと思うよりも早く、影の主が答えた。
『杖を寄越せ』
「こんな状況で言うことがそれなの!?武器も持たない無抵抗な女の子を斬りつけて、瀕死の重傷を負わせておいて、最初に言う言葉がそれなの!?」
『早くしろ。創造主からは君達の生死に関しては何も言われては無い。つまり早い話、君を殺して奪い取っても良いんだ』
唸るような声でオプティマスはヴィヴィアンに詰め寄る。
本気なのだと悟ったケイドは裏切られたと思いながら苦渋の決断を下す。
「杖を渡せ」
「でもッ!!」
「いいから。じゃないと、」
俺達は間違い無く殺される。
その言葉だけはケイドはどうしても口にすることが出来なかった。
ゆっくりとスローモーションのようにオプティマスが動いているのを身じろぎ一つ出来ぬまま、ただ、ジッと見つめる事しか出来ずにいる。
レノックスが「逃げろ」と叫びながら大きく手を振っており、彼の側にいる軍人達がオプティマスの暴挙を止めるため執拗な攻撃を放つ。
『ミソラ。これは私の邪魔をし、そして創造主への反逆に対する君への罰だ。創造主からは君を生かしたまま捕らえるように命じられてはいるが、多少の傷は許すと言われている』
至極当然のことのように淡々とした声で言われた言葉であったが、それを口にするオプティマスの顔が今にも泣き出しそうなものである事に見えたミソラはオールスパークの力を使い、オプティマスの動きを止めなくてはと思いながら手を掲げる。
力を使おうとしたミソラの脳裏に、TRFの攻撃を受けて深い奈落の底へと落ちていった騎士の姿が浮かぶ。
もしもここでオプティマスの動きを止めてしまえば、身を守る術など無いオプティマスは集中砲火を受け、そしてあの騎士の二の前になるのは明らかだ。
「(オプティマスを失ってしまう)」
それだけは絶対に嫌だったミソラは掲げていた手を下ろす。
オールスパークが良いのか?と問いかけてくるがそれに対してミソラはどう返すがただしいのだろう?と考える。
オプティマスは地球の敵になってしまった。
そう言って、そう判断して、そう処理するのが正しいのだと解っている。
けれどミソラにはその選択をすることが出来なかった。
例え道を違えてしまったとしても、例え共に生きることが出なくなってしまったとしても、それでもオプティマス・プライムはミソラにとって最も大切でいて、そして愛しい人なのだ。
「(本当、馬鹿だなぁ私って)」
命の危機だというのに自分の下した決断があまりにも愚かで、そして滑稽だったことにミソラは困ったように微笑みながらオプティマスへと視線を戻す。
ミソラが迫り来る剣を恐れてはいない事に気づいたオプティマスの紫色の目が驚愕のあまり見開かれる。
何故笑うのだ?
そう問いかけるよりも早く振り下ろした剣がミソラの身体を吹き飛ばす。
小さな身体はいとも簡単に吹き飛ばされ、床の上へと数度乱暴に叩付けられてから完全に止る。
ピクリとも動かないミソラの姿をオプティマスはただジッと見つめていた。センサーを使い生体反応を調べれば、心臓が動いていることが確認できた。
倒れたミソラの姿に誰もが言葉を失い立ち尽くす中、最初に我に返ったのはヴィヴィアンだ。
「ミソラ?・・・・ミソラッ!!!」
泣き出しそうな声でミソラの名を呼びながら駆け寄ると怪我の状態を確認する。
右肩から左腹部へと切り裂かれており、そこからおびただしい量の血が流れて床を濡らしていた。このままでは出血多量で死んでしまうと判断したヴィヴィアンはとりあえず止血をしなくてはと思い着ていた上着の袖を引き裂いて傷口に押し当てる。
袖は見る間に真っ赤に染まりすぐに止血の役目を失ってしまう。
「しっかりして!大丈夫よ?すぐに病院に運ぶから」
震える声で必死に大丈夫と繰り返していたヴィヴィアンの頭上に影が一つ落ちてくる。
なんだと思うよりも早く、影の主が答えた。
『杖を寄越せ』
「こんな状況で言うことがそれなの!?武器も持たない無抵抗な女の子を斬りつけて、瀕死の重傷を負わせておいて、最初に言う言葉がそれなの!?」
『早くしろ。創造主からは君達の生死に関しては何も言われては無い。つまり早い話、君を殺して奪い取っても良いんだ』
唸るような声でオプティマスはヴィヴィアンに詰め寄る。
本気なのだと悟ったケイドは裏切られたと思いながら苦渋の決断を下す。
「杖を渡せ」
「でもッ!!」
「いいから。じゃないと、」
俺達は間違い無く殺される。
その言葉だけはケイドはどうしても口にすることが出来なかった。