5章:全てはこの為に
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潜水艦アライアンス号の内部に入ったときには既にケイド達は乗船していた。
観光客達はすでに追い出されているらしく、艦内には人の気配が全くと言って良いほどしておらず、ミソラは恐る恐るという顔をして艦内を進んでいくと、聞き覚えのある声が聞こえた事にホッと胸をなで下ろすのと同時に、自分が一番最後だったことに気づく。
「ミソラ?無事だったのね」
「うん。追ってきたパトカーはホット・ロッドが対処してくれたから・・・私は特にすることなかったかな?」
「貴方達が追手を引きつけたって聞いた時は吃驚したわ」
「私に出来る事なんて限られているから。」
最初にミソラに気づいたのはヴィヴィアンだ。
彼女はミソラが怪我を負っていないことにホッとしたかのように微笑みながら声を掛けてきてくれたので、ミソラは自分は何もしていないのだと言うかのようにゆるく首を振りながら答える。
「何か問題でも?」
ミソラはもしや自分が来るまで皆を待たせてしまっただろうか?と思い、申し訳ない気持ちになりながらケイドの顔を見ると彼の顔が曇っていることに気づく。
「コレをどうやって動かすかが問題だ。燃料は抜かれているの勿論だが、現役を退いてからかなりの時間が経ってるだろ?正直な気持ち動くとは思えない」
コンッ、と内部を叩きながら言われたケイドの言葉にミソラも内部を見渡していた時だ。
「君達は何の意味も無くこの場所に、この船に集まるように言われたと思うのかね?現役を退き、人の目を楽しませるだけの船に来るように言われたと?私はそうは思えん・・・全てが最初から定められたことなのだよ」
感動した声でそう口火を切ったのはエドモンドだ。
彼は潜水艦内部を興味深そうに見つめており、キラキラと目を輝かせながら色々な部分を触っているその姿はまるで無邪気な子供のようだ。
「アンタにはどうやらこの骨董品が動くって言う確証があるようだな」
「そこまでは私には解らない。ただ・・・私に言えることはこれは私が長年待ち続けた最も重要な任務であり、人類の歴史の流れを大きく変えるという事だな。流れが良い方に向かうのか、それとも悪い方に進むのかは君達の行動次第だよ」
にんまりと微笑んだエドモンドは近くにあったレバーを愛おしげに撫でる。
何度も何度もソレを繰り返した後、エドモンドは静かに目を伏せた。
「我らウィトウィック騎士団が永きに渡りこの歴史的瞬間が来る事を待ち望んでいた。残念なのは騎士団の一人である私がソレをこの目で見届けられないということだ」
「一緒に来ては下さらないのですか?」
ミソラが思わず声を掛けると、エドモンドは無言のまま首を振る。
尚も言葉を紡ごうとしたミソラへと向かいエドモンドは解っているのだと言うかのようにポンポンと肩を叩くだけだ。
「私には別の任務があるのだよ・・・お嬢さん、いいやミソラ、君にも君にしか出来ない任務が存在している」
「私にしか?」
それは一体何なのだ?そう目で問いかけるがエドモンドは何も答えない。
ただ困ったような、それでいてどこか憂いているかのような笑みを浮かべるだけだったが、ふと思い出したと言うかのように上着の内ポケットから一枚の紙を取り出す。
所々古ぼけたソレをエドモンドはミソラへと押しつけると、パチンとウィンクをする。
「一人になったら見ると良い。きっとコレは君の力になってくれる・・・ただ、真実とはいつも優しいものだとは限らない事を忘れずに」
「ありがとうございます」
縋るように紙を握りしめながらミソラはお礼の言葉を告げる。
言いたいことも、教えて欲しいことも、たくさんあるのだがそれはきっと、二度と叶わない事だろうなとミソラは思いながら目の前の老人を見上げた。
観光客達はすでに追い出されているらしく、艦内には人の気配が全くと言って良いほどしておらず、ミソラは恐る恐るという顔をして艦内を進んでいくと、聞き覚えのある声が聞こえた事にホッと胸をなで下ろすのと同時に、自分が一番最後だったことに気づく。
「ミソラ?無事だったのね」
「うん。追ってきたパトカーはホット・ロッドが対処してくれたから・・・私は特にすることなかったかな?」
「貴方達が追手を引きつけたって聞いた時は吃驚したわ」
「私に出来る事なんて限られているから。」
最初にミソラに気づいたのはヴィヴィアンだ。
彼女はミソラが怪我を負っていないことにホッとしたかのように微笑みながら声を掛けてきてくれたので、ミソラは自分は何もしていないのだと言うかのようにゆるく首を振りながら答える。
「何か問題でも?」
ミソラはもしや自分が来るまで皆を待たせてしまっただろうか?と思い、申し訳ない気持ちになりながらケイドの顔を見ると彼の顔が曇っていることに気づく。
「コレをどうやって動かすかが問題だ。燃料は抜かれているの勿論だが、現役を退いてからかなりの時間が経ってるだろ?正直な気持ち動くとは思えない」
コンッ、と内部を叩きながら言われたケイドの言葉にミソラも内部を見渡していた時だ。
「君達は何の意味も無くこの場所に、この船に集まるように言われたと思うのかね?現役を退き、人の目を楽しませるだけの船に来るように言われたと?私はそうは思えん・・・全てが最初から定められたことなのだよ」
感動した声でそう口火を切ったのはエドモンドだ。
彼は潜水艦内部を興味深そうに見つめており、キラキラと目を輝かせながら色々な部分を触っているその姿はまるで無邪気な子供のようだ。
「アンタにはどうやらこの骨董品が動くって言う確証があるようだな」
「そこまでは私には解らない。ただ・・・私に言えることはこれは私が長年待ち続けた最も重要な任務であり、人類の歴史の流れを大きく変えるという事だな。流れが良い方に向かうのか、それとも悪い方に進むのかは君達の行動次第だよ」
にんまりと微笑んだエドモンドは近くにあったレバーを愛おしげに撫でる。
何度も何度もソレを繰り返した後、エドモンドは静かに目を伏せた。
「我らウィトウィック騎士団が永きに渡りこの歴史的瞬間が来る事を待ち望んでいた。残念なのは騎士団の一人である私がソレをこの目で見届けられないということだ」
「一緒に来ては下さらないのですか?」
ミソラが思わず声を掛けると、エドモンドは無言のまま首を振る。
尚も言葉を紡ごうとしたミソラへと向かいエドモンドは解っているのだと言うかのようにポンポンと肩を叩くだけだ。
「私には別の任務があるのだよ・・・お嬢さん、いいやミソラ、君にも君にしか出来ない任務が存在している」
「私にしか?」
それは一体何なのだ?そう目で問いかけるがエドモンドは何も答えない。
ただ困ったような、それでいてどこか憂いているかのような笑みを浮かべるだけだったが、ふと思い出したと言うかのように上着の内ポケットから一枚の紙を取り出す。
所々古ぼけたソレをエドモンドはミソラへと押しつけると、パチンとウィンクをする。
「一人になったら見ると良い。きっとコレは君の力になってくれる・・・ただ、真実とはいつも優しいものだとは限らない事を忘れずに」
「ありがとうございます」
縋るように紙を握りしめながらミソラはお礼の言葉を告げる。
言いたいことも、教えて欲しいことも、たくさんあるのだがそれはきっと、二度と叶わない事だろうなとミソラは思いながら目の前の老人を見上げた。