5章:全てはこの為に
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こんな事など望んでいなかった。
そう思いながらミソラはオプティマスの背を見つめる。
無事にまた会えるものだとばかり思っていた。否、無事に会えるのだと勝手に思い込んでいただけなのだ。
自分達ならばきっと大丈夫だという根拠のない自信があった。
けれど現実とはとても無慈悲なものだった。
『私は同胞のために戦う。そして同胞のために星を蘇らせるのだ』
同胞、それは人間では無い。
第二の故郷であるはずの地球でも、共に生きると決めた人間でも無い。
彼の言う同胞とはサイバトロン星に生きるトランスフォーマーだ。
『さぁ。解ったら早く杖を渡せ。あまり手荒なことはしたくはない』
柱へと追い詰められたヴィヴィアンはそれでも尚、杖をオプティマスへと渡すことはしない。オプティマスと顔見知りらしいケイドに対して何が起こっているのだ?と言うかのように彼の名を呼ぶ事しか出来ないヴィヴィアンに対し、ケイドは警戒した声でオプティマスに異変が起きていることを伝えた時だ。
「杖は渡せない」
静かな声だったがこの場に居る全員の耳に何故か届く。
ゆっくりとした足取りでミソラはオプティマスとヴィヴィアンの間に立つと、両手を広げてオプティマスの顔を見上げた。
ジッとその顔を見つめていると最後に見たときとは違う事があることに気づく。
青かった瞳は紫色へと変色しており、顔にはまるで返り血でも浴びたかのような赤い何かが付着している。
『・・・・ミソラ?』
「久しぶりだね」
こんな状況でも自分の名をオプティマスが呼んでくれたことが嬉しかったミソラは目を細めて笑う。
『ミソラ、君との語らいは創造主を交えて後ほどゆっくりとしよう。今は邪魔をしないで欲しい・・・一刻も早く杖を創造主へと差し出さなければならない』
「地球を犠牲にしてサイバトロン星を蘇らせる為?」
『そうだ。我々に残された猶予はあまりない。死に逝く星の悲鳴・・・それはきっとオースパークをその身に宿している君が誰よりも一番良く解っているはずだ』
ヒタリと向けられた瞳が縋るようにミソラを見つめる。
オプティマスが言うようにオールスパークを通してサイバトロン星が必死に救いを求めている声は届いている。そしてそれに応えるかのようにオールスパークが還りたいのだと器である自分に懇願する声も。
「そうみたいだね。残された猶予はあまりないみたい」
地球にとってもサイバトロン星の双方に言えることだ。
状況はどちらかと言えば地球の方が分が悪い。
それはサイバトロン星が地球の生気を奪い取れるまで接近しているのはオプティマスがここに居る事から明らかだ。
だから最後の砦とも言える杖をなんとしてでも守らなければならない。
そう思ったミソラは拳を強く握りしめる。
これから行うことに対して心が嫌だと悲鳴を上げる。
許されるのであれば今すぐここから泣いて逃げ出してしまいたくなる弱気な自分の心へと向かい、それだけはしては駄目だと叱咤しながらミソラは目の前にあるオプティマスの顔を見上げた。
「ごめんなさい」
謝罪の言葉を告げたのと同時にミソラはオールスパークの力を使いオプティマスを拘束する。
何故?と言うかのように紫の瞳が見開かれたが、次の瞬間には裏切るのかと咎めるかのように細められるのを間近で見たミソラの顔が悲痛なものへと変わるが、それでも力を緩めることはしない。
「許してなんて言わない。サイバトロン星の再生を邪魔する私のことを恨んでくれても構わない・・・・私は貴方を止める!!杖は絶対に渡さない!!!」
そうすることがきっと一番良い選択なのだと思いながらミソラは怒りで歪むオプティマスの顔を見つめていた。
そう思いながらミソラはオプティマスの背を見つめる。
無事にまた会えるものだとばかり思っていた。否、無事に会えるのだと勝手に思い込んでいただけなのだ。
自分達ならばきっと大丈夫だという根拠のない自信があった。
けれど現実とはとても無慈悲なものだった。
『私は同胞のために戦う。そして同胞のために星を蘇らせるのだ』
同胞、それは人間では無い。
第二の故郷であるはずの地球でも、共に生きると決めた人間でも無い。
彼の言う同胞とはサイバトロン星に生きるトランスフォーマーだ。
『さぁ。解ったら早く杖を渡せ。あまり手荒なことはしたくはない』
柱へと追い詰められたヴィヴィアンはそれでも尚、杖をオプティマスへと渡すことはしない。オプティマスと顔見知りらしいケイドに対して何が起こっているのだ?と言うかのように彼の名を呼ぶ事しか出来ないヴィヴィアンに対し、ケイドは警戒した声でオプティマスに異変が起きていることを伝えた時だ。
「杖は渡せない」
静かな声だったがこの場に居る全員の耳に何故か届く。
ゆっくりとした足取りでミソラはオプティマスとヴィヴィアンの間に立つと、両手を広げてオプティマスの顔を見上げた。
ジッとその顔を見つめていると最後に見たときとは違う事があることに気づく。
青かった瞳は紫色へと変色しており、顔にはまるで返り血でも浴びたかのような赤い何かが付着している。
『・・・・ミソラ?』
「久しぶりだね」
こんな状況でも自分の名をオプティマスが呼んでくれたことが嬉しかったミソラは目を細めて笑う。
『ミソラ、君との語らいは創造主を交えて後ほどゆっくりとしよう。今は邪魔をしないで欲しい・・・一刻も早く杖を創造主へと差し出さなければならない』
「地球を犠牲にしてサイバトロン星を蘇らせる為?」
『そうだ。我々に残された猶予はあまりない。死に逝く星の悲鳴・・・それはきっとオースパークをその身に宿している君が誰よりも一番良く解っているはずだ』
ヒタリと向けられた瞳が縋るようにミソラを見つめる。
オプティマスが言うようにオールスパークを通してサイバトロン星が必死に救いを求めている声は届いている。そしてそれに応えるかのようにオールスパークが還りたいのだと器である自分に懇願する声も。
「そうみたいだね。残された猶予はあまりないみたい」
地球にとってもサイバトロン星の双方に言えることだ。
状況はどちらかと言えば地球の方が分が悪い。
それはサイバトロン星が地球の生気を奪い取れるまで接近しているのはオプティマスがここに居る事から明らかだ。
だから最後の砦とも言える杖をなんとしてでも守らなければならない。
そう思ったミソラは拳を強く握りしめる。
これから行うことに対して心が嫌だと悲鳴を上げる。
許されるのであれば今すぐここから泣いて逃げ出してしまいたくなる弱気な自分の心へと向かい、それだけはしては駄目だと叱咤しながらミソラは目の前にあるオプティマスの顔を見上げた。
「ごめんなさい」
謝罪の言葉を告げたのと同時にミソラはオールスパークの力を使いオプティマスを拘束する。
何故?と言うかのように紫の瞳が見開かれたが、次の瞬間には裏切るのかと咎めるかのように細められるのを間近で見たミソラの顔が悲痛なものへと変わるが、それでも力を緩めることはしない。
「許してなんて言わない。サイバトロン星の再生を邪魔する私のことを恨んでくれても構わない・・・・私は貴方を止める!!杖は絶対に渡さない!!!」
そうすることがきっと一番良い選択なのだと思いながらミソラは怒りで歪むオプティマスの顔を見つめていた。