5章:全てはこの為に
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先程まで騎士が居た場所をミソラは呆然とした顔をして見つめる。
遠くの方から「誰が撃てと命令したッ!!」というレノックスの怒声が聞こえてきたが、それに反応することをしないままミソラはジッと前だけを見ていた。
自分が騎士の動きを止めなければ、会話をしようとしなければ、命だけは助けられたかもしれない。そう思いながら拳を握ったときだ。
慰めるかのようにポンッと背を軽く叩かれる。
「お前のせいじゃない。あの騎士はボロボロだった。それこそ今にも崩壊しそうな程な。だからきっと長くは生きられなかっただろう」
死に追いやったのはミソラでは無いとケイドが告げた発言。
それを素直に受け入れられはしないが、けれど少しだけ今の言葉を聞いて気持ちが楽になった気がしたミソラがぎこちなく微笑みながら頷いたときだ。
「きゃぁぁ!?」
女性の悲鳴に気づいた二人が視線を向ければ、そこには杖を手にしたヴィヴィアンの姿があった。
驚愕する彼女の目の前で、木の杖が突然その姿を変えていく。
まるでトランスフォームと同じだとミソラが思った瞬間、頭の中に何かの映像が流れ込んでくる。
一人の老人、彼と向かい合うサイバトロン騎士、若い男と彼の側に控えている者達。
「杖の記憶?」
杖が完全にその姿を変えたのと同時に映像も止る。
何が起こったのか解らないと言いたげな顔をしたまま、ヴィヴィアンは自身の手にある杖をただジッと見つめていた。
「何が起こってももう驚かない自信があったつもりだけど」
コレは想定外だった。
そう言いたげな顔をしながらヴィヴィアンが呟けば、いつの間にか彼女の側にいたケイドが手を差し伸べる。
ヴィヴィアンが戸惑いながらもその手を取れば、ケイドは彼女の腕を引いて立ち上がらせた。
「目的の物は無事に手に入れられた。次はどうする?」
「ケイドさん、ここにTRFが来ています。彼等に捕まらないうちに逃げましょう!!」
捕まれば恐らく杖は奪われる。
人間の手に、特に政府の手に杖が渡れば碌な事にならないと判断したミソラがそう提案するとケイドは頷くと、今後の方針を決めるためにもアライアンス号まで戻る事を決めた時だ。
船が振動を始める。
「浮上してる?」
杖が正当な持ち主の手に渡ったからなのか、もしくは違う何かが原因なのかは解らないがここに長居することは良くない事だけは解る。
三人は無言のまま顔を見合わせるとここから逃げるために歩き出そうとしたときだ。
「動くなッ!!」
鋭い声が聞こえた為、思わずミソラは足を止める。
制止の声を掛けてきたのはレノックスで、彼は持っている銃をヒタリとケイドに向けていたが、ケイドに庇われているヴィヴィアンの手にある物に気づくと銃口を彼女へと定めた。
「レノックスさん!」
何をするのだというかのように彼の名をミソラは呼ぶが、レノックスはそれに答えることをしないままヴィヴィアンのみを見据えている。
ヴィヴィアンの持つ物が地球を滅ぼす装置を起動する鍵である以上、それを一般人に渡すわけにはいかないと言いたげな顔をしていた。
「ソレをこちらに渡せ」
「いやよ」
きっぱりとそう言い返したヴィヴィアンはケイドの側から離れると、先程騎士が落ちていった場所へと近づく。
遠くの方から「誰が撃てと命令したッ!!」というレノックスの怒声が聞こえてきたが、それに反応することをしないままミソラはジッと前だけを見ていた。
自分が騎士の動きを止めなければ、会話をしようとしなければ、命だけは助けられたかもしれない。そう思いながら拳を握ったときだ。
慰めるかのようにポンッと背を軽く叩かれる。
「お前のせいじゃない。あの騎士はボロボロだった。それこそ今にも崩壊しそうな程な。だからきっと長くは生きられなかっただろう」
死に追いやったのはミソラでは無いとケイドが告げた発言。
それを素直に受け入れられはしないが、けれど少しだけ今の言葉を聞いて気持ちが楽になった気がしたミソラがぎこちなく微笑みながら頷いたときだ。
「きゃぁぁ!?」
女性の悲鳴に気づいた二人が視線を向ければ、そこには杖を手にしたヴィヴィアンの姿があった。
驚愕する彼女の目の前で、木の杖が突然その姿を変えていく。
まるでトランスフォームと同じだとミソラが思った瞬間、頭の中に何かの映像が流れ込んでくる。
一人の老人、彼と向かい合うサイバトロン騎士、若い男と彼の側に控えている者達。
「杖の記憶?」
杖が完全にその姿を変えたのと同時に映像も止る。
何が起こったのか解らないと言いたげな顔をしたまま、ヴィヴィアンは自身の手にある杖をただジッと見つめていた。
「何が起こってももう驚かない自信があったつもりだけど」
コレは想定外だった。
そう言いたげな顔をしながらヴィヴィアンが呟けば、いつの間にか彼女の側にいたケイドが手を差し伸べる。
ヴィヴィアンが戸惑いながらもその手を取れば、ケイドは彼女の腕を引いて立ち上がらせた。
「目的の物は無事に手に入れられた。次はどうする?」
「ケイドさん、ここにTRFが来ています。彼等に捕まらないうちに逃げましょう!!」
捕まれば恐らく杖は奪われる。
人間の手に、特に政府の手に杖が渡れば碌な事にならないと判断したミソラがそう提案するとケイドは頷くと、今後の方針を決めるためにもアライアンス号まで戻る事を決めた時だ。
船が振動を始める。
「浮上してる?」
杖が正当な持ち主の手に渡ったからなのか、もしくは違う何かが原因なのかは解らないがここに長居することは良くない事だけは解る。
三人は無言のまま顔を見合わせるとここから逃げるために歩き出そうとしたときだ。
「動くなッ!!」
鋭い声が聞こえた為、思わずミソラは足を止める。
制止の声を掛けてきたのはレノックスで、彼は持っている銃をヒタリとケイドに向けていたが、ケイドに庇われているヴィヴィアンの手にある物に気づくと銃口を彼女へと定めた。
「レノックスさん!」
何をするのだというかのように彼の名をミソラは呼ぶが、レノックスはそれに答えることをしないままヴィヴィアンのみを見据えている。
ヴィヴィアンの持つ物が地球を滅ぼす装置を起動する鍵である以上、それを一般人に渡すわけにはいかないと言いたげな顔をしていた。
「ソレをこちらに渡せ」
「いやよ」
きっぱりとそう言い返したヴィヴィアンはケイドの側から離れると、先程騎士が落ちていった場所へと近づく。